2018/09/22@大阪

第12回 「補償光学研究開発のための情報交換会」

趣旨

補償光学は光波面のゆらぎを補正する技術である。天文学分野においては、地球

大気ゆらぎによる像の乱れを補正し、地上望遠鏡であっても回折限界の解像度を

達成できる。これの実現ではリアルタイムな光波面の計測と制御が鍵となっており、

より高精度、より広視野な観測を実現するために、高速化・大素子化を目指した

開発が進められている。

国際的な大望遠鏡へ搭載される装置の開発が盛んである一方で、補償光学装置の

構成要素部品が比較的安価で利用しやすくなったことで、大学の研究室ごとに独自の

目的・アイデアに基づいた補償光学装置の開発も進められている。また、生物学や

医学分野においても、補償光学技術の応用が進められており、プロジェクトの規模や

研究テーマの多様性も広がっている。この研究会は様々な研究テーマ・プロジェクト

で補償光学の研究に携わっている研究者間で有機的な情報交換のネットワークを構築し、

それぞれの研究開発の発展を促進することを目的とする。

この研究会では議論に重きを置いています。また学生の発表を奨励しています。

プログラム

日時:2018/9/22 (土) 9:00 - 17:30

場所:大阪電気通信大学寝屋川キャンパス J号館6階610室

09:00 - 09:20 大野 良人「すばる望遠鏡補償光学システム開発現状」

09:25 - 09:45 満田 和馬「すばる望遠鏡レーザートモグラフィー補償光学の開発

09:50 - 10:10 大金 原 「シャックハルトマン波面センサーを用いた大気シンチレーション測定

10:10 - 10:20 <休憩>

10:20 - 10:40 三浦 則明 「太陽SLODARの開発状況

10:45 - 11:05 浜屋 ひかり「太陽シンチレーションモニタ観測再考~SHABARの性能評価~

11:10 - 11:30 宮良 碧(萩野 正興)「太陽像によるシーイング測定手法の開発 - 精度向上を目指して -

昼食 11:30-12:30

12:30 - 12:50 寺地 慶祐「惑星モニター観測用MCAOにおける波面参照点の配置と波面補正性能の関係

12:55 - 13:15 石社 裕章「惑星モニター観測用MCAOにおけるMinimum Mean Square Error法による波面再構築の検討

13:15 - 13:25 <休憩>

13:25 - 13:45 峰崎 岳夫 「小口径望遠鏡用可視補償光学試験装置の開発

13:50 - 14:10 津久井 豊 「補償光学を応用した高角度分解能X線望遠鏡の開発

14:15 - 14:35 七海 沙也加「背景型シュリーレン法による実規模現象の望遠可視化計測精度改善への取り組み(進捗報告)

14:35 - 14:45 <休憩>

14:45 - 15:05 山本 広大「極限補償光学装置の開発:惑星撮像装置SEICAの進捗

15:10 - 15:30 藤田 勝 「極限補償光学装置の開発:制御実験報告とシミュレーター開発

15:35 - 15:55 津久井 遼「極限補償光学装置の開発:TweeterAO実験用SHWFSの開発

16:00 - 16:20 西岡 秀樹「極限補償光学装置の開発:点源回折干渉波面センサの開発

16:20 - 16:30 <休憩>

16:30 - 17:30 議論とまとめ

*講演時間は20分(講演15分+質疑応答5分)です。

*講演中の質疑応答も歓迎です。

*スムーズな講演者交代のため5分間の緩衝時間を設けております。

*当日の進行・調整次第で講演時間が多少前後することをあらかじめご承知おきください。

[懇親会]:

天文学会秋季年会後の開催であるため、

***「研究会前日の9月21日に大阪・梅田近辺」***で開催する予定です。

講演者・研究会参加者には後日案内を回覧いたします。

懇親会からの参加を希望される方は開催担当の山本(yamamoto@kusastro.kyoto-u.ac.jp)までご連絡ください。

参加者

当日の参加者リストに記載された順、敬称略

津久井遼(京都大学)、西山正吾(宮城教育大学)、渡辺裕之(CCD Astronomy Network)、坂部健太(京都産業大学)、樽田順(京都産業大学)、渡邉誠(岡山理科大学)、早野裕(国立天文台)、満田和真(東北大学)、寺地慶祐(岡山理科大学)、七海沙也加(東海大学)、峰崎岳夫(東京大学)、長田哲也(京都大学)、津久井豊(立教大学)、山村知之(ニコン)、西川淳(国立天文台)、入部正継(大阪電気通信大学)、高橋陸(大阪電気通信大学)、浜屋ひかり(明星大学)、萩野正興(国立天文台)、三浦則明(北見工大)、西岡秀樹(京都大学)、水書稔治(東海大学)、石社裕章(岡山理科大学)、戎崎俊一(理化学研究所)、大本薫(東北大学)、大金原(東北大学)、大屋真(国立天文台)、藤田勝(大阪電気通信大学)、高見英樹(国立天文台)

開催担当者

入部正継(大阪電気通信大学)、山本広大(京都大学・連絡担当)