E.D.P.S

Rebel Street

Label : Japan Records

Release : 15 Dec. 1982

Format : 12inch LP
Catalog Number : JAL-2504

SIDE A :
1. Turnin' Loose -E.D.P.S.-
2. Erua Ela -Chance Operation-
3. Modern Beat -Lizard-
4. あわのうた -Non Band-
5. Fu・Ru・He・He・He -P-Model-
SIDE B :
1. ボリス・ヴィアンの憤り -和田哲郎 with 町田町蔵-
2. Wake Up -Allergy-
3. のみ水 -突然ダンボール-
4. Rondhe -Shampoo-
5. ここそしてここじゃない場所 -吉野大作 & Prostitute-
6. Sonata 815 -Zelda-

SIDE A Track-1:
レコーディング月日:1982年9月
場所(チャンネル数):DIG STUDIO(8ch)
エンジニア:根岸ひでかず
プロデューサー:ツネマツ・マサトシ
メンバー:ツネマツ・マサトシ(Vo, G)、ヴァニラ(B)、ボウイ(Dr)
事務所:テレグラフ

Rebel Street
Live House Rockers Omunibus Album
Compilation/及川有正、芝省三
Mastering/Sunrise Studio
ジャケット・デザイン/長澤均
ジャケット写真提供:七彩工藝、エディション・アルシーブ

Format : CD
Label : WAX Records
Catalog Number : 27WXD-116
Release : 25th April 1989

Comment:
1982年当時ライブハウスで活躍していたバンド、ミュージシャンを集めたコンピレーション・アルバム。 E.D.P.Sは「Turnin' Loose」で参加。 この曲は8インチ・シングル『Death Composition』にも収録されているが、 もともとはこのアルバムの企画によりスタジオ録音されたもの。 

Death Composition

Label : Telegraph Records

Release : 15th Dec. 1982

Format : 8inch EP
Catalog Number : TEL 1011

SIDE A :
1. Intoroduction ~Grinning In Your Face
SIDE B :
1. Turnin' Loose
2. Nigashita Hajimari

Tsunematsu Masatoshi : Guitars, Vocal
Boy : Drums, Percussion
Vanilla : Bass

Produced by Tsunematsu Masatoshi & Higo Hiroshi
Mixed at Mod Studio, Alfalfa Studio & PAL Studio
Art Work : Tsunematsu Masatoshi

SIDE A : Live Recorded at Kichijyoji Mandala 12th Sep.
SIDE B-1 : Recorded at Honjyo Dig Studio 6th Dec.
SIDE B-2 : Live Recorded at Shinjyuku LOFT 5th Sep.

Format : CD
Label : WAX
Catalog Number : WAX-14
Release : Jan. 1997

SONG LIST
1. Intoroduction ~Grinning In Your Face
2. Turnin' Loose
3. Nigashita Hajimari
4. Sentimental Boy
5. Namari No Yoni
6. It's Your Kingdom
7. Keep On

4 : Live Recorded at Shinjyuku LOFT 5th Sep.
5, 6 & 7 : Live Recorded at Kichijyoji Mandala 12th Sep.

Comment:
恒松自らが描いたオイディプス王のジャケットに包まれた、8インチで3曲入りのEP。 81年にPASSからリリースした12インチEPのように、前衛的で実験色の強いライブをしていた恒松は、 再度バンド・サウンドを目指した。ミラーズ、Mr.Kiteと共に、ジャンプ・ロッカーズとして活動していたスピードに在籍していた、 ボーイとヴァニラを迎え、九州男児トリオによる挨拶代わりにしては重量級の1枚。
このシングルが企画された82年8月頃の段階では、ライブ・シングルとしてリリースする予定だったが、 オムニバス・LP『Rebel Street』参加のために収録したスタジオ・テイクを加えリリースされた。 

打ち込みビートだった原曲を見事にバンド・サウンドへ昇華した「Grinning In Your Face」と パンキッシュなドラム、ねじれたギターが炸裂する「Nigashita-Hajimari」は、それぞれ曼陀羅とロフトでのライブ。 イントロダクションSEとして『Brian Jones Presents:THE PIPES OF PAN AT JAJOUKA』から約1分程が「Grinning In Your Face」の前に使われている。 もともとアナログ盤で1971年にリリースされた『~JAJOUKA』には曲名表記が無かったが、 1995年にCD化された際に曲名が付けられ「Take Me With You Darling,Take Me With You(Dinimaak A Habibi Dinimaak)」の一部がイントロとして使用されている。

オムニバス・LP『Rebel Street』にも収録されたファンク・ナンバー「Turnin' Loose」はスタジオ録音。 この曲によりE.D.P.Sとしての一つの方向性が確立されたと言える。 表情豊かなボーイのドラム、メロディアスなヴァニラのベース、そしてギターのノイズさえもが激しくも 美しい彩りとなった名曲。CD化の際、曼陀羅と新宿ロフトでのライブ4曲を追加。

Blue Sphinx

Label : Japan Records

Release : 25th Nov. 1983

Format : 12inch LP
Catalog Number : 28JAL-3

SIDE A :
1. To Rule The Night
2. Death Composition
3. Be Your Slave
4. This Time
5. Ma Wa Re
SIDE B :
1. Sphinx
2. Namari No Yoni
3. It's Your Kingdom
4. Too Much Dream

Tsunematsu Masatoshi : Vocal, Guitars, Background Vocal (A2, A3, B4), Electtric Equipment (A3, A4, B3), Bass (B1, B3), Piano (B3)
Boy : Drums, Percussion, Background Vocal (B4), Piano (B1)
IDE : Bass, Background Vocal (B4), Percussion (B1)

Kinosuke Yamagishi : Violin (A3, A5, B2)

All Songs Written by Tsunematsu Masatoshi
Arranged by E.D.P.S

Produced by Tsunematsu Masatoshi
Engineer : Yasushi Konishi
Assistant Engineer : Toshiyuki Asakuno
Director : Syozo Shiba
Executive Produce : Hajime Ishigaki
Recorded at Sound Sky Studio March to Aug. 1983
Front Cover Picture & Art Direction : Tsunematsu Masatoshi

Limited Edition 1st Press Includes Phono Sheet
"Keep On"

Format : CD
Label : WAX Records
Catalog Number : 22WXD-131
Release : 21th Dec. 1989

Comment:
1980年12月Frictionを脱退した恒松正敏は、1981年3月にソロ12インチEP『TSUNEMATSU MASATOSHI』をPassからリリースし、 打ち込みとギターのソロ・ライブを行っていた。この時期の音は、金属的で反復するリズムにフリーキーなギターワークをのせた、 アバンギャルドな演奏だった。「もうバンドはやりたくない」と思いソロを始めた恒松だったが、もう一度「共同幻想」を見てみようと結成したバンドが『E.D.P.S』だ。

E.D.P.Sは1982年5月に結成、メンバーは恒松(ギター/ヴォーカル)に、元スピード(81年9月に解散していた)の二人、ヴァニラ(ベース)とボウイ(ドラム)。 グループ名は、コンピュータ用語(おそらく情報処理関係の"Electronic Data Processing System")とギリシア神話の王の名オイディプス(Oedipus)=エディプスに由来している。 バンド結成後ライブを重ね、1982年12月15日には初のEP『Death Composition』をテレグラフよりリリース、8インチで3曲入り、ジャケットにはグループ名の通り、 恒松が1977年に描いたオイディプス王の絵画(自らの運命を嘆き、両目を刺して血を流している場面)が使用されていた。

E.D.P.Sの1stアルバム『Blue Sphinx』は1983年3月~8月にかけてレコーディングされ、同年11月25日にリリースされた。一時期グループを離れていたヴァニラに代わり (82年10月29日、芝ABCホールのライブ後に脱退)、チャンス・オペレーション、午前四時などでベースを弾いていた井手裕之がベースを担当している(一部恒松がベースを弾いている)。

 オリジナル・アナログ・リリースには、初回プレスのみ「Keep On」のソノシートが付属していた。こちらは恒松、ヴァニラ、ボウイのオリジナルE.D.P.Sの演奏。 ジャケットには恒松が描いた「変容-牙」と題されたテンペラ画(1977年作)が使用されている。1996年に徳間ジャパンから再発されたCDにはソノシートの演奏を追加収録。

「To Rule The Night」はボウイの叩くドラムと、井手のベースによるタイトなリズムでアルバムは幕を開け、恒松のノイジーだが流麗なギターが重なる。さらにシャープなカッティングが加わり、リズムが交差する。歌う事もギターを弾くことと同じくらい気持ちいいと語っていた恒松のヴォーカルは、感情や情景をナイフで切り取った様な、気取りのない歌詞をストレートに、そしてクールに歌う。E.D.P.S結成以前のソロで聴かせていた、アバンギャルドな面もそこかしこに、かつ骨太なロックの魅力も盛り込んだナンバー。ギターソロに入る所は何度聴いてもシビレる。「Death Composition」は、8インチEPと同タイトルの曲で、81年頃ソロの時から演奏されていた曲。切れのいいギター、ファンク・ビートにのせた歌詞は、流行りだけの軽薄な作品や、勘違いや思い込みだけの評論(この文章も!)についてと思われる、痛烈な言葉が繰り返し歌われている。こうした痛烈でクールな歌詞は恒松のゴジラ・レーベルからのファースト・シングル「Do You Wanna Be My Dog.g.g?」収録の「いいかげん」や8インチEP収録の「Turnin' Loose」等からの流れとも言える。

3曲目「Be Your Slave」は、イントロのフィード・バックのギターから、NON baNdで活躍していた山岸騏之介の弾くバイオリンが中近東風なフレーズを奏でる。”おまえの犬になりたい”と歌ったのはイギー・ポップだが、E.D.P.Sの妖気漂う演奏にのせた歌詞は”おまえの奴隷になるしかないんだ”といったような強迫的なラブ・ソング(?)にも聴こえる。「This Time」は、Friction~ソロの頃の恒松を思わせる、フリーキーなナンバー。そして、迫力あるボウイのドラムが聴ける。5曲目「Ma Wa Re」前曲から一転して、やわらかな印象の曲。くりかえす井手のベース・ラインがタイトルを思わせる。恒松のアコースティック・ギター、山岸の流れるようなバイオリンが美しさを増す。

アナログ盤ではここからB面で、「Sphinx」太古のギリシア、テバイの地に、乙女の顔に身体は翼を持った獅子の姿をした怪物が丘の上に留まり、謎をかけては答えられない人々の命を次々に奪っていた。その怪物の名がスフィンクスであり、謎かけとは、「この地上に住み、2足にして4足、また3つ足の姿をしたものなにか?それが、もっとも多くの足に支えられ歩く時、力は最も弱く、歩く早さは最も遅い」という内容のものだった。放浪の旅の途中、デバイを訪れたオイディプスが、この謎を解き(=人間)スフィンクスは谷に身を投じたという。テバイの国を救ったオイディプスは亡き前王の後、王位につき、前王妃を妻とした。その不気味な怪物の姿をイメージさせる、インストルメンタル曲。恒松がベースを弾いている。続いて「Namari No Yoni」は、恒松の書く歌詞は言葉を絵の具のように演奏に塗り込み、ひとつの作品になった時には、さまざまなイメージを聴くものに与えるものだ。この"鉛のように"も炎や雲、嵐、影、ふたごといった言葉が、ゆったりとしたワルツの調べに塗り込められ、聴くものを幻惑させる。

「It's Your Kingdom」は重く、張り詰めた曲の始まり。悲しみと苦痛に満ちた心を表したかの様な、耳に残るベース・ラインは恒松が弾いている。途中でテンポ・アップする部分で聴くことのできる、ベース・ソロは圧巻(ピーター・フックも顔負け)。極めてテンションの高い曲だ。歌詞は英詞だが、”心の闇の中に作り上げた王国を壊せ”という意味だろうか。アルバムのラストは「Too Much Dream」恒松のここまでの活動の一つの集大成ともいえる曲。夢、希望といった言葉がもたらす、安易なイメージに常に否定的な恒松のクールな歌詞に、演奏は叙情的ともいえるギターワークを含め、ダイナミックでエキサイティングだ。まるで空へ駆け昇ってゆくかのようなギターソロが名演。アルバムの締めくくりに相応しい名曲だ。 

Edges of Dream

Label : Japan Records

Release : 25th July 1984

Format : 12inch LP
Catalog Number : 28JAL-11

SIDE A :
1. All of The Night
2. Mind Game
3. Rejection
4. Keep On
5. Through
SIDE B :
1. Tell A Lie
2. Sentimental Boy
3. Devil Is Watchin' You
4. Chippoke
5. Day Break

Tsunematsu Masatoshi : Guitars, Vocal
Boy : Drums, Percussion, Back Vocal
Vanilla : Bass, Back Vocal

Kinosuke Yamagishi : Violin
Takahiro Furusawa : Piano, Organ

All Wored & Songs Written by Tsunematsu Masatoshi
All Arrangement : E.D.P.S

Produced by E.D.P.S & Tsunematsu Masatoshi
Engineer : Yasushi Konishi
Assistant Engineer : Toshiyuki Asakuno
Director : Syozo Shiba
Recorded at Sound Sky Studio May 1984
Sleeve Concept & Picture : Tsunematsu Masatoshi

Format : CD
Label : WAX Records
Catalog Number : 27WXD-122
Release : 25th July 1989

Comment:
1stアルバムから8ヶ月という短期間でリリースされた2ndアルバム。
アルバム・ジャケットには恒松による「夢の果て」と題された絵画が使用されている。もともとは縦35センチ、横27センチの縦長の絵画で、ジャケット使用の際に画面の約下半分がトリミングされた。 下半分にはゴツゴツとした岩が鳥の頭になる姿や、裏ジャケットの曲目の上を飛ぶ蝶が描かれている。

ベースには一時期バンドを離れていたヴァニラが復帰し、バイオリンには前作に引き続きNON baNdの山岸騏之介。 ピアノ、オルガンにはバナナリアンズ、チャンス・オペレーションで活躍していた古沢たかひろ がゲスト参加している。

よく動くヴァニラのベースが印象的な「All of The Night」、フィード・バックの海の中を拒絶の叫びがこだまする 「Rejection」、 E.D.P.S 決めの一曲「Keep On」は1stアルバムの初回特典の再録。 出だしの歌詞”You Make Me Cry~”が”夢見た-い”と聴こえる「Through」はねじれたサーフ・ソングのよう。

ラテンのリズムが狂おしい「Tell A Lie」、 ギター・カッティングがカッコいい「Sentimental Boy」、 性急なビートにドライで虚無的な言葉が耳に残る「Chippoke」。 ラストは山岸のバイオリンを配した「Day Break」。演奏と共に、廃墟になった街の夜明けを描いた様な 美しい歌詞が、恒松の”詩人”を感じさせる。 

December 14th 1983 - May 27th 1984

Label : Japan Records

Release : 16th Dec. 1984

Format : 12inch LP
Catalog Number : 28JAL-23

SIDE A (Sui-Cide) :
1. Turnin' Loose
2. Semtimental Boy
3. All of The Night
4. Nigashita-Hajimari
5. Chippoke
SIDE B (Geno-Cide) :
1. To Rule The Night
2. Too Much Dream
3. Be Your Slave
4. Death Composition
5. Keep On

Tsunematsu Masatoshi : Guitars, Vocal
Boy : Drums
Vanilla : Bass, Back Vocal

Kinosuke Yamagishi : Violin (Geno-Cide 3)

All Wored and Music Written by Tsunematsu Masatoshi
All Arrangement : E.D.P.S

Produced by Tsunematsu Masatoshi & E.D.P.S
Engineer : Yasushi Konishi
Assistant Engineer : Toshiyuki Asakuno
Director : Syozo Shiba
Mixed at Sound City Studio
Sui-Cide Recorded Live at Hibiya-Yaon 27th May 1984
Geno-Cide Recorded Live at Tsubaki House 14th Dec. 1983
Sleeve Design & Drawing : Tsunematsu Masatoshi

Format : CD
Label : WAX Records
Catalog Number : 32WXD-107
Release : 25th Sep. 1988

Comment:
”Sui-Cide”と名付けられたアナログ盤のA面(CDの1~5曲目まで)は、1984年5月27日に日比谷野音で行われたイベント 「Rebel Street Vol.1 New Beat Generation」に出演した時のライブ(他の出演者はスタークラブ、アレルギーと町田町蔵だった)。81年のソロ作に収録されていた「Nigashita-Hajimari」、E.D.P.Sの8インチEPに 収録されていた「Turnin' Loose」、2ndアルバムからの曲で構成されている。恒松の歪んだギターの高音が、靄のかかったように広がるアグレッシブな演奏が聴ける。

”Geno Cide”と名付けられたB面には、『Blue Sphinx』リリース後の1983年12月14日新宿ツバキハウスで行われたライブ (ゲストはゼルダとアレルギー)を収録。インスト曲「Sphinx」が流れる中「To Rule The Night」で始り、1stに収録されていた曲で構成されている。 「Be Your Slave」ではスタジオ・レコーディングにも参加していた山岸騏之介がバイオリンを弾いている。 こちらもスタジオ・テイクでのグルーブ感よりは、より攻撃的な演奏が聴ける。

今回もジャケット・ワークには恒松自身の絵画が使われた。1976年に描かれた「舞踏 1」と題された ドローイングを使用。E.D.P.Sの8インチEP、1st と2ndアルバム収録曲の歌詞が印刷された歌詞カードが封入された。

このライブ・アルバムを残し、E.D.P.Sは1984年暮れに解散。恒松は絵画製作に力を入れ、1986年には丸の内画廊で個展を開催。 次にレコードをリリースするのは1987年9月と、2年9ヶ月待たねばならなかった。 

Last Live

Label : SS Recordings / Sky Station Inc.

Release : 25 Oct. 2005

Format : CD
Catalog Number : SS-702

SONG LIST
1. Sphinx
2. It's Your Kingdom
3. Maware
4. Tell A Lie
5. Be Your Slave
6. Grinning In Your Face
7. Sentimental Boy
8. Death Composition
9. Day Break

Recorded Live at Shibuya Live Inn. 1984.12.21

E.D.P.S
Tsunematsu Masatoshi : Guitar, Vocal
Vanilla : Bass, Back Vocal
Boy : Drums

GUEST MUSICIANS
Ito Maki : Guitar
Furusawa Takahiro : Piano
Yamagishi Kinosuke : Violin

All Songs by Tsunematsu Masatoshi
Recorded by Yasushi Konishi
Mastered by Kotaro Kojima at Flair

Photo by Yuichi Jibiki
Cover Painting by Tsunematsu Masatoshi
Design by Norihiro Uehara[Ud]
Produced by Tsunematsu Masatoshi

Comment:
1984年12月21日に渋谷Live Innで行われた、E.D.P.S最後のステージを収録した音源がリリースされた。こういった発掘音源では心配してしまう音質だが、8トラックでレコーディングされたソースを使用しているということで、非常にいい。 E.D.P.Sの2ndアルバムにも参加していた古沢たかひろがピアノで、1st、2ndアルバムに参加している山岸騏之介がヴァイオリンで、 恒松のファーストソロ・シングルでドラムを叩いていた伊藤マキがギターで参加している。

気になるのはギターが引っ込み気味にミックスされているところ(他の楽器はバランス良くミックスされている)。 それが原因になっているのか、既発ライブ・アルバム「December 14th~」と比べてみると、 ライブならではの“勢い”や“熱”といったフィーリングが少し足りないかなとも思う。 そう感じるのはCDに封入されているライナーに書かれている恒松のコメントにもあるが、 このライブが既に「バンドが終わった」後に行われた、という事も影響しているのかもしれない( バンド解散後スケジュール的にこのライブが残ってしまったという)。

と言っても演奏が散漫だとかという訳ではない。スローやミディアムなテンポの曲を、各ミュージシャンが出す音を聴き、確認しながら、 通常の3人ではなく6人のアンサンブルで作り出す、落ちついたとも言える演奏になっていると思う。 恒松のギタープレイももちろんだが、BoyとVanillaの演奏は全編を通して創造的であり素晴らしいものだ。

インストルメンタルの「Sphinx」に始まり、先ほど“熱が少ない”なんて書いたが中~後半のソロでは恒松のギター炸裂する「It's Your Kingdom」、 歌の合いの手に入れるギターもかっこいい「Grinning In Your Face」、山岸のヴァイオリンとVanillaのベース、伊藤マキのギターが絡み合う「Maware」、 伊藤マキがソロをとる「Sentimental Boy」、“ラスト・ソング...”という恒松のつぶやきの後に演奏される美しい「Day Break」まで、 E.D.P.Sという1982年に誕生し、特異で先鋭的なサウンドを創りだしたバンドの最後の姿が聴ける。

ジャケットには恒松の絵画が使われている。描かれた白い鳥は、 映画『ブレードランナー』で息絶えたレプリカントの手の中から飛び立つ鳩のようだ。1984年末に息絶えたE.D.P.Sの最後のステージをパッケージするにふさわしい。 

E.D.P.S紙ジャケット再発3タイトル

Label : SS Recordings / Sky Station Inc.

Release : 25th May 2007

Format : CD
Digitally Remasterd by Kotaro Kojima at FLAIR

『Blue Sphinx』

Catalog Number : SS-904


『Edges of Dream』

Catalog Number : SS-905


『December 14th 1983 - May 27th 1984』

Catalog Number : SS-906


Comment:

E.D.P.Sのアルバム3タイトルが、 24bitデジタル・リマスタリング、紙ジャケット、オリジナルリリース時の帯を復刻した仕様で再リリースされた。『Blue Sphinx』にはアナログ初回プレスに付属していたソノシート「Keep On」を追加収録。

(株)ディスクユニオンでは2007年5月12日に先行発売し、各タイトルにそれぞれ違う種類の特典CD-Rを付けて販売した(限定)。各CD-Rにはオーディエンス録音のライブが1曲のみ収録されており、全て1983年新宿ロフトでのライブ、とクレジットされている。

『Blue Sphinx』のディスクユニオン限定オリジナル特典
「Sentimental Boy」
Tsunematsu Masatoshi (g.vo)
BOY (ds)
Vanilla (b)
Recorded Live at Shinjuku LOFT 1983


『Edges of Dream』のディスクユニオン限定オリジナル特典
「Mind Game」
Tsunematsu Masatoshi (g.vo)
BOY (ds)
Vanilla (b)
Recorded Live at Shinjuku LOFT 1983


『December 14th 1983 - May 27th 1984』のディスクユニオン限定オリジナル特典
「Chippoke」
Tsunematsu Masatoshi (g.vo)
BOY (ds)
Vanilla (b)
Recorded Live at Shinjuku LOFT 1983

CASE OF TELEGRAPH PRODUCT DX

Label : Telegraph Records / Super Fuji Disks(Disk Union)

Release : 6 July. 2011

Format : CD
Catalog Number : FJSP-133~135

SONG LIST
Disc 1
1. インターバル・デッドヒート -Chance Operation-
2. intro.~直角に折れ -Boy Ball-
3. HASHIRU -SO-DO-
4. TUBE -チコ・ヒゲ-
5. ジャンゴロ・グルゴロ -カトゥラ・トゥラーナ-
6. 内側の歌 -PABLO PICASSO-
7. ふるえる○×△ -パイナップル4.9-
8. ビアテラス -コンクリーツ-
9. Jタウンマーチ -コンクリーツ-
10. エアー・アタック -くじら-

Disc 2
1. -EP-4-
2. GORO -Junk Jungle Genre-
3. CINERARIA -Be-2-
4. いっぱい/抱いて/違いを許さず違いと言い続ける違い/つれさらってってくれ/初めから好意を前提にして/又会ったね/めくれるかな/なるかな/記憶 -すきすきスウィッチ-
5. Irregular -PARA-PHRASE-
6. 不安なアタマ -アレルギー-
7. MAIAGARU -LEZZ-LESS-MASS-
8. prologue~Dancin' Rhythm -AUTO-MOD-
9. -EP-4-

Disc 3
1. FUGITIVE -チコ・ヒゲ-
2. 行方不明 -アレルギー-
3. レ・ミ・ストーリー -Chance Operation-
4. ごめんねママ -くじら-
5. NOT MOVIN' 1983 -PABLO PICASSO-
6. メッシーナの悲劇 -AUTO-MOD-
7. TO RULE THE NIGHT -E.D.P.S-
8. にがしたはじまり -E.D.P.S-

ライブ・レコーディング「Case of Telegraph PRODUCT 5」
1983年8月27日~31日 新宿ロフト

PRODUCE/地引雄一、肥後宏
MANAGEMENT/宮部知彦
ENGINEER/西村彰洋
MIX DOWN at PHENOMENON STUDIO下北沢
ART WORK/八木康夫 for PICTOXO HA!

[パッケージ・スタッフ] 監修:地引雄一
MIX DOWN(DISC 3):近藤祥昭、GOK SOUND
MASTERING:近藤祥昭、GOK SOUND
DESIGN:戸塚泰雄

E.D.P.S
Tsunematsu Masatoshi : Vocal, Guitar
Vanilla : Bass
Boy : Drums

Comment:
1983年8月27日から31日に新宿ロフトで行われたイベント“CASE OF TELEGRAPH PRODUCT 5” を記録したレコードが3枚組CDとして再発された。当初2枚のLPレコード『CASE OF TELEGRAPH 1』、『CASE OF TELEGRAPH 2』 として1983年12月にリリースされ、1990年に幾つかのトラックを削って1枚のCDとしてCD化されたが, 今回は2枚のアルバムをオリジナル通りに2枚のCDに収め、 新たに未使用のマルチテープからボーナスディスクを制作(なのでタイトルはPRODUCT デラックス)、そのDISC 3に8月27日に出演したE.D.P.Sの 演奏が2曲収められた。

「TO RULE THE NIGHT」はりリース前だがE.D.P.Sの1stアルバム収録曲。3人の絶妙なコンピネーションが聴ける演奏。 「にがしたはじまり」はPASSレコードからリリースした初ソロ作に収録されていたナンバー。 E.D.P.Sのライブ盤等で聴けるパンキッシュなアレンジと違い、ここではファンキーなアレンジ。存分に恒松のギタープレイが堪能できる。 続いて演奏された「Death Composition」が始まったところでCD終了...。