第14回仲裁ADR法学会大会実施報告
Ⅰ 第14回仲裁ADR法学会大会
第14回大会は、2018年7月14日(土)12:30~17:30、国士舘大学を開催校として、同大学世田谷キャンパス内メイプルセンチュリーホール1階大教室において開催された。
一 個別報告およびシンポジウム
1 個別報告(12:30~14:20)
(1) 高杉 直 会員(同志社大学)
「『京都国際調停センター』と調停人の育成」
(2) 吉岡 すずか 会員(桐蔭横浜大学)
「法テラス認知状況等調査からみた認知の深度・認知経路と困りごと解決行動の類型化-日米英の先行研究を踏まえて-」
2 シンポジウム(14:50~17:30)
「子の最善の利益保護とADR(家事調停)のあり方」
司 会: 本間靖規 会員(早稲田大学)、稲田龍樹 会員(弁護士、前学習院大学)
報告者: 長谷部由起子 会員(学習院大学)
林賢一 会員(家事調停委員、元家庭裁判所調査官)
池田清貴 会員(弁護士)
原田綾子 会員(名古屋大学)
コメント:若林昌子 会員(公益社団法人家庭問題情報センター 顧問)
二 総会議事
個別報告終了後、大会会場において総会が開催され、以下のとおり議事が行われた。
1 2017年度会計報告について
渡部美由紀会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2017年度会計報告がされた。続いて、出井直樹監事より、会計処理が適正であると認める旨の監査報告がされた。以上について、異議なく承認された。
2 役員の交代について
三木浩一理事長より、転任等の理由により、以下3名の役員の交代が役員会で承認されたので、総会の承認を頂きたいとの提案があった。
石栗正子理事に代わり、東京家庭裁判所家事部所長代行/青木晋会員を理事とする。
岸日出夫理事に代わり、東京地方裁判所民事22部部総括判事/古谷恭一郎会員を理事とする。
大村雅彦監事に代わり、広島大学/田邊誠会員を監事とする。
以上について、いずれも異議なく承認された。
3 学会誌『仲裁とADR』について
三木浩一理事長より、第13号が5月に刊行され各会員に送付されたこと、第14号については雑誌担当理事を中心に企画編集が進められていることの報告がされた。第14 号に投稿を希望する会員は、学会誌末尾の「投稿規程」に従い本年10月末日までに原稿を提出されたい旨が告知された。
以上について、異議なく承認された。
4 第15回仲裁ADR法学会大会について
三木浩一理事長より、次回大会(2019年度)については、2019年7月13日に首都大学東京(晴海キャンパス)にて開催を予定しており、シンポジウムのテーマは(仮題)「交通事故紛争ADRの現代的意義」であることが報告された。
以上について、異議なく承認された。
Ⅱ 仲裁とADR
2017年月5月31日、学会誌『仲裁とADR』第13号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。
【論説】
片面拘束型ADRの意義と課題____________________________山本和彦
相談・情報提供の独自の意義と紛争解決制度―民間型ADRの利用促進に向けての考察___福井康太
【実務の潮流】
超高齢化社会における介護・福祉紛争へのADRの活用___________ 児玉安司・工藤陽一郎
実用化フェーズに入るODR(Online Dispute Resolution)______________万代栄一郎
【ケース研究】
自治会トラブルの解決支援事例___________________________山田栄一郎
継続的人間関係のある紛争におけるADRの活用____________________森倫洋
【海外文献紹介】
Susan Blake, Julie Browne and Stuart Sime, The Jackson ADR Handbook (2nd edn, Oxford University Press, 2016) xli+320__________________________ 川嶋隆憲
Andrea Braun, Die vorinsolvenzliche Sanierung von Unternehmen: Ein Vorschlag fur ein neues Restrukturierungsverfahren unter Berucksichtigung der englischen Arrangements(Nomos, 2015), 336 pp. _______ 河野憲一郎
【ADR機関便り】
生命保険ADRの現状と課題_____________________________酒巻宏明
公益財団法人日弁連交通事故相談センターの示談あっ旋________________小林覚
【個別報告】
民事訴訟とADRの目的論について__________________________上田竹志
紛争解決過程における専門知―医療ADRを例に____________________渡辺千原
【シンポジウム】
環境ADR―その意義と可能性
〔司会〕高橋裕 〔報告者〕小沼日加利、太田秀夫、大澤恒夫、越智敏裕