某所への寄稿文の短くする前 (essay 160131)

あるドラマの原作本をネタに書評を某所に送る.

*ドラマは残念ながら見ていない.

余所に出す文章を書くときには, 時間がゆるせば最初は冗長に野放図に執筆した後に,

文字制限に合わせて短くするのが私の慣例である.

寄稿した文書は, その内WEBに出現する予定である.

ここでは元の文章を備忘録として晒す.

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「XXXX」の感想

当方はそろそろ不惑であるべき年齢に達する中年である。

私が皆さんと同じく大学で学んでいた年頃、当時100年以上の歴史のあった大企業が自主廃業に追い込まれた。

この物語は崩壊することが決定した企業に最後まで在籍し、刑事事件対応を含む残務処理を行った社員達を主役として描いている。

これは事実を基にしたノンフィクション風の小説である。

企業に勤務経験のない私でも楽しめるように登場人物の人格は単純化され、感情的な場面は誇張されていると推測する。

社名は実名であるが個人名は仮名が交じる。これは物語としては加えることの出来なかったより深刻な事実もあるのかもしれない。

登場人物のうち収監されたものや長時間にわたり不正の調査を担当するもの、調査を受けるものの心境が描写されている。

この手の不正の調査は関係者間の人間不信を招く。記録の操作を見抜く側は、その操作を施した側の数倍の労力を要求される。

この物語には粉飾決済で間接的に利益を得たもの、不利益を逃げられなかったもの、監査を半ば意図的に怠ったもの、自主廃業決定後に無休で調査に関わった「しんがり」が登場する。

法人も個人も悪人や未熟な人格では無く自らの職務を遂行していた普通の大人である。

倫理観は個人毎に異なる。さらには、所属する組織の規模、目的、及び法律などの変化により個人に求められる倫理観は変化してしまう。

物語で語られる企業は、利益追求のために特定の法人顧客の優遇し当時の法律上グレーゾーンであった「企業努力を行なった」結果、自主廃業に追い込まれた。

私は、これがことの顛末と推測する。

私も月給を受け取り続けて10年あまりが経過した。

職務遂行に求められる倫理感や能力は、多少変化しつつある。

例えば、いま思えば恐ろしいことだが、初任給を貰った時は、個人情報保護法はなかった。

自身は齢を重ね、環境への対応能力は低下しつつある。とはいえ、可能なかぎり、環境へ対応しつづける所存である。

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・・・・・・・・・・草案は, 冗長で文章が硬い. 自分の文書の個性だね.

神原陽一

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