(,,゚Д゚)帰って来たようです

160 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:16:11 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)帰って来たようです


(,,゚Д゚)「ここら辺、か? 」
(,,゚Д゚)「折角の春休み、趣味に走るのも悪くはないってな」
(,,゚Д゚)「ネットの情報によれば、ここら辺りに神社があるはずなんだが……」
(,,゚Д゚)「うーん…」
(;,゚Д゚)「昔ここら辺に住んでいたとは言っても、記憶がなぁ……」
(,,-Д-)「まさか元地元がオカルトスポットになるとはわからないものだなぁ……」





(,,゚Д゚)「おっ! あれかな!? 」

(,,゚Д゚)「おお…寂れているから余計に雰囲気があるじゃあねぇか」
(,,゚Д゚)「ここが噂の神社……」
(,,-Д-)「誰も居ないはずなのに声が聞こえてくるだの、入って来た鳥居を振り返ると、違う景色が見えるとか、誰かに捕まれたって噂もあったっけか」
(,,^Д^)「はっはっは! いかにも眉唾な話だがそれがいい! 」
(,,^Д^)「オカルトってのはこうでなくっちゃな! 」
(,,゚Д゚)「さてさて、まずは鳥居でも調べてみるとするか」

161 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:17:19 ID:9AGNVBw.0


(,,゚Д゚)「いやあ汚れちゃってるなあ誰も手入れとかしてくれてないのか? 」
「まあねえ。こんな辺鄙な場所に来る人なんて少ないからさぁ」
(,,゚Д゚)「んでこの鳥居の何処から見れば別の景色ってのが見れるんだ? 」




(,,゚Д゚)「うーーーーーーーーーーーん」


(゚Д゚,,)



(,,゚Д゚)
(,,-Д-)「ワカラン……」
(,,゚Д゚)「だが、しかし! そう簡単に諦める俺じゃあない!! 」

162 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:18:05 ID:9AGNVBw.0
「あっはっは! 相変わらず元気だねえ」
「でもだぁめ。それじゃあ見ることは出来ないよ」
(,,゚Д゚)「何か条件でもあるのか…? 」
(,,゚Д゚)「時間、場所、向き、もしくは人数…とか? 」
「どれだろうねぇ? 」
(,,゚Д゚)「人数だったら、詰むな」
(,,-Д-)「まあ出来ない物を可能性に考慮してても仕方ない」
(,,゚Д゚)「他のを考えよう」
「うんうん。色々と考えるのはいい事だよ」
「そういうのは子供の頃から変わってないねぇ」
(,,゚Д゚)

(゚Д゚,,)


(,,゚Д゚)

163 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:18:59 ID:9AGNVBw.0
(,,-Д-)「ううむ……」
「おっもう諦めちゃうかい? 」
(,,゚Д゚)「わかんねーなー」
「私が見えれば見れるんだけどねぇ」
(,,゚Д゚)「えっ、そうなの? 」
「えっ」
(,,゚Д゚)「えっ? 」
「えっ? 」
(,,゚Д゚)「いや、何後ろ見てんのさ」
「えっ、見えてる? 」
(,,゚Д゚)「あたり前じゃん」
(;*゚-゚)「うっそ…」
(,,゚Д゚)「マジ」
(;*゚-゚)「マジ? 」
(,,゚Д゚)「マジマジ」
(;*゚д゚)「えーーーーーーーーーーー!!!? 」
(;,゚Д゚)「うるせえ! 」
(;*゚-゚)「あっごめん」
(;*゚-゚)「ホントに見えてるんだ……」
(,,゚Д゚)「そりゃそこに居るんだしあたり前だろ」
(;*゚-゚)
(;*゚-゚)「じゃあ何で無視してたのさ」
(,,゚Д゚)「知らん人にいきなり馴れ馴れしく話しかけてこられたら警戒するだろ普通」

164 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:19:38 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「知らない人、か」
(,,゚Д゚)「んあ? 」
(*゚ー゚)「ん~ん。何でもないわよ~」
(,,゚Д゚)「そっかぁ? まあいいや」
(,,゚Д゚)「んであんたが見えれば見えるってどういう事だよ? 」
(*゚ー゚)「あたしが見えるって事は、ここと縁があるって事なのさ」
(*゚ー゚)「君、昔ここら辺に住んでた事があるかい? 」
(,,゚Д゚)「ん。まあ子どもの頃は住んでたな」
(*^ー^)「そうだろうな」
(,,゚Д゚)「それとこれと何の関係が? 」
(*゚ー゚)「まあまあそう慌てないで」
(*゚ー゚)「もう一つ聞きたいんだけれどぉ」
(*゚ー゚)「子供の頃って友達はいたのぉ~? 」
(;,゚Д゚)(口調が安定しない奴だなぁ)
(,,゚Д゚)「そりゃあいたが…? 」
(*゚ー゚)「友達の事全員覚えてる? 」
(,,゚Д゚)「そりゃあ覚えてるし、まだ連絡とってるぞ」
(*゚-゚)「そっか」
(* - )「……そっか」
(;,゚Д゚)「……? 」
(*゚ー゚)「それで何でまたこんなとこまで来たんだい? 」
(,,゚ー゚)「ふふふよくぞ聞いた! 」
(,,゚Д゚)「俺はオカルト関係を調べるのが趣味でな」
(,,゚Д゚)「ここら辺りに面白そうな情報があったから確かめに来たんだ!! 」

165 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:20:02 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「それがさっき呟いてた事なのね? 」
(,,゚Д゚)「そういうこった! 」
(,,゚Д゚)「それであんたが何か知ってるんだろ? 」
(*゚ー゚)「あんただなんて他人行儀な」
(;,゚Д゚)「いや、あんたの名前知らんし…」

(*゚-゚)
(*゚-゚)「しぃ」
(*゚ー゚)「私の、名前は……しぃ。だよ」
(,,^Д^)「しぃかよろしく! 」
(,,゚Д゚)「俺はギコだ! よろしくな!! 」
(*゚-゚)
(*゚-゚)「……よろしく」
(*゚ー゚)「それでギコくんはここの話はどんなことを聞いているんだ? 」
(,,゚Д゚)「誰も居ないはずなのに声が聞こえてくるだの、入って来た鳥居を振り返ると、違う景色が見えるとか、誰かに捕まれたって所だな」
(*゚ー゚)「なるほどなるほど」
(*^ー^)「その内二つはもう解決しちゃったねぇ~」
(;,゚Д゚)「ええ? 」
(*^ー^)「声と捕まれたっていう話の原因は」
(;,゚Д゚)「原因は……? 」
(*^д^)「何とこの俺様が犯人なのでしたぁぁ!! 」
(;,゚Д゚)「ナ、ナンダッテー! 」

166 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:20:41 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)「ってんなわけあるかい」
(*゚3゚)「信じてないわね~? 」
(,,゚Д゚)「あたり前だろ」
(,,゚Д゚)「何で普通の人間がそんな噂になるんだよ」
(*^ー^)「ふっふっふ……」
(*゚-゚)「まあ色々あったのです」
(;,゚Д゚)「何だよ色々って」
(*゚-゚)「まあここで話しても信じられないだろうし」
(*゚ー゚)「君の知ってるもう一つの噂を体験させてあげましょう」
(,,゚Д゚)「鳥居の~って奴か? 」
(*^ー^)「そうそうそれだぜ! 」
(,,゚Д゚)「しぃが見えれば見れるって言ってたけど、どういう事なんだ? 」
(*゚ー゚)「それはね~ぇ」
(*゚ー゚)⊃「はい! 」
(,,゚Д゚)「……? 何だ急に手を出して」
(*゚ー゚)「私の手を握って下さい」
(,,゚Д゚)「手を? 」
(*゚ー゚)「そうすればわかるんだよ」
(,,゚Д゚)「ふ~ん?」

(*゚ー゚)⊃⊂(゚Д゚,,)

(゚Д゚,,)「これでいいのか? 」
(*゚ー゚)「うん! オーケー! 」
(*^ー^)「ではこちらをご覧ください」
(,,゚Д゚)「えっ? 」

167 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:22:24 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)



(;,゚Д゚)「…………鳥居に囲まれてる場所だけ古びた風景が見える」
(*゚ー゚)「なあ!? 凄いだろう!!? 」
(,,*゚Д゚)「すっげっすっげ!! 」
(,,*゚Д゚)「あん中どうなってんだ!? 」
(*^ー^)「行ってみたいのかしら? 」
(,,^Д^)「おう!! 」
(*゚ー゚)「じゃあ私の手を握ったまま一緒に通ってみましょう! 」
(*゚ー゚)「手を離しては行けませんよ? 見えなくなってしまいますからね」
(,,^Д^)「おう!! 」









(;,゚Д゚)「うおおお……すげえ……」
(;,゚Д゚)「俺が入ってきた場所と違って古臭い風景に変わりやがった」

168 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:24:04 ID:9AGNVBw.0
(*゚-゚)「ここはさっきとは次元が違う場所なのさ」
(,,゚Д゚)「これは……凄いなぁ……! 」
(*゚ー゚)「気に入ったかしら? 」
(,,^Д^)「おう! 色々調べてきたが、実際に体験するのは初めてだからな!! 」
(*゚ー゚)「気に入ってくれたのなら何より」
(,,゚Д゚)σ「あそこから入って来たって事はあそこに行けば戻れるのか? 」
(*゚-゚)「まあ、そう、だね」
(*^ー^)「でも、折角来たんだからすぐに帰らないでブラブラしてみましょう? 」
(,,^Д^)「おっ! いいねえ行こう行こう!! 」

(*^ー^)「じゃあこっち! 」





(*゚ー゚)「へぇ~じゃあギコくんはここ以外にもいろんな所に行ってるんだぁ」
(,,゚Д゚)「ああ。気になるなら今度連れて行ってやるよ」
(*゚-゚)「うん。まあ。機会があったらな」
(,,゚Д゚)「そういやしぃはここら辺りに詳しいんだろ? 」
(,,^Д^)「なんか面白い話はあるのか? 」

169 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:25:36 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「えっ…」
(*゚ー゚)「そうだなぁ~」
(*゚ー゚)「ギコくんが調べた噂の中でも知られてない話があるんだけど、そんな話はどう? 」
(,,^Д^)「おっ! いいなそれ! 聞かせてくれよ! 」
(*^ー^)「わかったわ! 」
(*゚ー゚)「じゃあちょっと長くなるからそこの家に入ろっか」
(;,゚Д゚)「おいおい良いのかよそんな勝手な事して」
(*^ー^)「大丈夫大丈夫」
(*゚-゚)「誰も使っておりませんので」



(*^ー^)「さて、じゃあそこに座ってくれ」
(*^ー^)「お茶と何か摘まめる物を持ってくるからさ」
(;,゚Д゚)「お……お構いなく」
(;,゚Д゚)(何の疑問もなくここまで来ちまったが、勝手に人様の家に上がりこんで良いのか? )
(;,゚Д゚)(それにこれって泥棒なんじゃないか? )
(;,゚Д゚)「な、なぁしぃ」
「どうかした~? 」
(;,゚Д゚)「勝手にそんな事して大丈夫なのか? 」
「そんな事って~? 」
(;,゚Д゚)「俺たち不法侵入で泥棒じゃないか? 」
「………大丈夫」
「ギコくんは気にしないでいいよ」
「僕はここでそんな事で罪に問われた事なんてないよ」

170 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:26:02 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)「そ、そうなのか? 」
「うん。だから気にせず飲み食いしてね」
(;,゚Д゚)「お、おう」


(;,゚Д゚)(突拍子もない話だが、そういやここってやっぱ異世界って事になるのか……? )
(;,゚Д゚)(オカルトネタだと、こういう場所で飲み食いするとその世界の住人になってしまい元の世界に戻れなくなるって話だが……)
(;,-Д)(まさか、な)

「待たせたな」
(;,゚Д゚)「お、おう」
(*゚ー゚)「遠慮せずに食べてくれたまえ」
(;,゚Д゚)「お、おう」
(*^ー^)「この果物とかは絶品なんだ! 一度食べれば病みつきになるわよ!! 」
(;,゚Д゚)「へ、へぇ~そいつは楽しみだなあ~」
(;,゚Д゚)「そ、それで、しぃの知ってる話ってのは何なんだ? 」
(*゚ー゚)「ん。じゃあ話すとしようか」

(*゚-゚)「誰からも忘れられた少女の話だ」
(*゚-゚)「今から十数年度前、君が住んでいた場所に一人の少女がいた」
(*゚-゚)「名前は……まあ別にいいでしょ」
(*゚-゚)「その少女には友達がいた。家族がいた。そして……好きな人がいたの」
(*゚-゚)「だけど、彼らは誰も少女の事を覚えていない」
(*゚ー゚)「何故かって? 」
(*^ー^)「それをこれから話していくのよ」

(*^~^)

171 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:26:34 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)(しぃは何の躊躇いもなく食べ物を口にしている)
(;,゚Д゚)(俺は……やめておこう)

(*゚-゚)「さて、と…この世界には、ずれというものが存在しているの」
(*゚-゚)「それがいつ、どこに存在するのかは誰にもわからない」
(*゚ー゚)「よしんばその場所にいたとしても大体は知覚する事なんて出来ないからな! 」
(*゚-゚)「でも、偶に波長があってしまいそのずれを感知してしまう人がいるんだ」
(*゚ー゚)「そして迷い込んでしまう」
(*^ー^)「それが所謂神隠しって奴ね」
(*゚ー゚)「でもそれは帰って来ることが出来た人の話だ」
(*゚-゚)「その世界に取り込まれてしまった人は元の世界から存在が消えちゃうのさ」
(;,゚Д゚)「存在が消えるってのは……? 」
(*^ー^)「そのまんまの意味だよ」
(*゚-゚)「誰の記憶からもなくなってしまうの」
(*゚ー゚)「記憶どころかいたっていう事実がなくなるんだぜ」
(*- -)「さらには元居た世界に干渉する事すら出来なくなっちゃってさ」
(;,゚Д゚)「干渉……? 」
(*゚ー゚)「うん。目の前で大騒ぎしても触ろうとしても何をしようとも物に触ろうとしても……」
(*^ー^)「すり抜けちゃうのよ」
(;,゚Д゚)
(*゚ー゚)「でも世の中には例外ってのがあってね」
(*^ー^)「波長があう人なら多少は干渉できるの」
(*゚-゚)「だからギコくんが聞いた噂話ってのは実際にあった事なんだ」
(*゚ー゚)「まあ鳥居の下りは触れられてる時に偶々そっちに目を向けたら見えたんだろうねぇ~」
(*゚-゚)「じゃあ干渉出来る人を探しに行けばいいじゃねぇかってなるだろ? 」

172 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:27:04 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)「だなぁ」
(*- -)「それがそう簡単な話じゃなくてな」
(*゚-゚)「ずれた世界に迷い込んだ場所から遠くに行けないんだ」
(*゚ー゚)「なんて言えばいいのかな? 見えない壁に阻まれちゃうって感じなのよ」
(* - )「だから私は……」

(*゚ー゚)「さて、ここでギコくんは一つ心配な事が出来たと思うの」
(;,゚Д゚)「おっ? おう…? 」
(*^ー^)「そのずれた世界に囚われてしまう条件は何だってなぁ」
(;,゚Д゚)「おう。そうだな」
(*゚-゚)「僕もよくわからなかったんだ」
(*゚ー゚)「でも、時間制限って訳じゃあないっぽいよ」
(*゚-゚)「だってそうだったら神隠しにあった人たちの帰って来た時間が大きく差が出来るわけないよね」
(*^ー^)「それにしてもギコくん? 」
(;,゚Д゚)「な……何だ? 」
(*^ー^)「さっきから一口も食べてないじゃないか」
(*^ー^)「言ったでしょ? 遠慮しなくていいって」
(;,゚Д゚)「あ、あ、ああ」
(;,゚ー゚)「そ、そうだな」
(*^ー^)「うんうん。毒なんて入ってないから安心していいよ! 本当に美味しいんだぜ!? 」
(;,゚ー゚)「そ、そいつは楽しみだ」

(;,゚Д゚)



(;,゚Д゚)「! 」

173 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:27:33 ID:9AGNVBw.0
(;,゚ー゚)「そ、そうだ、しぃ! 」
(*^ー^)「どうしたの? 」
(;,゚ー゚)「俺としたことが忘れてたことがある」
(*^ー^)「何を忘れたの? 」
(;,゚ー゚)「いや~食べ物を食べる時は手を洗わないと汚いだろ? 」
(;,゚Д゚)「ちょっと洗ってくるぜ!! 」
(*゚ー゚)「そっか、それもそうだね」
(*^ー^)「部屋を出て右手の突き当りにお手洗いがあるからそこでどうぞ」
(;,゚ー゚)「悪いすぐ戻る」
(;,゚ー゚)「しぃの話に夢中になり過ぎちまって肝心な事を忘れちまうとはな」




(;, ゚)





.

174 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:28:06 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)(ヤバいヤバいヤバい!! )
(;,゚Д゚)(あいつこの世界の住人だ!! )
(;,゚Д゚)(執拗に食べ物を進めてくるってのは、そういう事だろ!!? )
(;,゚Д゚)(に、にげ、逃げるんだ!! )
(;,゚Д゚)(た…多分さっき入ってきた場所から戻れるはず! )
(;, Д )(あいつにばれる前に、早く!!!!!! )







「どうして……」
(;,゚Д゚)「うわっ! 」

(;,-Д-)ドサッ

(;, Д)「いてて……」
(;,゚Д)(何かに足を捕まれた……? )
「どうして……」
(;,゚Д゚)「ひっ…… 」


(* - )「どうして……」
(* -゚)「逃げたの……? 」

(((;,゚Д゚)))(あ…あいつ……あんなに遠くにいるのに何で声がはっきり聞こえるんだ……? )
(;,゚Д゚)(そ……それに俺の足には何もないのに捕まれてる感覚があるんだ……? )

175 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:28:57 ID:9AGNVBw.0
(* -゚)「長くこの世界にいるとなこういう事も出来んだよ」
(* -゚)「……で、何で俺から逃げたんだよ? 」

(;,゚Д゚)
(*゚-゚)「……答えてはくれないのね~? 」
(*゚ー゚)「じゃあ先に私の目的を終わらせよっか」
(*^ー^)「全く遠慮なんてしなくていいって言ったでしょ? 」
(;, Д )(やばいやばいやばい! あいつの手に持ってるの……)
(*^ー^)「美味しいよ? 」
(;, Д )(食わせる気だ! 俺に!!! )
(;, Д゚)「う……おおお!! 」
(*゚ー゚)「おいおい足掴まれてるのに無理に這いずろうとすんなよ」
(*^ー^)「ケガしちゃうよ? 」
(;, Д゚)「うああああ……! 」

(*^ー^)

(* -゚)「動くな」

(;, Д )

(;,゚Д゚)(か……体が……動かない……!? )
(*^ー^)「えへへへ~動けないでしょ~? 」
(*^ー^)「はいクルリン」
(;,゚Д゚)(体が仰向けに……!? )
(*^ー^)「ほら、口開けろ? なっ? 」
(;,゚-゚)

176 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:29:42 ID:9AGNVBw.0
(*^ー^)「何をそんなに怯えてるのかしら~? 」
(*^ー^)「ただあたしは美味い物をごちそうしたいだけなんだが」
(*゚ー゚)「だから食わず嫌いしてないで食って見ろって」
(*^ー^)ねっ? 食べて?
(*^ー^)「お願いだから、な? 」
(;, -゚)
(*^ー^)「ねっ? 」
(;, - )
(*゚-゚)「口を開けろ」

(;, - )「! 」

(;, д )


(;, Д )


(*^ー^)「はい。召し上がれ」

(;, Д )「ムゴッ」

(*^ー^)「よく噛んで」

(;, ~ )

(*^ー^)「はい。飲み込んで」

(;, - )「ゴクン」

177 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:30:16 ID:9AGNVBw.0
(;, Д )(くっちまった……! 食っちまった!!!! )

(;, Д )(こいつの言葉に逆らえなくなって……体が勝手に……! )

(*^ー^)「そろそろかな~? 」

(;, Д゚)「な、に、があああああああああ!!? 」

(;, Д )(か、体が熱い!? )
(*^ー^)「うんうん良かった良かった」
(*゚ー゚)「これで君も僕と一緒」
(*゚ー^)「この世界に囚われた」

(;, Д )「はぁ……はぁ……」
(*^ー^)「じゃあ君が落ち着くまで少しだけ昔話をしようか」

178 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:30:42 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「今から十数年ほど前、一人の少女がおりました」
(*゚ー゚)「少女には優しい両親と素敵な友人達に囲まれ幸せに暮らしてました」
(*゚ー゚)「そんなある日の事、少女は友人と共に神社に遊びに行きました」
(*゚ー゚)「子供らしく駆けっこしたり、かくれんぼしたりと遊んでいるとある事に気が付きます」
(;*゚д゚)「何と鳥居の中がいつもと違った景色になっているではありませんか!! 」
(*゚ー゚)「興味を惹かれた少女はついそちらへと足を運んでしまいます」
(*゚ー゚)「その鳥居をくぐると見たこともない場所へと辿り着きました」
(*゚ー゚)「好奇心を抑えられない少女はどんどん先へと進んで行きます」
(*゚ー゚)「まっすぐ行ったり曲がってみたり、後先考えずにどんどんと……」
(*゚ー゚)「ふと少女は立ち止まり振り返ります」
(*゚ー゚)「すると……」
(;*゚д゚)「何と帰り道がわからなくなってしまっているではないですか!! 」
(;*゚д゚)「不安に駆られた少女は走り出します」
(*゚-゚)「ですが、いくら走っても帰り道がわかりません」
(*゚-゚)「疲れ果てた少女はその場にへたり込みます」
(*゚ー゚)「すると目の前に何と美味しそうな果物が実っているのに気が付きます」
(*゚ー゚)「疲れお腹も減らした少女はその果物に齧り付きました」
(*^ー^)「まあなんて美味しい果物! 」
(*゚ー゚)「少女はたちまち上機嫌に」
(*゚ー゚)「気分を良くした少女は再び歩き出します」
(*^ー^)「すると自分が通って来た鳥居が見つかったではありませんか!! 」
(*^ー^)「少女は喜び駆け出します」
(*^ー^)「鳥居をくぐり元の場所に戻れた少女は家へと帰ろうとします」
(*;゚ー゚)「ですが……! 」
(*;゚ー゚)「見えない壁に阻まれ進むことが出来ません……」

179 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:31:40 ID:9AGNVBw.0
(*;゚ー゚)「壁を必死に叩き声をあげますが、誰も来てくれません」
(*゚-゚)「仕方なく神社に戻った少女は人を見かけます」
(*゚ー゚)「その人は少女が幼いながらも恋心を抱いていた少年でした」
(*゚ー゚)「喜びのあまり彼に抱きつこうとしますが……」
(*゚-゚)「少女の体は彼の体をすり抜けました」
(*゚-゚)「何が起こったか理解できない少女は何度も何度も同じことを繰り返します」
(*゚ー゚)「しかし何度やっても結果は同じ」
(*゚ー゚)「体に触ろうとしても、いくら声を張り上げても気が付いてくれる事はありませんでした」
(*゚ー゚)「そうして少年は帰ってしまいました」
(;*゚д゚)「少女は不安のあまり泣き出してしまいましたが誰も少女を気にかけてくれる人は居ません」
(;*゚д゚)「それどころかいないものとして扱われている気がしました」
(*゚ー゚)「それでもすぐに両親が来てくれると信じ待ち続けます」
(*゚-゚)「その時の少女は気が付いていませんでしたが、もう彼女は空腹を感じていませんでした」
(*^ー^)「そしてある日の事、待ちに待った少女の両親が現れました」
(*゚-゚)「ですが、やはりと言いますか、少女の両親にも彼女の事は見えていないようでした」
(*゚-゚)「そして少女の両親は神社に願い事をしました」
(* - )「その願いの内容は……」
(*^ー^)「自分たちには子供がいないから子宝に恵まれますように、と」
(*゚ー゚)「少女は絶望します」
(*゚ー゚)「自分は二人の子供だと」
(*^ー^)「手を変え品を変え両親にアピールしますが、目を向けてすらしてくれません」
(*゚ー゚)「そう、全く気が付いてはくれませんでした」
(* ー )「そうして少女は……」

180 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:32:08 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)
(*゚ー゚)「おっと、どうやら体がこの世界になじんだようだな」
(*^ー^)「おめでとう」
(*゚ー゚)「さて君はあたしを思い出してくれたのかい? 」
(;,゚Д゚)「お前なんて……知らない……! 」
(* - )「……そっか」
(*゚ー゚)「まあそれならそれでいいわよ」
(*^ー^)「君が私を忘れても私があなたを覚えているから」
(;,゚Д゚)「お前は……」
(*゚ー゚)「でも、ここに来れたのがお前で良かったよ」
(*゚ー゚)「色々試して調べたんだけど、僕の事を感じる程度の事は出来る人はいたけど」
(*゚ー゚)「あたしを完全に認識出来る人なんて居なかったのよ」
(*^ー^)「それが子供の頃好きだった人だっていうんだから、運命を感じちゃうよね」

181 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:32:58 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「子供の頃は気が付いてくれなかったけど」
(*^ー^)「大人になったことで何かが変わったのかもしれないね」
(*^ー^)「だから私に気が付いてくれた」
(*^ー^)「ギコくんオカルト好きなんでしょ? 」
(*^ー^)「だったらここにいれば好きな事をずっと楽しめるよ」
(*゚ー゚)「一人でいたらきっと狂ってしまうけれど」
(* - )「ううん」
(*^ー^)「一人でいたら狂ってしまったけれど」
(*^ー^)「二人ならば乗り越えられる! 」
(*^ー^)「これから私達は幸せになるのだから」
(*゚ー゚)「そうだ! ここに……」
(*゚ー゚)「いや! 私の所に帰って来たギコくんに伝えたいことがあるの」

182 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:33:31 ID:9AGNVBw.0




(*^ー^)「おかえりなさい! ギコくん! 」




.

183 : ◆NFemm8pDso [↓] :2024/04/27(土) 20:36:15 ID:9AGNVBw.0おしまい

【作品名】(,,゚Д゚)帰って来たようです【作品URL】>>160~>>182【コメント】知らない人について行ったらダメでしょ!

184 :名無しさん [↓] :2024/04/27(土) 20:58:13 ID:oVheSVEU0オツ