教育講演Ⅶ

刑事施設における作業療法 

機能向上作業の取り組みについて

講 師:渡邉 洋紀

宮城刑務所

 現在、全国の刑事施設でも高齢化は進み、一般的な作業に耐えられない受刑者が増加しています。そのため矯正行政での新たな取り組みとして、令和2年度より刑事施設において、一般的な生産作業の就業が困難と認められる受刑者に対し、作業療法士の定期的な助言・指導を通し、身体機能及び認知機能の維持向上を図り、段階的に一般工場での就業に移行させることを目的として、「機能向上作業」という取り組みが開始となりました。

 宮城刑務所は、無期懲役や長期受刑者が多く、高齢化は他施設よりも顕著であるため、一般刑務所では2施設目として、令和3年度より機能向上作業を実施しています。

 機能向上作業という新たな取り組みの中で、刑事施設という特殊な環境のため、運用上の課題など刑事施設ならではの課題も出てきている状況にあります。今後も高齢化は進み、刑事施設では機能向上作業の必要性が増し、矯正行政において作業療法士の職域も拡大していくことが考えられます。そのような状況下も踏まえ、当所の概要や矯正処遇、機能向上作業の課題や経過等の取り組みについて紹介します。


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略歴

2002年  作業療法士免許取得

  作業療法士として精神科病院、リハビリテーション病院勤務

2014年   看護師・保健師免許取得

  看護師として大学病院勤務

2019年   宮城刑務所 医務部医療第一課 看護師 拝命

2022年       宮城刑務所 処遇部作業部門 作業療法士に配置換

現在、機能向上作業業務実施 

教育講演はオンデマンド配信です。