仲裁ADR法学会 第21回大会(2025年度)
Ⅰ 仲裁ADR法学会第21回大会
同大会は、2025年7月12日(土)10時30分から、早稲田大学を開催担当校として、対面を主、オンラインを副とする、ハイブリッド形式により開催された。
一 個別報告およびシンポジウム
1 個別報告
● 個別報告1(10時30分~11時20分)
報 告: 秦公正会員(中央大学)
テーマ: 「消費者ADR手続の実効性確保に関する一試論 ―事業者の手続応諾率の改善を目指して―」
司 会: 長谷部由起子会員(学習院大学)
● 個別報告2(13時30分~14時20分)
報 告: 越智幹仁会員(大阪経済大学)
テーマ: 「汚職・腐敗防止の取り組みと国際商事仲裁の役割」
司 会: 早川吉尚会員(立教大学)
2 シンポジウム(14時30分~18時00分)
テーマ:「仲裁法の新たな展開」
司会・取りまとめ役:山本和彦会員(中央大学)「企画趣旨」
報告者:青木哲会員(京都大学)「暫定保全措置命令に基づく強制執行と事情の変更による取消し等」
井上泰人会員(東北大学)「改正仲裁法による仲裁判断書等の訳文省略について」
金美紗会員(慶應義塾大学)「電子的仲裁判断の執行に関する将来的な検討課題」
コメンテーター:関戸麦会員(第二東京弁護士会)
二 総会 (11時20分~12時00分、13時20分〜13時30分)
1 議題(11時20分~11時40分、13時20分〜13時30分)
以下のとおり議事が行われた。
1 2024年度会計報告について
渡部美由紀会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2024年度会計報告がされた。続いて、渡部晃監事より、会計処理が適正であると認める旨の監査報告がされた。いずれも異議なく承認された。
2 理事交代について
山田文理事長より、異動・退任を理由に、以下の役員の交代が役員会で承認されたので、総会の承認を頂きたいとの提案があり、異議なく承認された。
前理事/坂本三郎理事
新理事/法務省大臣官房司法法制部部長・松井信憲理事
任期/前任者の残任期間
前理事/田中一彦理事
新理事/東京地方裁判所民事22部部総括・関根澄子理事
任期/前任者の残任期間
前理事/田口治美理事
新理事/東京家庭裁判所家事部所長代行・小池あゆみ理事
任期/前任者の残任期間
前理事/鈴木一永理事
新理事/日本弁理士会会長・北村修一郎理事
任期/前任者の残任期間
前理事/大野実理事
新理事/全国社会保険労務士会連合会会長・若林正清理事
任期/前任者の残任期間
前理事/常住豊理事
新理事/日本行政書士会連合会会長・宮本重則理事
任期/前任者の残任期間
3 学会誌『仲裁とADR』について
山田文理事長より、第20号が直近刊行されたこと、第21号については雑誌担当理事を中心に通常号として企画編集が進められていることの報告がされた。第21号に投稿を希望する会員は、学会ホームページ掲載の「投稿規程」に従い本年10月末日までに原稿を提出されたい旨が告知された。
4 次回仲裁ADR法学会大会について
山田文理事長より、次回大会(2026年度)については、2026年7月11日(土)に大阪大学にて開催を予定しており、シンポジウムのテーマについては、九州大学の入江秀晃会員を取りまとめ役とし、「調停者の倫理をめぐる現状と課題(仮)」をテーマとする予定であることが報告された。あわせて、同大会で個別報告を希望する会員は、本年9月末日までに事務局宛で申請されたい旨が告知された。
5 表彰事業について
山田文理事長より、公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)の学会賞(表彰関連規程2条1項2号関連)受賞が理事会で承認されたことが報告された。
選考委員につき、第7期役員の任期に応じた3年の任期が終了したため、第8期役員の任期に応じた2025年から2028年までの選考委員につき、表彰関係規程5条1項に基づき、新しい選考委員(下記)が選出され役員会で承認されたことが報告された。
出井直樹 (小島国際法律事務所) 弁護士
井上泰人 (東北大学) 教授
垣内秀介 (東京大学) 教授
笠井正俊 (京都大学) 教授
高杉 直 (同志社大学) 教授
高橋 裕 (神戸大学) 教授
田中圭子 ((一社)メディエーターズ) 代表理事
長田真理 (大阪大学) 教授
仁木恒夫 (大阪大学) 教授
西谷祐子 (京都大学) 教授
農端康輔 (神楽坂キーストーン法律事務所) 弁護士
芳賀雅顯 (慶應義塾大学) 教授
濱野 亮 (立教大学) 名誉教授
渡部美由紀(早稲田大学) 教授
6 第8期役員選出について
山田文理事長より、配付資料に基づき第8期役員候補者について、総会の承認を頂きたいとの提案があり、異議なく承認された。
7 新理事長の選任について
山田文理事長より、休憩時間中に行われた第8期役員による役員会において、高橋裕理事が新理事長に選任された旨の報告があり、異議なく承認された。
8 常務理事の指名について
高橋裕新理事長より、総務担当理事として佐成理事と垣内理事、雑誌担当理事として青木理事と仁木理事、大会担当理事として石田理事と川嶋理事、会計担当理事として高杉理事を常務理事に指名した旨の報告があり、異議なく承認された。
2 表彰式(11時40分~12時00分)
2025年度第3回表彰事業における表彰式が執り行われた。受賞者は以下のとおりである。
● 学会賞(表彰関連規程2条1項2号関連)
・ 公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)(https://fpic-fpic.jp/)
Ⅱ 仲裁とADR
学会誌『仲裁とADR』第20号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。
論 説
国際仲裁における利益相反に関するIBA ガイドライン
――2024年改正の考察 加藤新太郎・井上 葵 1
実務の潮流
面会交流支援の社会制度化に向けた認証制度の構築
――ACCSJの挑戦 高田恭子 10
東京地方裁判所民事第22部における民事調停の実務 関根澄子 18
ケース研究
大学におけるハラスメント事案へのより有効・適切な対応を考える
――「相談と調査の分離」と「調整」 北仲千里 25
ADRと親子交流支援の連携 古市理奈・阿部マリ・古川玲子 32
海外文献紹介
Choquette, Catherine(EDT)/Fraser,Véronique(EDT)Environmental Mediation :An International Survey(Routledge, 2017)220 p. 長島光一 41
Penelope McRedmond, Mediation and Justice(Routledge, 2024), 200pp.
渡邉和道 45
ADR 機関便り
京都弁護士会紛争解決センター 吉田 薫 49
改正ADR法を契機としたADR機関の進化
――Teuchi(テウチ)の取組みと未来展望 三澤 透 54
個別報告
ADRへの入口としての医療安全支援センターの役割 宮永文雄 58
対話型調停における法への言及 李 英 65
シンポジウム
「ADRとJustice」(ADR and Justice) 73
〔司会〕垣内秀介
〔パネリスト〕Nancy A.Welsh/ハム・ヨンジュ/Nadja Alexander/上田竹志
学会雑報 174
表彰事業 176
会 則 180