第2回WS
日時:2011年8月30日(火)・31日(水)
場所:東京大学駒場キャンパス
趣旨
3月のワークショップでは、会話のトランスクリプション(書き起こし)の方法に焦点を当てましたが、今回はより詳細なトランスクリプションの練習(第一部、8月30日)に加えて、翌日(第二部、8月31日)には、実際に話し言葉を基にした研究に関する発表を聞き、ディスカッションすることで、「話しことばの言語学」の可能性を探ります。
プログラム:
8月30日(火):トランスクリプションの方法II(UCサンタバーバラ方式に基づく)
目的:
言語学においてコーパス利用がさかんになっていますが、談話・機能言語学または使用基盤アプローチからの文法現象の分析に適したコーパスは、日本語についてはまだ不十分な状態です。このワークショップでは、日本語の自然会話データを収集、管理、共有するための方法を身につけます。今回は、3月のワークショップにおいて紹介したUCサンタバーバラ方式による書き起こしの基本の定着に加えて、音の長さ・ポーズ・イントネーション等に焦点を当てます。
講師: 大野剛(アルバータ大学)・ 鈴木亮子(慶應大学)・ 岩崎勝一(カリフォルニア大学ロサアンジェルス校)
司会: 大堀壽夫(東京大学)
8月31日(水):研究発表‐データ分析の最前線:音声・ビデオデータの分析を基に、話し言葉の言語学の可能性を探ります。
10:15-10:30 司会ー大堀壽夫(東京大学)
10:30-11:15 森田笑(シンガポール国立大学):相互行為詞研究と会話分析
11:15-12:00 黒嶋智美(産業技術総合研究所):責任と理解に関する交渉:寿司店での注文における修復行為 {ハンドアウト}
1:00-1:45 高梨博子(日本女子大学):遊びのフレーミングの言語的指標:日本語会話のデータから {プレゼンスライド}
1:45-2:30 遠藤智子(日本学術振興会特別研究員):子どもー養育者インタラクションにおける行為指示 {プレゼンスライド}
2:45-3:30 高木智世(筑波大学):相互行為の中の引用標識:家族相互行為における「代弁」のマルチモーダル分析
3:30-4:15 味岡麻由美・兼安路子・川西由美子・岩崎勝一(カリフォルニア大学ロサアンジェルス校):「みかんよ みかん」ー会話における定型構文の分析
4:30-5:00 ディスカッション