ドイツ国民社会党の経済政策を探る3  黒正巌


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ナチスの廿五の綱領

ナチスの採らんとする政策は、アルフレッド・ローゼンベルグ氏の著はした「国民社会主義的ドイツ労働者党の本質、綱領および目的」で詳述せられてゐる。その他ナチスの宣伝パンフレットにはいづれもプログラムをかゝげてゐるナチスのプログラムはいはゆる二十五綱領であるが、経済政策または社会政策以外のものが少くないしかし何れもナチスの根本精神たる「個人利用よりもまづ共同利用」と「利子奴隷よりの解放」に基づくものにして、従つてまたユダヤ人を排斥し、ドイツ的ならざるものを除去せんことを目的とするものである。一々の綱領について詳述するのは紙面の都合で出来ないから、二十五綱領を列挙するに止めよう。

ナチスの二十五綱領なるものは千九百二十年二月二十四日、ミュンヘンの有名なるホーフブロイ大廣間において大会が開催され、その席上、決議されたのである。自来ドイツの社会的事情は、著しく変化したので、多少変更を要するものがないでもないが、千九百二十六年五月二十二日の党員大会は熟議の結果、右の二十五綱領は全然変更しないことを決議した。

第一 吾人は、民族自決権に基づきしねてのドイツ人を糾合して一の大ドイツ国家を建設することを要求する。

以下 略

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