毛細血管奇形
(単純性血管腫)
毛細血管奇形
(単純性血管腫)
毛細血管の形成異常によって、皮膚が赤くみえるものです。
単純性「血管腫」ともよばれますが、腫瘍ではなく、血管の形成異常です。
自然に消えることはありません。年単位の経過で徐々に膨らんできたりするほか、出血して困る場合もあります。
色素レーザーで治療できますが、完治が難しい場合もあり、メンテナンスとして行われる側面もあります。
この血管腫自体が問題になるとすれば、整容面での問題であったり、時間経過で盛り上がってきたり、出血する場合があるためです。
まれに、顔の広範囲の病変や、四肢の広範囲の病変で、他の疾患に合併(スタージ・ウェーバ症候群やクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群など)する場合があります。
レーザー治療は3ヶ月に1度の頻度で行い、5回~10回程度の治療が必要になる場合も珍しくありません。
また、「完治」までもっていける症例は多くなく、症状緩和を目的に時々照射する、ということがゴールになる場合もあります。
乳幼児期の早い段階で治療を開始すると、皮膚が薄くレーザーが病変に到達しやすいため、少ない回数でより効果的に改善が見込めます。
残念ながら、色素レーザーは技術的な進歩が停滞しつつあるようです。
V-beamⅡ(Perfecta)世代で、ひとつ大きく進歩しましたが、まだすべての毛細血管奇形を完治させられるわけではありません。
色素レーザーで治療する疾患の中でも最も難渋する広範囲で難治の毛細血管奇形は、最上位機種であるV-beam Primaを使用する選択肢もあります(それでも難しい場合もあります)。
ただし、色素レーザーは適切な設定が難しく、V-beam Primaを所有され、かつ毛細血管奇形の治療に習熟された先生へご紹介させて頂く場合もあります。