2017年11月25日……『老子』や『荘子』には世界は混沌から生じたという内容の記述がみえますが、そこから私は珈琲を連想します。珈琲は一見黒、しかし奥底に赤を持っています。かきまぜれば、まさに破壊と創造の渦巻く混沌。珈琲を飲めば様々なアイデアが生まれるのもまた自然なことかもしれません。
2017年12月12日……珈琲を飲むとしばらく眠りにくくなることは確かですが、珈琲を飲むのが習慣になっている方の中には、その効果に耐性ができてしまったと言い張る人もいます。私もそのうちの一人で、夜でもタイミングによっては平気で珈琲を飲みます。そんな時に頼もしいのが、粉珈琲。 珈琲豆を挽く音は、電動であれ手動であれ意外と響くもので、特に集合住宅では気をつかってしまうものです。無論、酸化を防ぐためにも挽いて保存するのは基本的に御法度ですが、粉珈琲があれば夜中でも気兼ねなく珈琲が楽しめます。長引いてしまった作業のもうひと頑張りに、粉珈琲!
2017年12月28日……珈琲が手もとにあったら飲んだであろう昔の人を挙げます。
・小野篁…その気骨は珈琲由来?
・紫式部…執筆のエネルギーのため大量摂取。
・西行…旅の途中で休息の一杯。
偶然にもみな文学と縁の深い人たちですね。ただし、以上はあくまで前田珈乱の主観によるものです。あらかじめご了承ください。
2018年1月2日……器、こだわってますか? 質の良い珈琲を自身のお気に入りのカップで飲めれば、より美味しく感じることでしょう。自宅の食器を日本のもの・アジアのものでそろえている関係で、カップもそのテイストでまとめたいと私は思っているのですが、なかなかいいものが見つかりませんね。お客さまにお出しする都合上、ファイアーキングを集めてはいるのですが、正直私自身は珈琲は陶器で飲む方が好きです。よい陶器のお店をご存知の方、前田珈乱までご一報くだされば幸いです…。
2018年2月12日……珈琲は自宅で淹れて飲むのが一番!とは思いますが、わざわざ外に出かけて飲みに行くのも私はもちろん好きです。どんな珈琲があるか、どんな店があるかといった見聞を広める意味もあるのですが、何よりお店の人との交流が楽しいですね。例えば、某有名珈琲チェーン店でも、珈琲の味については諸説ありますが、そのホスピタリティは素晴らしいものです。素敵な空間で、素敵な接客をされれば、それだけで嬉しい気分になります。個人的には、珈琲店の評価というものは二つの軸により成り立つと思っています。すなわち、珈琲の質、そしてお店のホスピタリティです。
2018年3月29日……珈琲と言えば、というくらいブルーマウンテンは有名ですね。個人的なことを言うとブルーマウンテンより好きな豆はいくつかあるのですが、その味わいの奥行きには他の豆を追随を許さないものがあることには賛同します。まるでブレンドかと思わせるほどに複雑な味ですが、どうブレンドしてもこの味は出せないでしょう。また、余韻が素晴らしいのもこの豆の特徴です。一杯のみほせば、しばらく何も口に加えたくなくなりますね。ファンが多いのもなるほど、うなずけます。
2018年5月8日……どうしたら珈琲が飲めるようになるか、という質問を時々いただきます。味が強くて飲めない、胸やけを起してしまう、といった理由があるようです。答えとしては、やはり、専門店が提供しているきちんとした珈琲をお試しすることだと思います。出来上がり珈琲(缶コーヒーなど)、インスタントコーヒーなどは、便利という点では優れものでしょう。しかし、珈琲ははっきり言って生鮮食品です。珈琲豆には、特に挽いた瞬間から劣化という味の上での強敵が現れます。それが、珈琲が飲みにくいものという感覚を作ることがあるようです。珈琲は本来、ブラックであっても誰でも飲むことができるソフトなものです。苦手な方ほど、専門店が提供する上質の珈琲を味わってほしいと思います。きっと、その美味しさにかえって目覚めることでしょう。
続きは「珈琲日記4」にて!