ソフトウェアの設計や開発において、操作手順よりも操作対象に重点を置く考え方です。また、データやその集合を現実世界の「モノ」になぞらえた考え方であることから、オブジェクト指向と呼ばれています。
関連するデータの集合と、それに対する手続き(メソッド)をオブジェクトと呼ばれる一つのまとまりとして管理し、その組み合わせによってソフトウェアを構築します。
また、すでに存在するオブジェクトについては、利用の際にその内部構造や動作原理の詳細を知る必要はなく、外部からメッセージを送れば機能します。
我々がテレビを操作する際、テレビ内部でどのような回路が働いているかを理解する必要はなく、ただテレビの操作方法だけを知っていれば、それでテレビを使うことができます。すなわち、「テレビ」というオブジェクトは、自身(の内部を構成する電子回路)を動作させる手続きを知っており、それを利用するためには、(例えばリモコンで)適切なメッセージを与えるだけでよい。
このように、何らかの「データ」と、それを操作するための「メソッド」の組み合わせが「オブジェクト」である。
個々の操作対象に対して固有の操作方法を設定することで、その内部動作の詳細を覆い隠し、利用しやすくしようとする考え方と言える。この考え方を応用したプログラミング技法が、オブジェクト指向プログラミング(OOP)です。