19. 第19回(2017.06.25)

①6月25日(日)

時間 :10:00~12:00

タイトル :「普通教育機会確保法の成立と多様な学びの場のこれから」

―子どもの学ぶ権利の行使の視点から―

内容 :喜多明人さん 特別講演会

講師 :喜多明人さん(早稲田大学教授)

場所 :堀切地区センター(葛飾区堀切3-8-5) 03-3693-5637

参加者:68名

※チラシのPDFデータや当日資料は、

このページの最下段から、ダウンロードが可能です。

【参加者の皆さまの感想より】

<この講座を申し込んだ理由>

・子どもの不登校の経験から、自分も学びが必要だと思ったから。

・不登校の子どもの学ぶ権利について勉強したかったから。

・興味があったから。

・小2の息子が発達障害のグレーゾーンで、今後不登校になる可能性もあるので話を聞きたかった。

・法律について学びたいという理由から。

・子どもの権利に関心があるから。教育の関わる仕事をしているから。

不登校生徒への対応、親子の支援をどうするかを知りたいから。

・現在長女が学校に行きたくないという日が多く、不登校になりそうな感じです。興味があり申し込みました。

・なぜ不登校の児童、生徒が増えているのか知りたくて。

・主任児童委員をしていて、子どもに関することを学びたいと思った。

・テーマに関心があったため。

・不登校の子どもに限らず「子どもの学ぶ権利」に興味がありました。

・知人に声をかけられて。

・不登校の問題や外国に背景に持つ子どもの学びについて問題意識があったからです。

・不登校の子が多く、身近な問題として。

・学校教育に疑問を持っています。視点の違う教育をされているお二人の先生のお話を伺いたかった。

・子どもの教育を受ける権利を広げてほしいと思っている1人です。

子どものための社会を作りたいと(力はありませんが)願っています。

何かできることはないかと学びたくて、参加しました。

・教育に対しての関心があった。

・中学生の子どもがいるので、子どもの学ぶ権利について興味があったから。

<講座の感想・要望など>

・教育学界の人が本当の子どもの権利を分かっていないことは驚きです。すごくよかったです。

「新しい普通教育」の創造を切に望みます。文科省は、しっかり子どものことを考えていることがよく分かった。

・特別支援学級で教える機会があり、そこで子どもの育ちたい力に支援をする立場であると改めて考え直しました。

今は喜多先生のお話から目の前の子どもの “今” を大切に尊重する姿勢を大切にしたいと思いました。

海外での取り組み、他県での取り組み、実践側は大変参考になりました。ありがとうございました。

・子どもが自己肯定感を下げないようにできることを認めたり、

様々な可能性(学ぶ場についても)を広げたりできるよう支援したいです。

教員や学校の考え方も変わる必要があると思いました。

・喜多先生の講演が大変インパクトがあり、共感でき、たくさんの学びがありました。

特に法律紹介だけに留まらなかったのがとても良かったです。

・法の成立までのご苦労、なぜ学ぶ権利が必要かよく理解できました。

子どもの持つ力を引き出すのがとても大事なことと再確認できました。

・私自身約40年間教師として働いていました。

この3月に定年退職しましたが、現職時代の100人近くの不登校児童と関わってきました。

今後も増えていくであろう不登校の子どもたちのために何かできないかとの思いがあり、

今「子どもの居場所」つくりをしています。様々な方々の支援をいただいて、

小学生・中学生の子どもを対象とした居場所を設けました。

勉強したり、遊んだり、食事をしたり等NPOではありませんが、善意の応援で成り立っています。

今学校に行きたくても行けない子、学びたいと思っていても学べるところがありません。

公的な支援センターが早期に実践できること心から願う一人です。今日はありがとうございました。

・まず葛飾区の教育委員会の生涯学習課が今回の企画ができることに

葛飾区の教育行政に少し安心しました。

・「教育」というと大人によるものと思っていましたが、

『子ども目線』からのお話にとても共感しました。

・子どもの学ぶ権利、多様な学びの場について分かりやすかったです。

・不登校になった子の対応や学ぶ権利を知ったこと。

・知らなかったことを知ることができました。

子ども本人のやる気が大切だと思いました。

・勉強になりました。もっといろんなことを聞きたいです。

・子どもの視点、権利からの発想の取り組みであること。


・参加して良かったです。ありがとうございました。

もっとたくさんの人に聞いてほしい話でした。

講演タイトルに「不登校」が入っているとすべての大人が興味を持たないかな。今後の講座名は一考を…。

・もっと多くの人、教師たちに聞いてほしい内容だと思う。

教育現場に広げていく工夫が必要だと思う。

「不登校」「ひきこもり」など当事者が集まる講座のイメージが強すぎる。

・特性のある子どもが学ぶ場を自由に選べるようになるとよいなと思います。

・平成元年~3年ほど夜間中学校で教えたことがあります。

当時夜間中学校研究会でも生徒の学習保護等、行政に対し先輩の先生方が取り組み、

昨夏「基礎学力保障学会」の設立となりました。30年近く経ってようやくという気持ちです。

まだ、登校拒否という言葉に子どもたちがくくられていた時代でした。

夜中に来られた子どもたちも今は親となり、

生きる道も身につけたケースも、自立支援ホーム等福祉にお世話になり苦労しているケースもあります。

今後少しでも法整備だけでなく人的な配置(スキルを高めた指導者)により、

救われる子どもたちや生きる道や選択肢が増えて行けるよう現場、

現場で少しでも力を尽くしていきたいと改めて思いました。

考えさせていただく良い機会を与えていただきありがとうございます。

形ばかり整えている葛飾の特別支援教員への取り組みにもまだまだ課題があると考えています。

あきらめずに現場から子どもたちのために声をあげていきたいと思います。

最後にもお話しましたが、ぜひ教育委員会、校長会等での意識改革をお願いします。

講演、研修等で。ありがとうございました。

・普通教育機会均等法が子どもの権利を守るために作られてきたことがよく分かりました。

子どもが成長したいと思う気持ちを、学ぶ場所に関係なく守られるよう

大人の意識が変わらなくてはダメだと思いました。

・喜多先生のお話、多様な学びの場を作るということとインクルーンブ教育との関係が

いまひとつ分かりませんでした。対立することなのでしょうか。

・今日はありがとうございました。

・社会人になってもいじめはありますので、くじけず先へ前へ進む事が必要。

・地域の学校の先生たちとの意見交換をフラットスペースで行いたい。担当はどこがするかが問題。

・専門用語が出てきたお話の流れについていけない部分があったので、用語解説があると良かった。

※レインボーリボンの緒方さんが、

当日の内容について詳細にまとめて下さいましたので、

以下に転載させていただきます。

【レインボーリボン】メルマガ(第39号:2017.6.30)

先日、かつしか子ども・若者応援ネットワーク、

葛飾区教育委員会共催の特別講演会「不登校の子どもの学ぶ権利とは?」

で聞いた喜多明人さん(早稲田大学教授)のお話も刺激的でした。

喜多先生は「子どもの権利条約」

(1989年国連総会採択、1994年日本政府批准)

の普及啓発に長年携わってこられ、

「多様な学び保障法を実現する会」共同代表として、

昨年12月に国会で成立した「教育機会確保法」

の制定にも関わってこられました。

喜多先生が講演の冒頭で紹介したのは、

法制定当時に文科省事務次官だった前川喜平さんが説明する

「教育機会確保法」の位置づけでした。

憲法26条

1 すべて国民は法律の定めるところにより、

その能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有する。

2 すべて国民は法律の定めるところにより

その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。

義務教育は、これを無償とする。

保護者が子どもに受けさせる義務を負っている義務教育

とは「普通教育」であり、「学校教育」ではないということです。

「普通教育」が学校でしか受けられない現在の日本の状態は、

戦中に多様な教育の場が禁止され、

すべて国民学校に吸収された戦時体制の名残であり、

様々な理由で学校に行けなかった人々の学ぶ権利を保障できない、

法制の不備であるという指摘です。

では、学校以外の場でどうやって子どもの学ぶ権利を保障するのか。

喜多先生は

「教える」「指導する」という立場に慣れてしまっている「教育学」に限界を感じている

と言います。

そして、子どもの生来的な生命力、意思に寄り添い、

子ども自身による自己形成(成長)と学びを支えていく

「子ども支援学」を提唱されています。

講演会会場で喜多先生のサイン欲しさに著書

『子どもの権利 次世代につなぐ』(エイデル研究所)

を購入しました。

第1章はフリースクールで学ぶ子どもたちが

「途上国の子どもは不幸せだが日本の子どもは幸せ」という言葉を聞いて、

「本当に私たちは幸せなのだろうか」と疑問を持つというエピソードから始まります。

その子たちは「不登校の子どもの権利宣言」をまとめ、

「私たちには、学びたいことを自身に合った方法で学ぶ権利がある」と高らかに宣言しました。

「子どもの幸せ」って何だろうといつも考えている私たち。

まずは身近な子どもに「本当に幸せ?」ときいてみなくては。

NPO法人レインボーリボン 代表 緒方美穂子

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