【行政書士って何をする人なの?】
『行政書士』の名前は聞いたことがあるかもしれませんが、あまりなじみがないかもしれません。
他の士業なら…、
『弁護士』は訴訟や法律事件解決の専門家!
『税理士』は税務申告の専門家!
では、行政書士は…というと?
【行政書士】
官公署への提出書類、権利義務関係の書類、事実証明関係の書類の作成とお手続きの代理の専門家です。
「官公署への提出書類、権利義務関係の書類、事実証明関係の書類の作成とお手続きの代理」…って??
分かりにくいですよね!
行政書士は非常に業務範囲が広いのも特徴の一つで、ひとことではご説明が難しい部分もあります。
そこで、簡単にお伝えいたします。
行政書士の取扱業務は?
具体的に何をするの?
取り扱えない業務もあるの?
まとめ
では、次は行政書士も含む「八士業」と呼ばれる国家資格に関してです。
これらの国家資格には「独占業務」ならびに「職務上請求権」があります。
これらををご紹介いたします。
【八士業】
【独占業務】
有資格者だけが行うことができる業務です。
有名なものですと「医師による医療行為」などが挙げられます。
もちろん医師以外が診療や手術をしてはなりません。
無資格者の業務は法により罰せられます。
独占業務には「有償独占」と「無償独占」があります。
01.有償独占業務
独占業務ですが、お金を受け取らなければ法律違反とならない業務です。
【有償独占の例】
01.自動車二種免許
お客様を乗せて自動車を運行、運賃を受け取ります。
タクシーなどを運転するのに必要です。
これは有償独占なので「運賃を受け取らない」場合、この免許は必要ありません。
02.学生の法律の助言
よくわからない決まりがあったので、法学部の大学生に法律について相談するような場合です。
法律相談は弁護士の有償独占業務です。
ですが、これも無償なら問題ありません。
なお、この助言が間違っていたとしても、この大学生によほどの悪意や脅迫といった行為がない限り、損害賠償は請求できません。
【反復継続】
法律には「有償」かつ「反復継続」して業務を行うと違法、とあります。
この反復継続は何回から?ということですが…。
実は、初回でも次回以降の業務を請け負う準備が整っている場合「反復継続」にあたります。
【別途費用の発生時】
状況次第で違法となります。
例えば有償で人を乗せると「自動車二種免許」が必要、とありました。
ですが友人2人を乗せた際に、ガソリン代の実費を求める行為は「運賃」ではないのでOKです。
ただし、別途費用の発生が実質的に「有償」と見なされる場合があります。
運賃は無料ですが、ガソリン代の請求が相場の20倍、のような場合です。
ガソリン代を非常に多く取得することで、実質運賃分の利益を上乗せしていると考えられます。
この場合、有償独占業務違反となる可能性があります。
02.無償独占業務
独占業務で、お金を受け取らなくとも法律違反となる業務です。
【無償独占の例】
01.医師
医師以外の方は、例え無料であったとしても診察や手術、投薬など医療行為をおこなうことは禁止です。
02.電気工事士
施設への電気工作物の設置工事などは、例え無料であったとしても有資格者以外が行うことは禁止です。
03.土地家屋調査士
土地家屋調査士以外の方が土地・建物を測量して登記することはできません。
無料でも、という以前に、その登記申請は法務局に受け付けてもらえないでしょう。
加えて、あくまで登記のための測量です。
例えば建築士の方が、建物の設計のための測量や図面を作ることは当然、問題ありません。
03.独占業務ってズルくない?
独占業務、と聞くとちょっとした「特権」のような気もしますが、そんなことはありません。
あくまで自分で手続きすることは妨げられない「代理」の独占業務も多いです。
そして、もちろんご自身が要件を満たして国家資格を取得=独占業務を行うことも可能です。
(独占業務を行うには、資格の取得だけでなく各種登録などが必要な場合もあります)
【独占業務の意義】
01.国民の権利と安全や衛生を確保します
医師の業務は命に関わります。
宅地建物取引士の業務は大きな財産である不動産に関わります。
それぞれ失敗すると、大きな損害となる可能性がある業務です。
だからこそ、国家資格は「一定の知識と倫理を確認した人だけに許す」というカタチをとっています。
02.専門家の責任を明確にします
国家資格者は「国家が認めた専門家」であるという信用があります。
そのため独占業務が許されます。
その代わり、資格者には厳格な法的規律の遵守、守秘義務や倫理義務などの責任があります。
それに反した場合、法による罰則や懲戒処分などの様々な制約も課されています。
03.業務の質を保ちます
国家資格取得には、制度に基づいた各種分野における個人の能力、知識などが必要です。
その基準を突破した場合に取得となります。
また、試験だけでなく、実務経験やその他諸条件もあります。
独占業務は、あえて誰でも自由に参入できないようにすることで、その業務の質の維持・向上を図ります。
【士業間の連携】
士業には「独占業務」があります。
そのため士業の種類により、お客様の代理としてできる業務の範囲が異なります。
そこで、複数の士業が連携して業務に当たることがあります。
八士業は、業務を遂行するために必要な範囲で、第三者の住民票・戸籍謄本等を請求することができます。
<もっと詳しく>
「職務上請求」とは、業務を遂行するために必要な範囲で第三者の住民票・戸籍謄本等を請求することです。
【職務上請求が可能な例】
01.相続人の調査
相続人が全員判明しないと、相続手続きが進みません。
02.内容証明郵便の作成
お金を貸した相手が音信不通となって、内容証明郵便を送りたい場合などです。
内容証明郵便を送ることで、その借金の時効が少し猶予されます。
03.許認可申請時の必要書類として
たとえば宅地建物取引業申請には、代表者の住民票の添付が必要です。
【不正への対応は?】
不正請求には当然、罰則があります。
また、際限なく請求できるわけではありません。
業務を遂行するために必要な範囲を超える取得もダメです。
さらに職務上請求書自体にも保管義務があり、用紙には個々の番号も割り当てられています。
八士業は原則、公務員との兼業は禁止(※)されています。
※公益事業やごく短期間限定での公務員の活動が許可されることや、選挙で当選し議員となった場合などの例外もあります。<もっと詳しく>
「士業」と兼業する「公務員の種類」によっては、不正の温床となりかねません。
いくつか兼業により公平さを欠く可能性について考えてみます。
ちょっと極端な例ですが…。
【兼業により公平さを欠く可能性の例】
01.弁護士かつ裁判官
裁判官は憲法と法律のみに拘束され、自身の判断に基づいて公正な判決を下します。
ですが自己が弁護人も務めていた場合、自己に有利な判決を下してしまう可能性があります。
02.税理士かつ税務署長
もし税理士が不正をした場合、税務署長はそれを調査する権限があります。
ただし自身が税務署長なら、自己の不正を調査することは考えられません。
03.弁理士かつ特許庁幹部職員
自己の特許を申請した場合、特許庁はそれを審査する権限があります。
自己の申請を自己で審査するカタチとなるため、やはり審査基準は甘くなる可能性があります。
04.行政書士かつ市町村幹部職員
行政書士が市町村へ補助金申請をした場合、市町村はその内容から補助金を交付するかしないか決定します。
自己の申請を自己で審査するカタチとなれば、補助金を受け取れる可能性が上がります。
むしろ、自己が受けとるための補助金制度を新設する、といった行為さえ可能かもしれません。
このような不正の可能性が否定できないため、士業と公務員は兼業禁止です。
なお、法律は兼業の禁止だけではありません。
申請者が「配偶者や四親等内」の場合、その公務員は審査や調査に関われないというルールもあります。
このように公平な立場で職務にあたれるよう、法律は整備されています。