2019/03/13@小金井

第13回 「補償光学研究開発のための情報交換会」

趣旨

補償光学は乱れた光波面の位相を補正する技術である。地球大気のゆらぎの乱れ

を補正することで地上望遠鏡からでも回折限界の解像度を実現することができる。

補償光学系の採用によって多大な効果が見込める大型望遠鏡にとってこの技術が

必要不可欠であることは、その観測的な研究の成果が物語っている。

このように天文学において成功を収めた補償光学系の技術を、同じく大気揺らぎ

の影響を受ける衛星と地上間を結ぶ空間光通信においても応用することが検討され、

日本でも機器開発に向けた取り組みがなされている。この研究会ではこのような

動向を鑑み、天文に限らず様々な研究テーマやプロジェクトで補償光学装置の開発

に携わっている研究者が一堂に会し議論を交わす機会を提供する。これを契機として

有機的な情報交換ネットワークを構築し、各々の研究開発の発展を促進する。

この研究会では議論に重きを置いています。また学生の発表を奨励しています。

プログラム

日時:2019/3/13 (水) 9:00 - 17:30

場所:情報通信研究機構小金井本部 3号館1階セミナー室

※事前に参加表明をされている方はご所属とお名前を告げて頂ければ入構が出来ます。

飛び入り参加も可能ですが、その際は守衛室に研究会名を告げて頂き現地担当者と

連絡が取れてからの入構許可となります。

9:00 - 9:10 豊嶋守生: 冒頭挨拶「NICTにおける光衛星通信技術の研究開発

9:10 - 9:30 大野良人「AO188 Upgradeの現状について

9:35 - 9:55 美濃和陽典「ULTIMATE-Subaru:広視野地表層補償光学(GLAO)の概念設計

10:00-10:20 萩野正興「月の像を用いた夜のシーイング観測提案

10:20-10:30 <休憩10分>

10:30-10:50 宮良 碧「国立天文台での小黒点と太陽縁を用いた点像関数

10:55-11:15 三浦則明「飛騨太陽AO関連技術の開発状況

11:20-11:40 菊池 駿「顕微鏡AO用差分型波面センシング法の開発

11:40-12:40 <昼食1時間>

12:40-13:00 Dimitar Kolev「Adaptive Optics for Optical Satellite Communication」

13:05-13:25 水書稔治「背景型シュリーレン法による実規模現象の望遠可視化精度改善への取り組み(接地層でのシンチレーション計測)

13:30-13:50 渡邉 誠「惑星モニター観測用MCAOの開発の進捗状況:実験室における閉ループ試験について

13:55-14:15 寺地慶祐「惑星モニター観測用MCAOにおける波面測定用表面模様の配置に対する補正性能の見積方法

14:20-14:40 石社裕章「惑星モニター観測用MCAOにおける最小平均二乗誤差推定による波面再構築と波面測定誤差の影響

14:40-14:55 <休憩15分>

14:55-15:15 山本広大「極限補償光学装置の開発2: 惑星撮像装置SEICAの進捗

15:20-15:40 西岡秀樹「極限補償光学装置の開発2: 点回折干渉計型波面センサの評価

15:45-16:05 秋山正幸「ULTIMATE-START:すばる望遠鏡トモグラフィー補償光学の開発

16:10-16:30 大金 原「シャックハルトマン波面センサーを用いた大気ゆらぎの強度測定:AOtools によるシミュレーションとの比較

16:35-16:55 大本 薫「回折像からの波面推定法の評価

16:55-17:-10<休憩 15分>

17:10-17:30 全体議論とまとめ

17:30~18:30 施設見学

19:30~ 懇親会 @ 国分寺駅

※懇親会参加希望の方は開催担当者までお知らせ下さい。

*講演時間は20分(講演15分+質疑応答5分)です。

*講演中の質疑応答も歓迎です。

*スムーズな講演者交代のため5分間の緩衝時間を設けております。

*当日の進行・調整次第で講演時間が多少前後することをあらかじめご承知おきください。

参加者

当日の参加者リストに記載された順、敬称略

豊嶋守生(情報通信研究機構)、Dimitar Kolev(情報通信研究機構)、早野裕(国立天文台)、服部雅之(国立天文台)、大屋真(国立天文台)、萩野正興(国立天文台)、樽田順(京都産業大学)、水書稔治(東海大学)、吉富勇貴(東海大学)、宮良碧(明星大学)、三浦則明(北見工大)、菊池駿(北見工大)、渡邉誠(岡山理科大学)、寺地慶祐(岡山理科大学)、石社裕章(岡山理科大学)、山本広大(京都大学)、西岡秀樹(京都大学)、森本悠介(京都大学)、津久井遼(京都大学)、大野良人(ハワイ観測所)、美濃和陽典(ハワイ観測所)、秋山正幸(東北大学)、大金原(東北大学)、大本薫(東北大学)、寺尾航暉(愛媛大学)、藤田勝(大阪電気通信大学)、戎崎俊一(理化学研究所)、高遠徳尚(ハワイ観測所)、柳沢俊史(JAXA)、斉藤嘉彦(情報通信研究機構)、塩田和生(日本写真学会)、國森裕生(情報通信研究機構)、海老塚昇(理化学研究所)、山下奏輝(東海大学)、遠藤くるみ(明星大学)、飯塚悠太(東北大学)

開催担当者

斉藤嘉彦(情報通信研究機構・会場担当)、大野良人(国立天文台・連絡担当)、山本広大(京都大学・連絡担当)