強引で悪質な電話セールス 「テクニカルサポート」

ある会員の方に実際にあったお話です。(2015年11月)

電話をかけてきた代理店:テクニカルサポート株式会社

契約先となる光回線業者:株式会社フォーバルテレコム「iSmart-F ひかり」

わかっていたら絶対にしない契約を、わからないままにされてしまいました。

まずはNTTからの電話と誤解させて安心させ、サービスの切り替えで月々の支払いが安くなる手続きの紹介という話が始まり、現在契約中のプロバイダ名や氏名と住所と生年月日などの個人情報を聞き出され、短時間で簡単にできるからと、遠隔操作でパソコンとNTTフレッツ光のルータの設定まで変えられ、これで「契約完了です」と言われて初めて「iSmart」というプロバイダの3年契約を新規にさせられた事に気がついた。

・・・・というお話です。

A) NTTと誤解させて話を続ける

「NTTのフレッツ光のテクニカルサポートのてしまと申します」

これでは誰だってNTTのてしまさんからの電話と思いますよね。

でも実は、「NTTのフレッツ光用のプロバイダの代理店のテクニカルサポート株式会社のてしま」なんですね。赤字部分をちゃんと言ってくれるとNTTじゃないどこかの代理店からの電話とわかります。

しかしこの赤字部分をわざと伏せて話してくるからNTTの担当者からなにか連絡が来たと勘違いしました。

勘違いさせるために「テクニカルサポート株式会社」という社名まで用意している周到さです。

B) 「手続き」と言い「契約」という言葉を避ける

話を聞くうちにどうやら今より安いプロバイダがあるからそれに切り替えたら月々の支払いが安くなるという事だとわかってきました。でも「切り替え」とか「手続き」という言葉を使い「ご契約」とは決して言いません。聞き手が勝手に解釈するように決定的な言葉をわざと避けて話してきました。だから始めのうちはNTT内部の切り替え手続きの事かと勘違いしたほどでした。

C) 過大な「お安くなります!」

「現在お使いのYahoo!は月1600円ですが、iSmartは月1200円です。400円お安くなります!」

  1. Yahoo! は実際には税込価格で1566円。サバを読んで高く言っていた(セコイ)

  2. iSmart の1200円は税抜価格であり税込では1296円。サバを読んで低く言っていた(セコイ)

  3. 実際の差額は1566円-1296円=270円だった(セコイ)

D) いい加減な事を言う

「現在の契約を解約しても違約金はかかりません」

後述の「遠隔操作」をされた後に、契約中のプロバイダのYahoo! に解約を伝えると 5,250円の違約金が発生すると言われました。これでは話が違うと「テクニカルサポート株式会社」に電話をかけると、違約金以上に安くなるのだから問題ない、説明したとおりに安くなっていますよ、との事。「違約金はない」がいつのまにか「違約金を考えても安くお得」にすり替わりました。

遠隔操作!

「10分から15分程度の簡単な操作のみで変更できます」といって翌日に電話を受ける時間を約束させられました。そして、強引にプロバイダを変更され、メールアドレスを追加されました。(ほとんど押し売り状態!)

これはもう、泣き寝入りをさせるために既成事実を作るという事だと思います。事実、実際に設定が変わってしまったからもう戻れないと半ばあきらめてしまいました。

なお、この手のトラブルに対して、総務省は行政指導を行っており、消費生活センターが注意喚起していました。「速報!”遠隔操作”によるプロバイダ勧誘トラブルにご注意!」「相談激増!遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルにご注意

E) 以下の遠隔操作に関する事前説明はなかった

  1. 「遠隔操作」をする事

  2. NTTフレッツ光のルータのプロバイダ設定をiSmartに変更する事

  3. 新しいiSmartのメールアドレスを Windows Live Mail に追加設定する事

  4. 設定の完了をもって「契約完了」とする事

  5. 上の 1,2,3 は事後説明もなく、2は後日に調べて判明した

F) 遠隔操作の手順と内容

  1. 言われるがままにWebページを開く

  2. 言われるがままに遠隔操作ソフトウェアをダウンロード

  3. 言われるがままにアイコンをクリック=遠隔操作ソフトウェアをインストール、さらに起動。

  4. 言われるがままに遠隔操作ソフトウェアの外部からの接続用IDとパスワードを読み上げた

  5. あとは為されるがまま。なにをされているのか見ていてもわからない

  6. 最後に問い合わせ先と契約内容と「接続設定が契約となります」と記載されたテキストファイルをデスクトップに置かれて終了

なんで「言われるがまま」に電話の指示に従ったのか・・・・相手の事の進め方がとても上手だからです。わざと不十分に説明されて、都合よく誤解するように誘導されました。パソコンの知識が乏しい事につけこまれました。

遠隔操作ソフトウェアを見てもそれが何か判りません。ルータの設定画面にログインされてもそれがなんの事なのかも判りません。目の前で訳の分からない事をほとんど説明なしに進められて、不安になり、さらに不安な気持ちが高まったところで、「はい、これで契約が完了です」。「え!?何を契約したの?え?え!」という状態でした。

残念ながら、ルータのパスワードを変更している人はとても少ないのが実情です。

だから今回のような「勝手に設定を変えられる」ことができてしまいます。

G) 以下の契約内容を事前に説明されなかった

  1. プロバイダ( iSmart) の新規契約である事

  2. 契約主体となる会社名

  3. 契約期間は3年であること

  4. 期間内の解約違約金は 22,500円である事(なんと17か月分!)

  5. 1,200円とは税抜価格であり支払金額は税込みの1,296円

解約違約金が異常です。契約期間3年(36か月)のほぼ半分に該当する金額です。Yahoo!の解約違約金の4倍超。

H) クーリングオフは適用外

電話で話が違うからと解約を伝えても「クーリングオフはできない」と突っぱねられました。

2015年11月20日現在、このような「電気通信サービス」に関する「電話勧誘販売」はクーリングオフの適用除外になっています。今年の2015年5月22日に公布された「電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成27年法律第26号)」は一年以内に施行されますが現時点では未施行です。施行日を指定する政令を調整中だそうです。

しかしながら本件の場合には、契約内容を説明せず、契約する会社名すら明確でなく、 「書面の契約書はありません」とすら言い切っています。明らかにおかしい。こんな内容と知っていたら契約なんてしなかった。

I) 消費生活センターに出向いて解約

そこで消費生活センターに電話をして、出向いてさらに説明して、消費生活センターの人に電話をしてもらって解約できました。また、すでに発送済みの書類は到着次第破棄してよいとのことでした。

これは、消費者支援機構関西がフォーバルテレコムに対して消費者保護に取り組むように再三申し入れをした結果、「書類到着日から8日以内を初期契約解除期間と定めた」事を消費生活センターが把握しており、それを根拠に契約解除の通告を行ったものです。

フォーバルテレコムは本年8月3日より、8日間の実質的なクーリングオフ期間を認めていながら、代理店のテクニカルサポート株式会社は「解約はできない」と虚偽を言って突っぱねていました。

また、相談した消費生活センターの場合、積極的に助けてくれたというのとは、ちょっと違います。最初に電話した時には、明確な解決策は出ませんでした。諦めようかとも思いました。でも翌日に消費生活センターに出向いたら先日と違う担当者が対応してくれて、「テクニカルサポート株式会社」に電話を入れてくれたというものでした。消費生活センターに対して「対応してくれ」「対応できないのですか」と食い下がるくらいはするべきかもしれません。

J) Windows Live Mail から追加されたメールアドレスを削除

K) NTTフレッツ光のルータのプロバイダ設定を Yahoo BB に戻す

ルーターの「接続先設定」を FAxxxxxxx@fm.fitcall.ne.jp に変えられていました。

Yahoo BB と契約した時の書類を見ながら、元の b00000000000000@sbb.ne.jp に戻しました。

これをやらないと、プロバイダが iSmart のままとなってしまいます。

設定を変えた「テクニカルサポート株式会社」は「Yahoo!でなければ元に戻せないからYahoo!のサポートに電話してください」と言いました。ウソですね。元に戻す責任など感じていないのでしょうね。ここは、当「60からのパソコン倶楽部」の講師が電話サポートで直しました。

L) 後日到着した書類

(1)「 iSmart 重要事項説明書」

この中に金額等の契約内容が記載され、8項目目に以下の記載がありました。

『登録通知到着後8日以内(本書裏面の右上記載の「作成日」から11日間以内)は初期契約解除期間とし、この期間内に・・・・解約される場合は、解約違約金はかかりません』

この事を代理店「テクニカルサポート株式会社」は説明せず「解約はできない」と虚偽説明しました。

さらに気になるのは「作成日」です。「作成日」の6日後に郵送で書類は届きました。もし「作成日から11日以内」が「到着後8日以内」より優先されるという運用ならばあと4日しか猶予はない事になります。紛らわしい条項です

(2) 「iSmart 接続ーFひかり 登録のご案内」

「ご契約日」が遠隔操作された日になっていました。

(3) 「お支払い方法がNTTとの合算請求に変更されました」「tabalメンバー兼tabalまるごと決済サービス申込書」がさらに後日届きました。

(4) 「ご利用料金のお支払い方法に関するご案内」さらにその2日後に NTTファイナンスから。

先日届いた「tabalメンバー兼tabalまるごと決済サービス申込書」は手元にあり、提出していません。

勝手に、NTTの決済代行サービス「tabalまるごと決済」を申し込まれていたのです。代金をNTTの電話代と一緒に引き落とすというものです。これによって、フォーバルテレコムは利用者の承諾なしに代金の回収ができるという仕組みです。このについての説明は一切ありませんでした。

すぐに「NTTファイナンス tabalサポートデスク」に電話をしました。「ご解約ですか」「解約じゃありません。そもそも私は申し込んでいない。悪徳業者が勝手に申し込んだのです!」というやり取りの末に「なかった事」にすることに落ち着きました。この頃にはかなり立腹しているので「悪徳業者!」と自然と口に出していました。

M) 教訓

  1. だまされた自分に非はない!だました方が悪い!決してあきらめない!

    1. このような問題のある業者は、最初から「騙す、誤解させる」「既成事実を作る」「あきらめさせる」事を狙っているように見えます。泣き寝入りこそ彼らの思う壺です。

  2. 個人情報を教えない。

    1. 名前、生年月日、住所、契約している回線名、その他、何を聞かれても決して答えない。

    2. 今回のように勝手に手続きをされてしまいます。

  3. 電話セールスは全て、無言で切る!

    1. 話を聞いたり、断る必要もありません。「ブチッ」と「切る」ボタンを押しましょう。

    2. 人が欲しがる商品ならネットでいくらでも売れる時代です。電話でセールスしなければ売れない商品に「いいもの」など無いと心得るべきです。

N) 資料:テキストファイルの中身

遠隔操作を終了後にこのようなテキストファイルをデスクトップに置かれました。

これを見て初めて、契約内容を知る事ができました。

なお、「問い合わせ先」として「テクニカルサポート株式会社」とありますが、その所在地等は不明なままです。また、契約相手が「フォーバルテレコム」なのか「テクニカルサポート株式会社」なのかも不明です。

メールアドレス: xxxxxxxx@m01.fitcall.net

POP3: p01.fitcall.net

SMTP: s01.fitcall.net

パスワード: xxxxxxxx

---------------------

◆Yahoo連絡先 11/30まで

電話窓口① 0800-1111-820

音声ガイダンスでの解約窓口になります。

電話窓口② 0120-965-703 ガイダンス2

直接担当者に繋がる窓口になります。

営業時間 10:00-19:00

カスタマーセンターの担当に繋がりましたら

『プロバイダを切り替えたので

契約しているYahooのプロバイダを解約したい』

と担当にお伝えください。

※注意事項

・万が一解約料金が発生する場合は担当までお問い合わせ下さい。

・今回のご案内はNTT西日本からの案内ではございません。

プロバイダー代理店からのご案内となります。

プロバイダー契約は契約書はございません。

接続設定が契約となります。

------------------------------------------

【今回ご契約プロバイダ】

プロバイダー名: iSmart

月額料金: 1200円(1296円)

無料期間: 2ヶ月間

最低利用期間: 3年間

期間内での解約した場合の解約金: 22500円

------------------------------------------

【問合せ先】

フォーバルテレコム代理店窓口

テクニカルサポート株式会社

問い合わせ先: 0120-958-987

営業時間: 10~13、14~20時

営業担当(内容のお問い合わせ): 谷本

設定担当(設定のお問い合わせ): 野村

2015.11.23