「あざ」について

一般的に「あざ」と呼ばれるものについてご紹介しています。

「青あざ」

 うまれつきの青あざです。
お尻にある「蒙古斑」は自然になくなります。
しかし、それ以外の部位にある蒙古斑は、「異所性蒙古斑」とよばれ、自然に消えることはありません。

体が大きくなるに従って色は少しずつ薄くなる傾向にあるため、レーザー治療をおこなうかどうかは、状態によってご相談をさせていただきます。
治療をするかどうか迷っておられる方は、ぜひこちらも御覧ください。

うまれつき、顔にある青あざです。口の中や眼球にも青いあざがある場合もあります。
自然になくなることはありません。

メイクで隠したりするよりは、レーザーで治療してしまってもよいのではないでしょうか。
薄い色調のものは、治療をしなくとも目立たない場合もあります。
治療をするかどうか迷っておられる方は、ぜひこちらも御覧ください。

あざ」

扁平母斑

茶色く平坦なあざで、体のどこにでもできうるものです。
Qスイッチ付きレーザー、ピコ秒レーザーであればどういった機種でも一旦は消退するのですが、非常に再発しやすいあざです。
レーザー治療で再発してくる場合は、切除が選択される場合があります。

承認をとった「Qスイッチ付きルビーレーザー」であれば健康保険で治療ができますが、2回までという制限がかけられています。
残念ながら、当院では健康保険適応での施術は行っておりません。

跡形を残さずに退縮することも多いのですが、目の周りや鼻の周りを始めとした顔や外陰部にできた場合、外陰部や女児の胸にできた場合など、視力発達や整容面・機能面での障害が危惧される場合は積極的な加療もなされます。
レーザー治療が行われるほか、ヘマンジオルシロップ®という内服薬が必要になる場合があります。

あざ」

先天性色素性母斑

まれた直後からある、黒い大きなほくろのような皮膚腫瘍です。
整容面で気になるようならば、基本的には切除が選択されます。
大きなものでは2回以上にわけて少しずつ切除する分割切除や、局所皮弁術を行う場合もあります。

大人になったときに直径20cm以上(1歳時点での目安は体幹で6cm、頭部・顔面では9cm以上)あることが見込まれるものは、「巨大色素性母斑」と定義されています。
巨大色素性母斑は、悪性黒色腫という悪性腫瘍の発生母地となりうるため、積極的な加療が必要と考えられます。
広範囲の場合は植皮や、自家培養表皮、皮膚を削るような治療が行われる場合もありますが、整容面に配慮した治療には難重するケースもあります。

赤あざ

乳児血管腫(いちご状血管腫)

生まれた直後はないものの、その後急激に増大するという特徴をもつ血管腫の1種です。
皮膚の表面にできているものは、鮮やかな赤色をしており、その見た目から「いちご状血管腫」と呼ばれていました。
実際は、皮膚の深部にできて皮膚の下のしこりとして触れるだけのこともあり、必ずしも赤く見えるわけではありません。  

跡形を残さずに退縮することも多いのですが、目の周りや鼻の周りを始めとした顔や外陰部にできた場合、外陰部や女児の胸にできた場合など、視力発達や整容面・機能面での障害が危惧される場合は積極的な加療もなされます。
レーザー治療が行われるほか、ヘマンジオルシロップ®という内服薬が必要になる場合があります。

毛細血管奇形(単純性血管腫,ポートワイン母斑)

毛細血管の形成異常によって、皮膚が赤くみえるものです。
単純性「血管腫」とよばれますが、収容ではなく、血管の形成異常です。
特殊な部位除いて、自然に消えることはありません。年単位の経過で徐々に膨らんできたりするほか、出血して困る場合もあります。

V-beam®のような色素レーザーで治療されますが、完治が難しい場合もあり、メンテナンスとして行われる側面もあります。

ウンナ母斑

うなじにできた毛細血管奇形です。
例外的に自然に消退することが多い母斑で、積極的な治療対象になることは多くありません。

サーモンパッチ

おでこや上唇、顔の正中にできる毛細血管奇形です。
こちらも自然に消えるとされますが、残存する場合もあります。
整容面の改善目的に、毛細血管奇形に準じてV-beam®のような色素レーザーで治療される場合があります。

これ以外にもあざの種類は非常に多様です。多発したり、合併する症状によってはなんらかの「症候群」として精査が必要な場合もあります。