デンデラ神殿は、ハトホル神が奉られた神殿です。中には、ギリシア風の柱が見受けられます。古代エジプトの後期になるとプトレマイオス王朝期と呼ばれ、ギリシア人による王朝が続きますが、これは、この頃約2,100年前に造られたようです。
ハトホル神殿自体は古くからあり、幾度も増改築されてきた神殿で、ハトホル神は、古くから、愛と美と文学の神として崇められていました。
神殿の柱は、ハトホル神の巨大な顔からできています。しかし、1~3世紀までにいたキリスト教徒により、この神殿に彫刻されたエジプトの神々やハトホル神の顔は、削り取られてしまっています。
その中でもクレオパトラ7世の肖像が綺麗に残っていることで有名です。
どこかギリシア風であるのは、プトレマイオス朝時代の物の為。
神殿正面にハッキリ見えるハトホル神の顔。支柱に4つの顔が付く。
クレオパトラ7世は、プトレマイオス朝時代の人物でプトレマイオスの娘で、エジプト人ではなくギリシア人です。
クレオパトラ7世は、トルコのアントニオスと結婚し、エジプトで双子を産んだそうです。37歳で無くなったと言われています。これは紀元前41年に暗殺されたとも言われています。
話によるとクレオパトラは、美人であった訳ではなく、話し上手であったことが、人々を魅了したようです。
またデンデラの2階にある祠堂には、天体図が描かれており、当時から、星を関連付けて星座とし、どの季節になんの星座があるかなど正確に捉えていたことが分かります。この彫刻画の本物は、現在ルーブル美術館にあるそうです。
天体図。本物は、パリにあるらしい。現在とは違う古代エジプトの星座が描かれているそうだ。
ハトホル神殿は宇宙観を描いたものが多い。ヌート神の下腹部(子宮?)から出た太陽は、空の星座の間を通り、ヌート神の口へと沈んでいく。ヌート神が、手と足で天を支えその間を船に乗って神々は行き来している。ハトホル神の顔が日の出の太陽を浴びている。
ハヤブサは、太陽神の子ホルス神の化身です。王は、ホルス神と同一視されていたようです。ここにあるハヤブサは、両手を持ち顔はファラオで、日本人から見るとどうしても焚き木に当たっているように見えます。
デンデラのハトホル神殿内には、ヌート神殿がありその天井には、ヌート神が描かれています。中央にハトホル神が描かれ、朝日を浴びているのは、ここが朝日の上がる場所と位置付けているのでしょうか。
また、地下窟には、闇の世界が描かれており、神殿全体で天文学資料のように作られています。太陽が地の世界に入った後(冥界入り)どうやって地上世界に戻ってくるかという様子が描かれています。
冥界では、冥界入りした太陽を持ち上げ、朝に向けて一所懸命持ち上げようとしているところを、まるでハロゲンランプのような物で描いてあります。実際は、蓮の花から出た、光の束を空に向けて持ち上げ、その中にいる蛇は、太陽の象徴なのだそうです。蛇は脱皮を繰り返すので、太陽が闇からの脱出と言うのと結び付けているようです。蓮の花も水中から顔を出して花を咲かせることから、これも、冥界からの脱出を意味しているようです。