2021年2月25日……このブログでも紹介している「空想曲率」でおなじみの山村由紀さん(「空想曲率」ってなに?という方は「珈琲体験4」をチェック!)。その山村さんが新しい詩集を出されました。タイトルは『呼』。今回はそれについて軽くご紹介したいと思います。
『呼』という詩集は(山村さんの詩を読んで通して感じることでもありますが)主体が不在である不思議さに満ちていると言えます。例えば、火の無いところに煙は立たないという慣用表現がありますが、「煙」は見えているのに「本体の火」が存在しないような、感じられないような。詩集中のことばを借りると、「シャワー音」は聞こえるのに「シャワーを浴びている主体」が存在しない。そんな客観的な現実の中にはあり得ない感覚を得ることができる詩集です。その感覚は手法にも反映されていて、「大雨の日はいつも」「観光地」などの作品では核心に触れない届かないといった展開を見出すことができます。
山村さんは何故本体や核心を回避するのでしょうか。実際には山村さんにはそのイメージが存在しているけれども外に出さないのか、恐怖の強度が高くあえて無意識に仕舞っているのか、などなど、御本人にお尋ねしても恐らく答えは返って来ないでしょう。
そんなミステリアスな山村さんの詩集『呼』。気になった方は是非ご覧になってみてください。「空想曲率」からもチェックすることができます。
山村さん、詩集御恵送ありがとうございます。
2021年3月7日……特別限定珈琲レポート第四弾、 ブラジル プラナウトNo.2 の感想です。再々間が飛んでごめんなさい。
口当たりは柔らかく、甘みをともなったコクにスパイスのエッジが効いています。穀物香的なスパイシーさなのですが、この要素が全体を単なるなめらかな味にせず複雑な感触を得るに至らせています。地味ですが落ち着きを持った紳士といった形容ができそうな珈琲でした。
以上四回、特別限定珈琲のレポートをしてまいりました。今回は個人的にはスウィートレモンが最も印象に残りました。アキアレスリザーブの口当たりも面白かったです。
キョーワズ珈琲さんの特別限定珈琲は毎年10月頭頃から予約受付開始です。興味を持たれた方はキョーワズ珈琲さんの店頭にてどうぞ。
次回の特別限定珈琲も楽しみです。
2021年3月31日……季節の変わり目ですね。桜が綺麗です。そんな陽気に誘われて豆を買いに珈琲屋さんに行って来ました。
下鴨と言えば! そう、カフェヴェルディさんです。京都芸術大学にも店を持ってらっしゃいます。緑を基調としたおしゃれなエントランスですね。
そこで、今日はイルガチェフのナチュラルを買って来ました。
大雑把に言って私はウォッシュド製法よりナチュラル製法の方が好きで、豆の特徴をより強く味わえるような気がするというのがその理由です。買って来たイルガチェフはプラムのような香りと口当たりに柔らかなコク、ころがる音楽のような余韻、やはり個性的な味でした。
イルガチェフに関してはウォッシュドも取り扱ってらっしゃるので、次回はそれも買って来て飲み比べてみようと思います。
2021年5月16日……新茶の季節ですね。私は珈琲と同じくらい日本茶を愛飲しています。特に八女茶が好きですね。紅茶などの発酵茶は少し苦手でミルク系のものを入れないと飲めません。珈琲は基本ブラックで飲むので、そのあたりを他人によくつっこまれます。
それはさておき。日本茶には一つ不満があります。と言っても日本茶そのものへの文句ではなく、淹れ方に対するものです。あくまで珈琲と比較してですが、日本茶は淹れるときにカスタムコントロールが効きにくいように思います。例えば珈琲であれば、豆を深く煎る浅く煎る、粗く挽く細かく挽く、抽出速度を変えてみるなど、調整が比較的容易です。日本茶でもカスタムできる要素と言えば、茶葉の種類、茶葉の量、湯温、といったところでしょうか(これらはいずれも珈琲においてもカスタム可能です)。より好みの味に近づけるにはどうしたらよいのか。一度そう考えて珈琲のドリッパーに茶葉を入れてドリップしてみたのですが、それでは抽出が遅すぎて渋みと苦みが際立つ偏った味になってしまいました。なにか調整の効く美味しい淹れ方は無いのかな?
私は日本茶に関しては完全に素人ですので、もしかしたらすでにそういった淹れ方があったり、既存の淹れ方でもカスタムのやりようがあるかもしれません。お詳しい方、ご指摘などお待ちしております。
2021年7月8日……今回は感性と記述の関係について、珈琲を材料に検討します。
記述がリアライゼーションに有効なことは周知のことです。文字化することにより、それまで曖昧だった自身の動機や主張の輪郭をつかめることもあります。記述はそればかりでなく、それらの母体たる感性の鋭敏化につながることがあります。この場合の感性は外界内界その他対象を限定しません。五感で受容する感覚が鋭くなることもあれば、自身の内面(感情など)に対して敏感になることもあります。
具体的に珈琲受容で見ていきます。珈琲を飲む際、その(主に)味覚を言語化してみましょう。はじめは大雑把な感想になると思います。しかし、異なる珈琲を飲み続け、それを毎回言語化してゆくと、徐々に緻密な記述になります。これは感性が鋭敏になった現れだと私は考えています。ストレート珈琲でさほどの種類を入手できない場合もあるかもしれません。そこでお勧めしたいのがご自身でのブレンドです。珈琲のレパートリーが増えるだけでなく、すでにストレートで味わった珈琲たちによるブレンドであれば、各々の要素を認識する機会となります。珈琲の玄人の方はもしかするとブレンドを味わっても如何なる豆によるものか分析できるのかもしれません。
また、感性の鋭敏化の過程で記述の正確性・妥当性のレベルが向上します。これは、自身が何を感じたか、どういった気持ちなのか、判断しやすくなるということです。珈琲でなくても構いません。是非、ご自身のお好きな何かで記述する機会を増やしてみてください。自身ばかりでなく、他者の心理や状況の把握につながることでしょう。
2021年8月3日……お茶用のドリッパーを見つけました!
ハリオさんのラルゴというティードリッパーです。使っていた急須の買い替えが必要になり、ガラス製のものを探していたところ、偶然見つけました。きちんと見ればあるものですね。さっそく八女茶を淹れてみました。
茶葉をドリッパーに淹れてお湯を注ぎ、右側にあるスイッチを押すと…
お茶が抽出されます。便利ですね。バランスの良い味でした。ちなみに写真ではかなり濃く淹れています。
手の込んだ急須だと突っ込まれると反論に窮するのですが、日常的に珈琲を享受している身から言うとこれはテンションが上がります。珈琲ドリッパーと同じく我が家では大活躍してくれそうです。
2021年9月7日……年に一度のキョーワズ珈琲さんの特別限定珈琲の季節がやってまいりました!
普段店頭では手に入らない逸品を取り揃えた予約販売でしか味わえない限定セットです。
今回のラインナップは以下の通り。
・グアテマラ アルト・デ・メディナ農園 SHB(ナチュラル・ブルボン)
・タンザニア モンデュール農園 AA(ウォッシュド・ケントN39)
・ブラジル ボンジャルディン農園 No.2(パルプドナチュラル・ブルボンアマレロ)
・エチオピア イルガチェフ G1(ナチュラル・エチオピア在来種)
10月17日までキョーワズ珈琲さんの各店舗にて受付中です。興味を持たれた方は是非。
続きは「珈琲絵日記4」にて!