東部小教研研究大会(八頭町教育会小中合同研究会)が終了しました。
ご参加いただいた会員の皆様、オンラインで授業参観いただいた皆様、研究大会へのご参加ありがとうございました。
10月26日(水)に本校で研究大会を開催しました。町内・東部地区の小学校から約100名程度、オンラインで20名以上の先生方が本校児童の話合い活動(学級活動)の様子を参観されました。
本校では特別活動の研究を8年間続けており、話合いで決めたことをみんなで協力して実践し、みんなで達成した喜びを味わったり、お世話になっている異学年の友達や地域の方にサプライズイベントを実施したりして、他者を喜ばしたりすることを積み重ねてきています。8年間の積み重ねで、自然と話合いにより自分たちで合意形成していく態度が身についています。
今年は生活科や総合的な学習・社会などと関連させ、ふるさとキャリア教育との往還を重視しながら、話合いにおける他者意識を学校内から地域へと広げているところです。
話合いによりみんなで決めたことを、みんなで実践し、自分たちの周りにいる人たちを幸せな気持ちにできる経験を積み重ねながら、つながる人へ・生み出す人へ・やりぬく人へ成長していってくれることを期待しています。
(参加された先生方の感想より)
・すばらしい授業を見せてくださりありがとうございました。自分の学級の特別活動の時間の姿を比べてみると、児童の主体的な姿、司会や黒板記録の姿などに圧倒され、このような姿をめざしていきたいと思いました。子供たちの生き生きした表情、声がとても印象的でした。
・東雲学級の授業を見させていただきました。子供たちがはきはきと自分の意見を言う姿がとてもよかったです。
・常に相手意識をもって話合いが進んでいました。柱1がスムーズに決まり、柱2にたくさんの時間をかけて話し合うことができていて、当日の会やプレゼントの渡し方までイメージが膨らんでいました。姿勢、話し方、聴き方が最後まで崩れず、子供たちの力のすごさ、積み上げにとても感動しました。教室掲示もとても温かく愛があふれていました。参考になることばかりですごくおもしろかったです。ありがとうございました。
・公開学級ほとんど見させていただきましたが、何よりもびっくりしたのは子供達の声の大きさです。自信と力の表れだと感動しました。やはりどの学年も入学後からの積み上げ、どの学級も研究主題のもと同じ方向を向いて進んでいるからであろうと感じました。子供にとって究極のUD(ユニバーサルデザイン)だと思います。
・子供たちが生き生きと発表する姿、堂々と学級会を進行する姿を見させていただき、すばらしいなと思いました。先生方の適切な助言や準備もとても勉強させられました。私も「輝く瞳」で日々過ごす子供を育てていきたいと思いました。
・子供たちが話合いの進め方を共有していて、多くの要素が入った内容を今話し合うべきことは何かを意識しながら意欲的に、的確に話し合っていたことが印象に残りました。一人一人の居場所のある教室であり、多くのアイデアや理由付けが自然に発せられたと思います。学級活動を中心にとてもよい学級経営がなされているのだと感じました。
・子供たちの自主的な意見交換がすばらしかったです。1年生から話合いのしかた、意見の言い方等ができており、8年間続けている特別活動の研究の成果の表れの一つかと思いました。
会員の皆様には、ますますご清栄のことと拝察いたします。
さて、本校では、「学び合い 人間関係を深め 自分たちで生活をつくる東っ子の育成」の研究主題のもと、特別活動の研究実践に取り組んでいます。学級活動や児童会の話合いの中で、他者への理解を高めつつ「集団としての合意形成」や「個としての意思決定」を行い、決めた目標に向けて実践を積み重ねることで「集団としての成長」「個としての成長」につなげています。また、特別活動を軸に全ての教育活動を通して「友達との学び合いの中で、よりよい考えや方法をうみだす力(社会参画)」、「集団生活の中で相手を尊重し、互いに認め合いながらつながる力(人間関係調整)」、「よりよい生活をめざし、自ら課題を見つけ主体的に解決に向けてやりぬく力(自己実現)」を育てています。これらは子供たちが自立し生きていくために必要な資質・能力となります。キャリア教育の視点と絡めながら、学校教育目標「ふるさとを愛し 志を立て 自立して生きる児童の育成」につなげられるよう研究に取り組んでいきたいと考えています。
本研究大会に是非ご参加いただき、ご指導ご助言を賜りますようご案内申し上げます。
1 期 日 令和4年10月26日(水) 受付 13時00分
2 会 場 八頭町立郡家東小学校
3 主 催 東部小学校教育研究会 八頭町教育会 八頭町立郡家東小学校
研究主題:「学び合い 人間関係を深め 自分たちで生活をつくる東っ子の育成」
■ 受 付 13時00分 ~ 13時40分 【受付場所:体育館】
■ 公開授業 13時40分 ~ 14時25分 【 会場:各 教 室 】
全学級公開 学級活動(1)~(3) 詳細は9月初めに案内配布予定。
■ 全 体 会 14時35分 ~ 15時15分 【 会場:体 育 館 】
1 開会挨拶 八 頭 町 教 育 委 員 会 教 育 長 薮 田 邦 彦
2 研究発表 八頭町立郡家東小学校 研究主任 大 坪 紘 司
3 指導講評 八頭町教育委員会学校教育課 指導主事 前 田 徹
■ 講 演 15時20分 ~ 16時40分 【 会場:体 育 館 】
演 題 人が多い街よりも田舎の方が「人がいる」(仮)
講 師 「山奥ニートやってます」の著者 共生舎代表 石井あらた 氏
■ 謝辞・閉会挨拶 八頭町立郡家東小学校 校 長 谷 口 敏 明
○研究主題について
これからの予測不能な激動の社会では、主体的・協働的に課題解決に向かう姿が求められている。様々な課題への対応や多様な集団との関わりの中では、よりよい解決に向かう話合いや活動が必要となってくる。そして、一連の活動を通して自己有用感を味わい、社会三角への意義を実感するサイクルができあがることで、よりよい自分、よりよい社会の実現が可能になると考える。本研究主題「学び合い人間関係を深め自分たちで生活をつくる東っ子の育成」については、以下のように捉えている。
【学び合い】
学びを通して友達と関わることで、よりよい考えや方法を生み出すこと
【人間関係を深め】
集団生活の中で、相手を尊重し、互いに認め合いながらつながること
【自分たちでつくる生活】
よりよい生活をめざし、自ら課題を見つけ、主体的に解決していこうとすること
さらに、本校では、特別活動の「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の視点をもとに、本校のめざすべき子供の姿(「つながる子」「うみだす子」「やりぬく子」)を明示した。これらの姿をめざす上で必要となる力は研究構想図でも表しているように、区別されるものではなく、互いに関わり合ってつく力である。
そして、これらの力の根底にあるのが、「学ぶ力」である。教科学習や特別活動での学びが効果的に往還し合うことで、学びに向かう学習集団を育てることができると考えた。各教科等の授業と特別活動とのつながりを意識し、日々の積み上げの中で学び方を身に付けさせることで、主体的な学び・生活づくりへとつなげていくことをねらった。
○取り組みの概要
今年度は3つの重点項目を設定した。
【重点1】
学校生活の基盤である学級活動(1)の充実を図っていく。また、昨年度の課題から学級会で培ったことが他教科で生かせていないという実態と、相手意識の持てる議題の選定が難しいということが挙げられた。そこで今年度、【重点1】では他教科との関連やクラスの一員だけではなく、異学年、地域と相手を広げられるような議題を選定していくことを探っていきたいと考えている。
【重点2】
学級活動(2)(3)の充実を図れるようにしていきたい。学級活動(2)(3)は集団での合意形成と個の意思決定との両面の力をつけるためである。合意形成の力は、代表委員会や委員会活動等へと広がり、意思決定の力は、目標を持って向かう学校行事等を支えられるようになる。また、意思決定したことを家庭でも継続して行うことは、将来に自分を育てるために欠かせないことである。家庭との連携は、必須となる。しかしながら昨年度は家庭を巻き込んでの活動がうまく機能したとは言えなかったので、今年度はどのような活動ができるのか模索していく。
【重点3】
【重点1】や【重点2】で付いた力をさらに子どもたち自身の生活が豊かにそして楽しいものになるように生かし、伸ばしていくことをめざしている。