第9回WS

第9回話しことばの言語学ワークショップ

※盛会のうちに終了しました。各画像は当日の模様です。

話しことばの言語学研究会では、これまで関東圏にて8回の例会を重ねてきましたが、今回初めて関西にて開催いたします。

1日目は書き起こし講習会(初級編)、2日目は高梨克也氏(京都大学)によるご講演と、企画セッションを予定しております。

高梨克也氏は、言語学はもちろん、認知科学・情報学・人類学・社会学の幅広い視点から言語コミュニケーションについて意欲的な研究を展開されており、話しことばの言語学に関心のある研究者・大学院生にとって大変刺激的なお話をしていただけるものと思います。

1日目の書き起こし講習会は人数制限がありますので、参加希望の方は下記の案内に従って申し込みを行って下さい(締切:7/15)。

2日目は人数制限はありませんので、ご興味がおありの方は奮ってご参加下さい。

【ワークショップ概要】

日時:

(1日目)9月4日(木)11:30~17:00:書き起こし講習会

(2日目)9月5日(金)

10:00-10:30 ポスター設置と朝のコーヒーブレイク

10:30-12:00 高梨克也氏による講演「話しことば研究の多角的展開のための試論」

12:00-13:00 ランチ

13:00-14:30 ポスターセッション(1)

14:30-15:00 コーヒーブレイク

15:00-16:30 ポスターセッション(2)

16:30-17:30 ポストポスターセッション

会場:大阪大学豊中キャンパス言語文化研究科A棟2階 大会議室(2日間とも)

キャンパスまでのアクセス案内はこちら

キャンパスマップはこちら

参加費用:諸経費として500円程度集める可能性があります。

【講演について】

・講演者: 高梨克也(京都大学)

・タイトル: 「話しことば研究の多角的展開のための試論」

・概要:

話しことば研究のもつ学際的なポテンシャルを明らかにするため,話し手による話しことばに対して,聞き手の存在(基盤化),行為遂行の側面(言語行為論),非言語行動との共起(マルチモダリティ),二人以上の聞き手の区別(参与構造),参与者の社会的属性(成員性),会話に付随する活動(関与配分)と いった観点を順次追加していくことによって,話しことば研究を多面的かつ階層 的に拡張していくための見取り図を提示することを目指す.

(当日使用されたスライドの一部がこちらからご覧頂けます)

【ポスターセッションについて】

2日目午後のポスターセッションについては、以下のような趣旨説明のもと発表募集を行いました:

ポスターの内容は、話しことばを用いた言語研究であれば、研究テーマやアプローチなどについての制限はありません。

また、話しことば研究のためのツールやコーパスを紹介するデモ発表も歓迎します。

話しことば研究者同士でディスカッションを行い、話しことば研究のコミュニティを活性化することを目指していますので、既に発表はしたがもう少しコメントが欲しいという方、萌芽的な研究や未完成でコメントが欲しいという若手研究者の方々も、これを機に是非ご発表下さい。

寄せられた応募に基づき、次のようにプログラムが決まりましたのでお知らせします。

[01] 杉本巧(広島国際大学)「対話におけるメタファー表現の出現位置と機能-テレビのインタビュー番組の分析を通して-」

[02] 岡久太郎(京都大学)「談話における表現の解釈多様性 ―― 落語のオチに着目して ――」

[03] 秦かおり(大阪大学)「「育てやすさ」の語りにみる役割意識と社会規範:移民としての在英邦人女性を対象に」

[04] 小田三千子(東北学院大学)「役割関係とことばについての一考察--Nixonと Deanの場合」

[05] 岩井恵利奈(青山学院大学)「大統領演説における「条件付きレリヴァンス」的特徴とそれを利用した修辞的パフォーマンスの分析」

[06] 劉礫岩(滋賀県立大学)「実況中継における「マーク行動」とそれによるコミュニケーションの達成」

[07] 坊農真弓(国立情報学研究所)・岡田智裕(国立情報学研究所)・菊地浩平(国立情報学研究所)「手話相互行為における表現タイミングの微視的分析」

[08] 安井永子(名古屋大学)「参与枠組みの変化に伴う指さしジェスチャー:語り場面の事例からの一考察」

[09] 種市瑛(立教大学)「視覚情報の有無がもたらす沈黙解釈の多義性:同一トランスクリプト作成者の事例を通して」

[10] 萩原孝恵(山梨県立大学)・カノックワン・L・片桐(チュラーロンコーン大学)・池谷清美(チュラーロンコーン大学)「タイ人日本語学習者の話しことばコーパス構築に向けて」

[11] 千々岩宏晃(大阪大学)「なぜ副詞は後ろに行ったのか -副詞の語順に関する会話分析の方法を用いた考察-」

[12] 横森大輔 (九州大学)・遠藤智子(日本学術振興会/筑波大学)「会話にみられる「なんだろう」のフィラー的用法について」

※奇数番号がセッション(1)、偶数番号がセッション(2)となります。

ポスター発表の後、「ポストポスターセッション」の時間を設けます。

ポストポスターセッションの司会は愛知大学の片岡邦好氏です。発表者同士が研究の関連性を話し合ったり、全体像をまとめたりといった話し合いの場にしたいと考えています。片岡氏や高梨克也氏を交え参加者全員で、ポスター発表で得たことや疑問について情報を共有し、インタラクティブな意見交換を行います。

(当日使用されたスライドの一部がこちらからご覧頂けます)

【書き起こし講習会について】※申し込みを締め切りました。

講師:鈴木亮子(慶應義塾大学)・横森大輔(九州大学)

趣旨:

近年、情報機器の発達を背景に、研究のために話しことばを収録することは極めて容易になりました。

その一方で、収録されたデータをどのように書き起こし、それをどう利用すべきかといったことについて体系的に学ぶことのできる機会は必ずしも多くありません。

この書き起こし講習会は、話しことばの研究に関心がありつつも、これまでに書き起こしに関するトレーニングの機会がなかった方々を対象に、話しことばデータの書き起こしと運用の基礎的な知識とスキルを身につけていただくために企画されました。

注意事項:

・ワークショップの性質上、参加可能人数に限りがあります。申し込みが15名を越えた場合、これまでの講習会に参加暦の無い方やご自分の研究にとって講習会の必要度が高いと思われる方を優先させていただきます。あらかじめご承知おきください。

・参加して頂くことになった方々には、簡単な【事前課題】に取り組んで頂きます。事前課題は、およそ2~5時間ほどの作業を要するものとして想定して準備しています。課題は8月下旬の指定した日までにしていただきます。更なる詳細は、参加対象の方に追ってお知らせいたします。

・当日は各自のノートPCを持参して、実際に作業をして頂きます(Win/Macともに可)。

問い合わせ先:<hanashikotoba2014@gmail.com>

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