スマート物流

倉庫内の作業や入出荷作業に関する業務プロセスは依然として人の勘・コツに頼っている部分が多く,それらをデータ駆動で最適化する技術に対する期待が高まっています.我々は,注点方式に基づく在庫管理をデータ駆動で行う方式や,映像を用いてケースを計数する技術について研究を行っています.

在庫管理のための需要予測

発注点方式に基づく在庫管理をデータ駆動で行う方式について研究を行っています.適切な在庫量の維持は,効率的な企業運営に不可欠です.企業にとっては在庫が多いほど損失になり,在庫を極端に少なくし品切れリスクが高まれば,商品の出荷機会を失うだけでなく企業の信頼を損なう恐れがあります.発注点方式に基づく在庫管理では,在庫の補充タイミングを決定する発注点とその際にどれくらいの量を補充するかという発注量の見積もりが必要になります.このとき,在庫商品の需要が時刻に依らないガウス分布に従うという仮定が用いられますが,実際には成り立たないことが多くあります.本研究では,そういった現実に即さない仮定を排し在庫管理をデータ駆動で行うために,在庫量や欠品率といった在庫管理性能を直接評価可能な end-to-end な発注点・発注量予測モデリングや,発注点・発注量による在庫管理性能のシミュレーション評価法を提案しています.