最近のTVは、危険なネタのシーンで「危険ですので、絶対にまねしないでください」というテロップが表示される。
言っておくが、ボクはあんな言葉が銀河系の中で一番大っ嫌いだ。しかもこのように「マネしないでください」と書かれると殺意がわく。そう表示すれば何でも許される魔法の言葉だと思っているのか?まねされると困るなら放送するな。引っ込んでろ。
「このシーンは危険ですので絶対にまねをしないでください。このシーンは安全ですのでまねしてもいいです」なんて、使い古された言葉は使うな。それじゃ馬鹿だ。危険なのを放送するのは、バカーバー(不適切な動画をアップロードするYouTuberのコト)と同じだ。で、ニュース番組などでそれを放送するんだったら、放送電波免許を返上しろ。
じゃあなんだよ?「危ないのでまねしないでください」とさえテロップ出せば、大量出血を招く暴力シーン、過激なレイプシーン、大麻を吸うシーンなど流してもいいのか?通り魔が人を殺すシーンとか出刃包丁で人を刺すシーンを流してもいいのか?その後で「危ないのでまねしないでください(笑)」とさえテロップ出せば。
TVというのは、巷でやる大道芸の場所とは違うのだ。理論的に言えばボタン1つですぐ見れて、機械が苦手な老人もユーザーで、基本無料のジャパン・ワイド・メディアなのだ。TV局が放送する気軽な映像は、日本中に向けて放送され、どこでどんな人が視聴しているのかは特定できないのだ。
危険なシーンの代表として、マジシャンのマジック、熱湯風呂など、TV局の映像は、日本中というのは大げさだが、かなり多くの人々に見せるコトができてしまう。それはひとつの「特権」である。
本来、そんなコトはできない。大正時代の頃などはラジオなので、このような強い影響力を持つのは非常識だ。しかし、昭和に入ってそれが可能になったのは、TVの普及と電波というインフラ設備のおかげなのだ。出演者はテクノロジーのおかげで「大きな特権」を手に入れているのである。
だが、その「特権」を使うというコトについて、あまりにも自覚していない局がある。犯罪が多いのはここから来ているのかもしれない。この「特権」を手に入れた以上、それを使用する人には責任が求められる。TV放送というのは、不特定多数が視聴する「公共のもの」なのだから、常識中の常識だが、誠意を持った表現しか許されないのだ。
だからボクが政党に電話で提案しているように、放送する番組で不適切・危険な内容が含まれたら、年齢制限する義務がある。だからせめて、まだまだ遠い先の話かもしれないが、青少年にも配慮した番組を放送するのは義務であるかもしれない。
危険な内容をそのまま放送して、「まねしないでください」とテロップ出すのは、こうした「誠意・責任」と全く対極にある。そのまま放送する。有害情報を流す。モザイクをかけない。それだから今の放送事業者は腐ってる。
視聴率のためにまねしてはいけないシーンを流し、テロップで警告するのは論外だ。そんなのは誠意じゃない。これはもちろんインターネットやYouTubeでもそうだが。
例えば事前に番組を審査して、韓国みたいに右上に数字(推奨視聴年齢の設定)を出すとかさ。そんなコトもできない放送事業者が、やりたい放題やって見てもらおうなんて、卑怯すぎる。「TVの番組は責任を負わねばならない」という自覚がないTV局が多すぎる。
もちろん「絶対に危険な内容は放送するな」とは言わない。ボクが昔見てた「トリビアの泉」の中の種のコーナーのように、万全の安全対策でやらないといけないものでは仕方がない。でも、書くのであれば「絶対に試みないように」と言ったほうが常套手段かもしれない。できる限り、危険なものを放送するのは避けるべきだ。
ボクは危険なのが嫌いなわけではない。「誠意のない表現」が嫌いなのだ。番組では、何をやっても許されるものではない。放送事業者は、放送する表現について責任を持たなければならないのである。
註:「放送事業者」を「YouTuber」と読み替えるのも可能。ボクはYouTubeで色んな動画を見てきたが、YouTuberも責任を持って動画を製作していただきたい。ま、ボクもそうするけどね。