学会長 挨拶

第33回東北作業療法学会は「作業療法の過去・現在・未来」をテーマに開催いたします。会期は2023年6月25日(日)、開催方法は現地開催1日と会期後のオンデマンド配信視聴(ハイブリット開催)です。宮城県での開催は2017年以来6回目の開催となりますが、2011年の第22回(学会長:大黒一司)は東日本大震災の影響により中止をしておりますので、開催できるのは本学会で5回目となります。12年前に学会長として開催できなかったことを思い起こしながら開催の準備を進めております。

「作業療法の過去・現在・未来」のテーマには、作業療法の過去から現在までを振り返りながら、未来に向けてのメッセージを発信できる学会になることを強く願っております。日本においては1966年に22名の作業療法士が誕生し、それから56年後の現在では10万人を超えております。半世紀前より進化したこと、半世紀前には思ってもみなかったことが、現在の作業療法で実践されていると考えます。しかし、今も変わらぬことは基本的動作能力、応用的動作能力、社会的適応能力の回復を図ることにあります。さらに、作業療法を実践するための手段が大きく変化してきています。例えば、パソコンや動画の使用、AI機器の使用、特にスマートフォンやタブレットの使用は作業療法に新たな実践の広がりと可能性を与えてくれています。

本学会では、特別講演に平田泰久教授(東北大学工学研究科)を招聘し、ロボット研究の現在、そしてロボットのリハビリテーションにおける活用の未来を講演していただきます。平田泰久教授が目指しているのは「私たちが創りたいのは人をやる気にさせ、活力を与えてくれるロボット群です」(平田研究室ホームページより)。これを読み替えると「人をやる気にさせ、活力を与えてくれる作業療法」とも言えます。

作業療法が学際的な研究や技術で成り立つものと考えれば、作業療法の特徴は何か、それは「作業」に焦点をあてることではないでしょうか。過去・現在そして未来の作業療法について議論できる学会になることを願っております。

現在のところ現地参加者の上限を500名と考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染状況により現地参加数は増減することを考えております。また、感染が拡大するようなことがあれば、オンデマンドのみの開催に対応できるよう準備を進めてまいります。

 東北の会員の皆さまには、4年ぶりとなる現地開催に参加していただき、参加者同士の交流を深めていただければと思っております。また、できるだけ多くの演題を登録していただき会場での議論を深めていただくことを願っております。学会実行委員会と宮城県作業療法士会は、東北各県士会員のみならず、東北以外の作業療法士、他職種の方、多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。