森口 肇 博士

指導教員名田川 泰敬  

現在の所属:職業能力開発総合大学校     

 修了年度:2019  

博士論文のタイトル :機械式フィードバックを用いた空気圧制御システムの開発と技術者育成への応用  

博士論文の内容 

本論文は,機械式フィードバックを用いた空気圧制御システムの開発と装置開発プロセスで得たノウハウの職業教育への応用に関するものであり,提案する機械要素のみで構成された空気圧マスタースレーブシステムを備えたアプリケーション開発の可能性と,空気圧制御の理論と実際をリンクさせる職業教育を実現する方策について論じました.研究成果として,シンプルな機構で安全性,信頼性の高い空気圧制御システム開発の可能性を高めるとともに,提案した教育カリキュラムと装置開発のノウハウを活用して開発した教材を職業教育に展開することにより,空気圧制御技術者の効果的な育成が可能であることを示しました. 

博士後期課程に進学しようと思った理由 

職場の上司から,担当の先生をご紹介いただいたことが博士後期課程に進学したきっかけです.自分自身の興味を追求し,学術界や社会に貢献することができる研究を行いたいという思いも背中を後押ししました.博士号を取得することにより,より高度な専門知識とスキルだけでなく,問題解決能力やリーダーシップスキルなど,幅広い能力も習得でき,将来のキャリアにおいて大いに役立つであろうと考えました.  

博士後期課程に進学して良かった事 

博士後期課程で研究を行うことによって,空気圧制御とその関連分野において深い専門知識を獲得するとともに,自身の研究テーマに関する文献調査や実験を通じて,知識の幅と深さを広げることができました.博士後期課程で深化された知識は,現在の業務において大いに役立っています.あわせて,研究の設計,データ収集・分析,結果の解釈など,幅広い研究スキルを磨くことができました.研究を通じて,論理的思考や問題解決能力,批判的思考,論文執筆能力など,多様なスキルを獲得することができました.研究の過程で発生する問題を克服し,成果を上げることによって,自信や満足感を得ることができました.また,博士号取得は大きな成果として認められるため,それを達成した喜びも味わうことができました. 

 博士後期課程在籍中に印象に残っている出来事 

博士後期課程在籍中,学会や国際会議での発表の機会があり,自身の研究成果を多くの専門家や研究者と共有し,フィードバックを受けることができました.また,他の研究者の発表にも参加し,最新の研究トピックやアプローチに触れることができました.また,自身の研究成果を論文としてまとめ,学術雑誌に投稿する機会がありました.その論文が採択され,出版されたことは大きな喜びであり,自身の研究が学術コミュニティに貢献することができたことに感慨深い思いを抱きました.私は,幸運にも優れた指導教員に恵まれ,定期的なミーティングや日常の会話を通じて,研究の方向性や方法論についての助言を受けることができました.指導教員との関係構築は,私の研究とキャリアの成長において不可欠な要素でした.これらの出来事は私の研究者としてのスキルや自信を深め,現在の業務に大いに活かされています. 

博士後期課程進学を考える方にメッセージ 

博士後期課程は,長く厳しい道のりですが,その道を進むためには,自身の研究テーマに対する深い情熱や好奇心が必要です.自分の興味を追求し,未解決の課題に挑戦することで,新たな知識や発見を得られるでしょう.博士後期課程は,知識の深化だけでなく,研究スキルや問題解決能力の磨きにも重点を置いており,この過程で困難に立ち向かう力が養われます.自分の限界を超える経験や達成感を得ることで,成長し,自信を持つことができると思います.博士後期課程は知識とスキルの獲得だけでなく,自己成長や学術界への貢献の場でもあります.自身の情熱と興味を信じ,努力と根気を持って取り組むことで,素晴らしい成果と経験を得ることができるでしょう.未知の領域への挑戦を恐れず,研究者としての才能を開花させる旅に出てください.