【税理士】
通称「八士業」の一つ。
税理士は『各種税金の申告、税務書類の作成、相談の専門家』です。
もちろん、上記に付随した業務も行います。
管轄は『国税庁』です。
主に『税務署』『都道府県税事務所』関連のお手続きの代理をして下さいます。
【税理士の独占業務】
独占業務、とは無資格者が行うと法により罰せられる業務です。
税理士の独占業務は以下の3つです。
01.税務の申告等代理
02.税務書類の作成
03.税務の相談
<税理士法違反の例>
税理士業務は「無償独占」です。
税理士以外の方は税理士の業務を、例えお金を受け取らなくとも行うと違反です。
【具体例】
何もかも全てが法律違反となるわけではありません。以下に一例を示します。
01.夫婦間の確定申告
夫の確定申告を、妻が代わりにする。
→アウト!
(同じ世帯の方でもダメです)
02.友人間の税務相談
「事業を株式会社にするべきか」悩んでいる経営者に、事業の売上等から各種税金を計算し、株式会社にすると税制上どれだけ利点、不利益があるか金額を示して回答する。
→アウト!
税理士の無償独占業務の「税務相談」に一般的な相談は含まない、と通達があります。
上記のような個別的、具体的な案件の場合はダメです。
03.FP(ファイナンシャルプランナー)による相談
FPの方がお客様の税金の相談に乗る。
→相談内容次第!
税理士の無償独占業務の「税務相談」に一般的な相談は含まない、と通達があります。
一般的な相談とは、例えば相続時に「こういう種類の税金がかかりますよ」「税率はこうですよ」「こんな税の控除制度がありますよ」…などです。
これらは国税庁の公式ホームページにも載っています。
相談内容が、さらに踏み込んだお客様の個別的、具体的な案件の場合はアウトです。
04.知人に公的な税務書類を渡す
「インボイス制度がわからない」という知人に、国税庁の公式資料を渡す。
「相続税が心配」というお客様に、国税庁の相続税の目安計算資料を渡す。
→セーフ!
(これは税務相談ではありません)
05.自己の確定申告
自分や自社の税務申告を自分で行う。
→セーフ!
06.自動車の取得手続+納税を行政書士に依頼
独占業務は「法により別段の定めがある場合を除く」と書いてあります。
行政書士は自動車を登録等するときにお支払いする税金(自動車税や自動車重量税など)に関しては、代理が可能です。
→セーフ!
税理士法に違反すると、拘禁刑や罰金があります。ご注意ください。
税理士の業務をいくつかご紹介します。
<もっと詳しく>
税理士と「顧問契約」を結んだ場合、月ごとの経理・税理関係のチェックをお願いできます。
(契約内容にもよります)
毎日欠かさず帳簿をつけるのは大変です。
しかし、帳簿に不備があるまま、年度末に1年分の経理を一気に行うのは大変な苦労です。
顧問税理士が月ごとのチェックすることにより申告漏れを防ぎます。
また、チェックする中で節税効果のある方法を利用できる場合は、きっと教示してくれるはずです。
<もっと詳しく>
決算とは会社等が1年間の『営業成績』や『財務状況』の計算し、財務諸表を作成することです。
決算用の書類をまとめて「財務諸表」といいます。
そして、株式会社は決算の公表も求められます。
これにより会社が儲かっているのか?現在の資金の状況はどうなのか?
そして公表により、その会社の信用度合いがわかります。
株式を買ったり売ったりする目安にもなります。
株式会社以外でも、金融機関からお金を借りるときには財務諸表の提出を求められます。
【財務諸表】
決算資料である財務諸表の主なものをご紹介します。
01.貸借対照表(B/S)
決算日における現金、借金、会社の財産(※)がわかります。
(※土地や建物などすぐ現金にできないものも含みます)02.損益計算書(P/L)
一定期間(1年間)の会社の収入や支出がわかります。
03.キャッシュフロー計算書(C/F)
一定期間(1年間)の会社の現金の増減がわかります。
やはり財産の中でも「現金」が最も使い勝手がよく、最重要視されます。
手元に現金が少ないと「黒字倒産」のような事象が発生します。
(黒字倒産は当ホームページ「取扱業務」→「法人設立」→「よくあるQ&A」をご参照ください)損益計算書やキャッシュフロー計算書が1年間を通した結果なのに対し、貸借対照表のみ決算日当日のデータであることに注意が必要です。
極端ですが、決算日前日に不良債権を飛ばすなどの粉飾決算をした場合、決算日には優良な財務諸表が出来あがります。
そのため、それぞれの資料をしっかりと確認することが重要です。
<粉飾決算とは?>
粉飾決算とは会社等が不正・虚偽の財務諸表を作成することです。
儲かっているように見せて、優良企業と誤認させ、金融機関からお金を借りたり、株価を上げたりします。
また、儲かっていないように見せて、税金を減らすなどの技があります。
【粉飾決算の例 関連会社バージョン】
関連会社を設立して、その会社との取引の中で粉飾決算を行います。
これを「飛ばし」といいます。
例えば、会社Aが会社Bを設立して「飛ばし」をする場合です。
ただし、A社とB社は関連がないように振るまわなくてはなりません。
01.お取引
本来はお取引はないのに、両社でお取引があったことにします。
A社が1億円のお仕事をB社に発注します。
特に決算直前に行うと、B社は帳簿上「最近1億円の仕事を請け負って、景気いいじゃないか!」と誤認させることができます。
今度はB社がA社に9,500万円の仕事を発注します。
すると、お互いの会社がたくさんの仕事を請け負って優良な企業に見えます。
しかし、金額をほぼ揃えることで実際のお金はほとんど動いていません。
02.不良債権
バブル崩壊後によく行われた手法です。
A社は不良債権(返ってくるアテのない貸したお金)だらけになっています。
当然、不良債権が多い会社なんて優良なはずはありません。
そこで、ダミー会社B・C・Dを設立します。
ダミー会社はA社の不良債権を買い取ります。
通常、買い取り資金はA社が出します。
A社にも損害はありますが、帳簿上は自社から不良債権がなくなるため優良な企業に見えます。
なお、ダミー会社B・C・Dは時が来れば倒産させますが、不良債権を受け取ってすぐに倒産、というのもマズいので、これまた秘密裏にA社が当座の資金を融通して支えます。
<もっと詳しく>
確定申告とは「1年間の総収入」をならびに一部の「控除対象の支出」を申告します。
その金額をもとに、正確な税金が決定します。
すでに払った税金の方が多かった場合は税金が還付されます。
このお手続きで1年分の納税が正しく終わります。
【個人】
まずは収入を申告します。
収入の種類によっては税金のかからない収入もあります。(障害年金や失業保険金など)
次に各種控除を申告します。
控除対象の支出としては「社会保険料」「住宅ローン」「高額医療費」「扶養」「生命保険」「確定拠出年金(イデコ)」「ふるさと納税」…など多くあります。
これらに支払ったお金には税金がかからないなどのメリットがあります。
この収入から各種控除を差し引いた金額をもとに税金が確定します。
ただし、確定申告しないと控除を受けることはできません。
【会社員】
原則的には上記「個人」と同じです。
ですが会社は給与を支払っている関係上、あるていど社員の「控除」を把握しています。
そして申告が近づいてくると「住宅ローン」や「生命保険」などの対象でないか?聞いてきます。
そこでその資料を提出すると、会社の経理がその申告もしてくれます。
しかも税金が戻る場合は、給与と一緒に振り込んでくれるという、至れり尽くせりの対応です!
これを「年末調整」と言います。
なお、副業や不動産、有価証券などで別の収入がある場合、もしくは年末調整時に会社に提出し忘れた控除がある場合は別途、自身で確定申告が必要です。
【法人】
会社は決算が終わると、その年度の総収入や経費、税金額などが全て明らかとなります。
そして法人税、法人所得税、法人事業税、消費税などの金額も確定するため、納税します。
(従業員に関する税金・社会保険料は確定申告ではなく、原則毎月納めています)
【まとめ】
会社員を除き、確定申告をしないと所得税や法人税、住民税等(※)の正確な税金額が算出されません。
財産の種類が多いほど税制は複雑になるので、資産家の方や会社は税理士に依頼することが多いです。
なお、確定申告をしないと無申告加算税をはじめとするペナルティがあります。
上記のような『税金』のお手続きを代理、『税金相談』することができるのは税理士と弁護士のみです!
【会社】
多岐に渡る税制の正しい申告、書類の作成、提出、助言などを行ってくださいます。
毎月仕事をお願いする「顧問契約」や、確定申告の時期だけお願いする「スポット契約」もあります。
【個人】
基本的には大きな財産がある場合、税理士にお仕事を依頼します。
多くの会社経営、不動産、有価証券…、そのような財産をお持ちの方や、スポット案件として「相続税」関係のお手続きをお願いする場合です。
税の専門家のチェックを受けることで「納める必要のない税金を余分に納めない=節税」となったり、逆に「納めなければならない税金を納める=申告漏れの防止」があります。
なお、税の未納分が「故意、過失」と判断されると「追徴課税」といった上乗せで税金を支払わなければならないため、そのような事態も未然に防げます。
会計ソフトがあれば税理士は不要?
会計ソフトは非常に優秀です。
仕訳帳を正しく入力していれば、自動的に決算用の書類まで作成されます。
ですが「仕訳帳を正しく入力する」簿記知識は必要です。
経費に計上できるものを、経費にできない入力の仕方をしてしまったら、節税の機会を失います。
逆の場合は脱税扱いとなってしまいます。
例えば『会議費』は飲食代として一人10,000円まで計上できます。
『交際費』ならば飲食代が10,000円を超えても計上できます。
では全て『交際費』で計上にすればいいじゃない?と思われるかもしれませんが…。
飲食代なら何でも『交際費』とできるわけではありません。
万が一の税務署の調査の際に「なぜ交際費なのか」根拠をもって説明し、税務調査官も納得するような理由が必要です。
また、実務では「これって経費にできるかな?際どいラインな気がする!」ということが往々にして起こります。
このような時に相談に乗ってくれるのが税理士です。
会計ソフトと税務相談は方向性が異なるため、会計ソフトが優秀=税理士は不要、とはなりません。
インボイス制度って?
事業者の消費税納税に関する制度です。
1989年の消費税導入時、売上年1,000万円以下の事業者は「当面の間」消費税は免税とされました。
これを免税事業者と言います。
ですが2023年から免税事業者に対してインボイス制度というものが導入されました。
これにより免税事業者はインボイス登録をするか、しないかを選ぶことができます。
(2029年までの経過措置もあります)
【対象者】
・年間売上1,000円以下の事業者。
これ以上だと、そもそも消費税の免税事業者ではなくなります。
【選択】
以下のいずれかの制度を選択します。
❶インボイス登録する
(消費税を納めます)
❷インボイス登録しない
(免税事業者を継続します)
【インボイス】
インボイス登録すると、事業で受け取った消費税を納めます。登録しなければ消費税は納税しません。
上記の選択だけ見ると「免税一択!」という気もしますが…。
お取引先との関係上、インボイス登録しないとお取引に不利となることがあります。
それは、お取引相手側から見るとインボイス登録のない事業者とのお取引は「仕入税額控除」ができないようになったからです。
…なんだか、ややこしいですね!
では簡単にインボイス制度をご紹介します。
モデル図で見るインボイス制度
【インボイス制度の例】
下記の図のように、BさんがAさんから商品を仕入れて、お客様に販売した場合で考えてみましょう。
01.免税事業者Aさんの立場
AさんはBさんに商品を売る際に、品代11万円(うち消費税1万円)を受け取ります。
しかし!
Aさんは免税事業者なので、この消費税は納税しません。
(売上の一部となります)
02.課税事業者Bさんの立場
【課税事業者同士のお取引の場合】
BさんはAさんから商品を買う際に消費税を支払っています。
そして、お客さんに商品を売る際に消費税を受け取ります。
このように、同一商品において
支払った消費税 1万円
受け取った消費税 2万円
…となるため、Bさんは受け取り分と支払分の消費税の差額、 1万円を納税 します。
これを仕入税額控除と言います。
ちなみに、Bさんが支払った消費税1万円は受取側のAさんが納税します。
(今回はAさんは免税事業者なので消費税を納税しませんが…)
【免税事業者とのお取引の場合】
免税事業者とのお取引で支払った消費税は計算に入れることができません。
支払った消費税 1万円→計算×
受け取った消費税 2万円
Bさんは 2万円を納税 (※)します。
このようにBさんから見ると、免税事業者Aさんとのお取引は税負担が大きくなります。
そこで、BさんはAさんに免税事業者をやめてインボイス登録することを希望したり、Bさんが多く納税することを見越しての値引きなどの依頼をすることが考えられます。
このように、免税事業者Aさんにもマイナスの影響が出ることが予想されます。
03. 消費者(お客様)の立場
インボイス制度は消費税の「仕入税額控除」に関連する制度です。
消費税を支払うだけの消費者(お客様)には関係ありません。
<もっと詳しく>
税理士は『国税庁』管轄、個人や会社などの『税金関連』の専門家です。
公認会計士は『金融庁』管轄、会社の『会計の監査』の専門家です。
【公認会計士の業務】
簡単に言うと、ごく小規模の会社でない限り「監査=チェック」の機関を設置します。
当然、会社の社長が自分の会社を調査しても正しくチェックできるとは限りません。
そのため、会社外部の人間である「公認会計士」は会社が粉飾決算、脱税、不正を隠すなどの違法行為をしていないかチェックをします。
もちろん、それに付随する業務を行います。
このように、会社のチェックをすることで正確な決算(会計のデータ)ができあがります。
このデータがあれば、その会社が優良なのか?倒産寸前なのか?などもわかります。
信頼できるデータを見て、銀行がお金を貸したり、一般の人が株を買ったりするかを考えます。
公認会計士はこのような監査を通して、社会全般に貢献しています。
なお、公認会計士は10士業のうちの一つで、日本における三大難関国家資格(弁護士・公認会計士・不動産鑑定士)の一つでもあります。