バクティー(信仰行法)とは、無条件の心の状態になることである。無条件になるために、自己を他に捧げることであり、理屈抜きですべてを行なうことなのである。私達はどうしても、自分の立場、要求、希望、好き嫌いなどに執われがちである。これらの条件付きを全て抜きにして、はじめて“捧げる”という言葉が使えるのである。
捧げるということは、自己を失うことではない。大抵の人は、自己を失うことを捧げることだと思っているようだが、それでは自己犠牲になってしまう。ヨガでは犠牲という言葉は使わない。犠牲になるということは、自分だけが損をし、害を受け、傷つくということであるが、利己主義がいけないのと同様に、相手にだけ得をさせるのもまた、いけないのである。