SACDISOの対応

以前、lightMPDにmanisiutkin/mpg.gitで公開されているsacdiso,dvdaisoに対応したmpdをサポートしてほしいとの要望がありました。

当時はSACDISOファイルを入手する事ができなかったので保留にしてましたが、PENTATONEがSACDISO形式の配布を始めた為、lightMPDでも対応する事にしました。

SACDISOとは

SACDISOとはSACDのディスクイメージの事で特殊な装置がなければSACDからSACDISOイメージを取り出す事はできません。また、現在DSF,DIFFからSACDISOを作成するプログラムもありません。

従って、SACDISOの入手は非常に限られてます。

DVDAISOとは

DVDAISOはDVDAのディスクイメージの事でこれはDVDのリッピングソフトを使うと取り出す事ができます。

しかし、日本ではこれは違法となるようです。(詳しくないので、間違っているかもしれません)

CIRLINCA社のHD-Audio Solo Ultra(Free Trials版)等のようなソフトを使って24bit/96khzのwavからDVDAISO形式のファイルを作成する事はできます。

manisiutkin版mpd

SACDISO,DVDAISOファイルが取り扱えるmpdです。mpd.gitをベースに作成されてます。

現在、mpd.gitではmpd-0.20.xの開発が進められており、mpd-0.19.xとはmpd.conf等の記述に一部変更があります。

lightMPDでの対応

lightMPDではmanisiutkin版mpdにlightMPDでの拡張機能およびnative-dsdの機能を追加しました。

SACDISOの使い方

SACDISOデコーダーはデフォルトで無効になっています。SACDISOデコーダーを有効にする場合は以下のようにして下さい。

decoder {

plugin "sacdiso"

enabled "yes"

dstdec_threads "8"

edited_master "true"

lsbitfirst "false"

playable_area "stereo"

# playable_area "multichannel"

# tags_path

# tags_with_iso "yes"

}

ファイルの拡張子が"iso","dat"のファイルをsacdisoとして認識します。

SACDISOファイルには2CHとMultichannelのデータが共存出来るようです。

そのようなファイルの場合、mpdは2CHとMultichannelの2枚のディスクとして認識します。

どちらか一方だけでいい場合はplayable_areaで指定します。

DVDAISOの使い方

DVDAISOデコーダーはデフォルトで無効になっています。DVDAISOデコーダーを有効にする場合は以下のようにして下さい。

decoder {

plugin "dvdaiso"

enabled "yes"

# no_downmixes "yes"

# no_short_tracks "yes"

playable_area "stereo"

# playable_area "multichannel"

# tags_path

# tags_with_iso "yes"

}

SACDISOデコーダーをenabledにするとDVDAISOのスキャンに失敗します。DVDAISOを使う場合はsacdisoのenabledを"no"にして下さい。

現バージョンではSACDISOとDVDAISOは共存できません)

DVDAISOの場合artist名が全て"Artist"になってしまいます。また、トラック名はトラック番号になります。

0.19.xとの違い

mpd.confのsamplerate_converterに変わってresamplerというパラメータが増えてます。

samplerate_converterも使えますが、resamplerを使うとsoxrでopenmpの有効/無効の指定が出来るようになります。

soxrを使う場合は以下のように記述します。

resampler {

plugin "soxr"

quality "very high"

threads "0"

}

qualityには"high" , "medium" "low" "quick"が指定できます。

threadsに"0" を指定するとopenmpが有効になります。"0"以外の数字を指定するとopenmpは無効になります。

samplerate_converterを使う場合は"soxr ... openmp"の指定はエラーになります。

libsamplerate を使う場合

resampler {

plugin "libsamplerate"

type "Best Sinc Interpolator"

}

typeには"Meduim sinc Interpolator","Fastest Sinc Interpolator", "ZOHC Interpolator" , "Linear Sinc Interpolator", "Internal"が指定できます。

SACDISOファイルについて

pentatoneのSACDISOファイルは日本でSACDを買うより割高になりますが、テストをかねて以下のファイルを購入しました。

Sonatas for Violin and Piano by César Franck and Richard Strauss

ダウンロードに4時間ほどかかりました。どうもトラフィック制限をかけているようです。また、ダウンロード回数は3回に限定されているようです。

ダウンロードしたファイル(zip形式)にはisoファイルの他、mp3ファイル(zip)、ラインナーノーツ(pdf)、カバーアート(jpg)がアーカイブされてます。

SACDISOファイルには2CHとMultiChannelのデータが格納されてました。

当然2CHは再生できましたが、MultiChannelは環境がなくてテストできてません。

ライブラリも大きくなるにつれてファイルの数も膨大になって、管理が仕切れなくなっています。1アルバム/1ファイルのisoファイルに魅力を感じています。

cdからリッピングしたwav(16bit/44.1khz)を無理矢理dvdaisoに変換してみましたが、サンプリング周波数のハンドリングがうまくいきませんでした。

dvdaisoがもう少しまともになったら、全てのアルバムをdvdaisoにしてしまいたい所です。

dsfやdiffからsacdisoを作ってくれるソフトができるとSACDISOデコーダーが生きてくると思いますが、現状はまだ時期尚早かもしれません。

尚、sacdisoはscaretbookというソフトを使うとdsfやdiffに分解できます。

scaretbookについてはここが詳しいです。

ダウンロード

ダウンロードして出来たファイルをlightMPDをインストールしたSDメモリのlightMPDディレクトリにコピーし、lightmpd.confの[mpd] -> load_moduleでそのファイルを指定して下さい。

注意

  • beaglebone black,raspberry pi,cubox,alix3d2ではCPU能力不足の為、SACDISOファイルを再生できません。
  • raspberry pi2ではCPU能力不足の為、SACDISOファイルをDSD->PCM変換で再生できません。DoP,native dsdではテストできていませんが、同程度の能力であるcuboxi4では問題なく再生できています。