以上第三段階までをハタ・ヨガと言い、それ以降をラジャ・ヨガと言う。ハタ・ヨガとは自己開発のためのヨガである。これによって自己の心の力、体の力を開発し、高め、そしてそれを自由に活用できる態勢を作り上げることが大切である。それが第四段階(プラティヤハラ)以後のラジャ・ヨガの根幹となってくる。 ラジャ・ヨガとは自己啓発のためのヨガであり、その詳しい説明は第四段階以降でなされるが、そのハタ・ヨガとの関係について一言で語るなら、ラジャとハタは本来ひとつのものであって、ハタなくしてラジャはないし、ラジャなくしてハタはない。ハタとは日月の意で、陰陽のバランスのことであり、力(ちから)を意味している。ラジャとは支配するという意味で、自分が自分の調御となり、自由に自分を自他のよい事のために活用することである。この自分の主人公になる自律行法が、プラティヤハラである。