山田 洋平 博士

指導教員名笹原 弘之   

現在の所属:埼玉大学大学院 理工学研究科 

 修了年度2014  

博士論文のタイトル :曲線切断丸のこの加工特性とCFRPへの適用  

博士論文の内容 

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽量かつ高剛性とこれからのカーボンニュートラル社会の実現に欠かせない材料ですが,硬い炭素繊維と柔らかい樹脂からの複合材料であり,難加工性材料として知られています.そこで,CFRPの高能率切断を可能とする新加工技術として曲線切断丸のこを提案し,その加工メカニズムと加工特性について検討することで他加工法との優位性の調査を行いました.  

博士後期課程に進学しようと思った理由 

研究室が活発で非常に楽しかったことが最大の動機です.学部3年生までの講義主体の学校生活とは異なり,1つの物事を悪戦苦闘しながらも自力で追求しつつ,先生や先輩・後輩からの指摘により,研究をより深く考えていくという過程に充実感と達成感がありました.そして,結果を国内外問わず外部に向け公表することにより,更に研究が加速していくのが楽しくして仕方がありませんでした.  

博士後期課程に進学して良かった事 

失敗を恐れずに自分のやりたい事を自分のペースで追求できる点です.社会人になって痛感しましたが,仕事に対する責任が重く,周囲の目を気にして窮屈に物事を考えざるおえない場面があります.一方で,博士後期課程では,失敗し放題です(ケアレスミスの連続はアウトですが...).普段の実験や共同研究先・学会での発表など多くの失敗を重ねてきましたが,その分,知識や経験に繋がり,この分野で自分は生きて行こうという明確な人生の指針が立ったと思っています.  

 博士後期課程在籍中に印象に残っている出来事 

国際学会での発表や,投稿論文で苦戦した印象はありますが,それ以上に研究室内での生活が楽しかったです.研究に邁進する傍らで,ソフトボール大会で勝利を目指したり,趣味について熱く語り合ったり,徹夜して資料を作り上げている最中に急に思い立ってBBQや旅行に行ったりと,バランス良く楽しんでいた印象が強いです. 

博士後期課程進学を考える方にメッセージ 

少しでも,研究に対してやり残した感がある方は,迷わず博士後期課程に進学することをおすすめします.3年という期間は長いように感じるかもしれませんが,あっという間であり,他の社会人とは異なる経験と知識と自信が身に付きます.1点気にかかるところは,金銭関連ですが,博士後期課程に対する奨学金や補助金は非常に充実しているため,不自由なく生活できると思います.