最後の旦那さん

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扉を開けたらそこは夕日が傾く海だった。

要　「え、なんで急に海……」

琉架「要、見てこれ宝石みたいなの見つけた」

要　「あっ本当だ、すごい綺麗だな」

　俺達はひとまず海岸の砂浜に座ることにした。

西島「ああ、それは翡翠ですよ、よく見つけられましたね」

　そう声をかけてきたのはいかにも先生風なおじさんだった。

要　「ああ、これ翡翠って言うんですか、とても綺麗な緑色ですね」

西島「はい、ここは新潟県のヒスイ海岸ですから、たまに探しにくる人もいるんですよ」

要　「へぇーじゃぁ琉架すごいな」

琉架「うん」

要　「あの、もしかしなくてもなんですけどあなたは【最後の旦那さん】に登場している西島さんですか？」

西島「ええ、よくご存知で、君たちはカップルなのですか？」

要　「はい、子どももいます」

西島「それはなんとも素晴らしい世界に住んでいるのですね、私も好きになるのは男性でした、でも最愛な人を亡くしてこうして一人旅をしに来ました」

要　「そうなんですか、あれでもさっきからこちらをずっと見ている方は……」

西島「ああ、彼は殺人犯ですよ」

琉架「え！！？」　

　俺はすかさず琉架を庇う。

要　「えっと……もしかしてあなたもですか？」

西島「いえ、私は綾瀬大学で教師をしています」

要　「そ、そうなんですか……えっと俺達今インタビューしていてなにかあれば聞きたいんですけど」

西島「そうだね、んー旅はいいものですよ」

要　「……そ、そうですよね」

　西島さんはそれだけ言って夕日を眺めていた。