冥想行法を行なうためには、まず統一行法をしなければならないが、統一行法とは力を精集し、一つにまとめることである。統一には体の統一、心の統一、心身の統一、生活の統一等があるのであり、私達は統一した時に、一番注意力も考える能力も強くなり、体力も発揮できるのである。この統一の反対を分裂と言うが、分裂すると仕事も勉強も能率が上がらなくなってしまうのである。
しかし、普通の場合は“統一”と言うと緊張だけに偏ってしまいやすい。緊張には、バランスを取るだけのリラックスを加えなければならない。最高のリラックス法が“放下”である。緊張させるすべての刺激は放下しなければならない。執われ、こだわり、ひっかかりなどは、緊張させる刺激であり、それらを放下することを無になるというのである。であるから私は冥想行法のことを“無体行法、無心行法”とも呼んでいる。また、体を無にすることが禅定行法であり、心を無にすることが信仰行法なのである。