著者 辻井 喬
4.1 5つ星のうち 7 カスタマーレビュー
ダウンロード茜色の空無料のePub辻井 喬 - 内容紹介 近年再評価の気運が高まっている大平正芳元首相。深い哲学を持ちながら政争に巻き込まれていくその人生を、愛情を込めて描き出す 内容(「BOOK」データベースより) 決してスマートとはいえない風貌に「鈍牛」「アーウー」と渾名された訥弁。だが遺した言葉は「環太平洋連帯」「文化の時代」「地域の自主性」など、21世紀の日本を見透していた。キリスト教に帰依した青年期から、大蔵官僚として戦後日本の復興に尽くした壮年期、そして“三角大福”の一人として党内抗争の渦中へ―「政治家は倒れて後やむ」と言い総選挙の最中に壮絶な“戦死”を遂げるまでを、愛惜とともに描く。 商品の説明をすべて表示する
以下は、茜色の空で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 政治小説でありながら大平首相の人柄を反映してか政治色が薄い。登場人物も田中角栄を元とする政治家より記者や学者の出番が多い気がする。書く登場人物の内面に切り込んだ描写が非常に多いことが本小説の特徴だが、多分に著者の想像に依拠している。特に岸信介、佐藤栄作兄弟などは完全に悪役にしか見えない。そういった欠点はあるが大平が目指した理想の社会をおぼろげながらでも描いているのは小説ならではだ。タイムリーな話題である沖縄密約や経済至上主義からの脱却は確かに大平が大きな関心を寄せていた課題であった。あくまで小説と割り切って読めば大平首相の人柄はよく表現できていると思う。 政治家を題材とした書籍は、学者や新聞記者出身により「評伝」や「ドキュメンタリー」として著作され、政治家としての事跡に力点を置くものが多いと思われるが、この著者の場合はその経歴もあってか、政治家以前の「人間大平正芳」に興味の的を絞りつつ、その苦悩や思考の原点に迫ろうとするもので、最近の政治小説とは一線を画する力作とも思われる。また何人かの架空の人物設定によって、人間大平正芳の折々の心の鼓動を表現しようとする試みも多く、「茜色の空」とは、暗闇から徐々に明るさを増す瀬戸内独特の風景を、人間大平正芳の心象風景として表現しているところは妙を得て共感するところが多い。最近の政治や政治家に失望する多くの人達に一読をお勧めしたい一書である。 一読後、政治家がテレビドラマやマスコミで報じられるように、さも下世話で人品骨柄の卑しい人達ばかりのように描かれるご時世で、このような政治家が実際に存在し、活躍し、ある意味で成功を収めたことも、濁りの多いご時世で救われる思いもした。多くの人に読まれることを期待したい。 Tags:茜色の空PDFダウンロード茜色の空PDF茜色の空のePub茜色の空ダウンロード茜色の空オーディオブック茜色の空ダウンロードブック茜色の空発売日茜色の空試し読み茜色の空ネタバレ茜色の空amazon茜色の空download茜色の空kindle