向日葵と先生と僕
向日葵と先生と僕
●好きになっちゃったんだ。先生のこと、どうしようもなく
●生徒と先生じゃなくて、“僕とあなた”でいたい
●知られちゃいけない本能と、止まらない恋心
❁あらすじ
α校の中でも名門とされる学校へ、
“隠れΩ”である 陽向(ひなた) は身分を隠して入学する。
彼が向日葵のようにまっすぐで、どんな時も人を照らす笑顔を持っていたから――
出会った β の 櫻井先生 は思わず目を奪われた。
櫻井には、過去に愛したΩをαに奪われた痛い記憶がある。
「もうΩとは恋をしない」
そう誓っていたはずなのに、気づけば陽向に惹かれていく。
しかし、2年に上がった頃、
αの後輩 松本 が陽向に好意を抱き始める。
まだ陽向がΩであることを知らないまま、
櫻井先生に懐く陽向を見て、松本は嫉妬を募らせていく――。
秘密と想いが交差する、
教師×生徒×後輩α の切甘オメガバース青春物語。
隠れΩ/名門α校の生徒
明るく、人を惹きつける温かさを持つ少年。
Ωであることを隠しながら学校生活を送っている。
櫻井先生の優しさに触れ、いつしか心が傾き始める。
β/教師
穏やかで生徒想いの教師だが、過去に恋したΩをαに奪われた苦い経験を持つ。
もうΩとは関わらないと決めていたのに、
陽向の笑顔と優しさに触れ、再び恋に落ちてしまう。
α/陽向の後輩
まっすぐで感情に素直なα。
陽向に恋心を抱くが、彼がΩであることをまだ知らない。
陽向が櫻井に懐く様子に嫉妬し、胸がざわついていく。
三角関係を生むキーパーソン。
α/β/Ωの一般的な階級がある現代オメガバース
学校が舞台
R18作品
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試し読み
桜が満開を迎え、青い空と桜の花びらが地面を覆い、清々しい朝を迎える。
東京駅直通のα専用のホテル、高額だが、1日の予約は満員となるほどに人気のホテル。
従業員は全員α、就職する際には卒業した大学と得意分野の説明、ホテルマンとしての実践的な試験もパフォーマンスしなければいけない。
落ち着いて対応でき身のこなしもとれている優秀なαだけがこのCountry new Hotelに入ることを許される。
俺の名前は柊航。
スーツの襟元にはピンをつけている優秀なホテルマンとして仕事をこなしている。
このピンは集められた優秀なαの中でも最高級な人しか得ることはできない。
俺の特技はバーテンダー、マッサージ師、語学力が長けている、他にも得意分野はあるが
一番人気なのはバーテンダーでブレンドしたワインはホテルで製品として売られるほどにまでなる。
ホテル前に1台の車が到着する。
「ようそこ、α専用ホテルへ」
と支配人が出迎える。
「チェックインはこちらでございます」
新規でご利用いただく、澤田様
「あぁ2週間世話になる」
すらっとした身長でモデルの様に美しい。
αはそう人が多い。
「それでは世話係の柊がお部屋まで案内させていただきます」
名前が呼ばれ、前に出て客室まで案内をする。
36階のスイートルーム、かなり金持ちじゃないとこの部屋は予約ができない。
「素晴らしい景色だ、夜景が楽しみ」
「ありがたいお言葉うれしく思います」
「んーー」
と背を伸ばしている。
「澤田様、本日は当ホテルをご利用いただき誠にありがとうございます、世話係を担当いたします、柊と申します、よろしくお願いいたします」
とあいさつをした。
「ああ、よろしく」
ホテルにはいくつかの決まりがある。
1週間以上滞在されるお客様には世話係という役職が与えられる。
身の回りの世話やちょっとした会話、仕事もたまに任せられる時もある、しかし1人のお客様に対してではなく、従業員1人に対して複数のお客様に世話係を任せられるため、こちらは先着順になる。
澤田様は2番目なので権利は2番目に強いということになる。
「本日はどのようなご予定で?」
「今日は、部屋でゆったりしてるよ、また夜に呼ぶから今は下がっていいよ」
「かしこまりました、なにかありましたらフロントにご連絡くださいませ」
「うん、ありがと」
部屋から出ると、深呼吸する、明日は上田様がいらっしゃる…。
顔が強張りながら廊下を歩いていると
後ろのドアが開き
「あ! 柊さん」
と名前を呼ばれたので振り向くと
「なんでしょうか?」