第13回仲裁ADR法学会大会実施報告
Ⅰ 第13回仲裁ADR法学会大会
第13回大会は、2017年7月8日(土)12:30~17:30、大阪大学を開催校として、同大学豊中キャンパス大阪大学会館2階講堂において開催された。
一 個別報告およびシンポジウム
1 個別報告(12:30~14:20)
(1) 上田竹志 会員(九州大学)
「民事訴訟とADRの目的論について」
(2) 渡辺千原 会員(立命館大学)
「紛争解決過程における専門知―医療ADRを例に―」
2 シンポジウム(14:50~17:30)
「環境ADR―その意義と可能性―」
司 会: 高橋裕 会員(神戸大学)
報告者: 小沼日加利 会員(公害等調整委員会事務局審査官)
太田秀夫 会員(弁護士、中央大学)
大澤恒夫 会員(弁護士、桐蔭横浜大学)
越智敏裕 会員(上智大学)
二 総会議事
個別報告終了後、大会会場において総会が開催され、以下のとおり議事が行われた。
1 2016年度会計報告について
青戸照太郎会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2016年度会計報告がされた。続いて、大村雅彦監事より、会計処理が適正であると認める旨の監査報告がされた。いずれも異議なく承認された。
2 理事の交代について
三木浩一理事長より、理事の転任や所属団体における代表者や担当者の交代に伴い、以下5名の理事の交代が役員会で承認されたので、総会の承認を頂きたい旨の提案があった。
青山理恵子理事に代わり、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事/有山雅子(ありやままさこ)氏を理事とする。
伊丹勝理事に代わり、日本弁理士会会長/渡邉敬介(わたなべけいすけ)氏を理事とする。
齋藤繁道理事に代わり、東京地方裁判所民事22部部総括判事/岸日出夫(きしひでお)氏を理事とする。
林千年理事に代わり、日本土地家屋調査士会連合会会長/岡田潤一郎(おかだじゅんいちろう)氏を理事とする。
三河尻和夫理事に代わり、日本司法書士会連合会会長/今川嘉典(いまがわよしのり)氏を理事とする。新理事の任期は、いずれも前任者の残任期間とする。
以上について、いずれも異議なく承認された。
3 学会誌『仲裁とADR』について
三木浩一理事長より、第12号が5月に刊行され各会員に送付されたこと、第13号については雑誌担当理事を中心に企画編集が進められていることが報告され、いずれも異議なく承認された。第13 号に投稿を希望する会員は、学会誌末尾の「投稿規程」に従い本年10月末日までに原稿を提出されたい旨が告知された。
4 第14回仲裁ADR法学会大会について
三木浩一理事長より、次回大会(2018年度)については、2018年7月14日に国士舘大学にて開催を予定しており、シンポジウムのテーマは(仮題)「子の最善の利益保護とADRのあり方―面会交流を中心に―」であることが報告され、異議なく承認された。
Ⅱ 仲裁とADR
2017年月5月31日、学会誌『仲裁とADR』第12号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。
【論説】
ADRの現状打開と新たな理念の確立_____________草野芳郎
ADRに対する手続き的公正の社会心理学からの示唆______菅原郁夫
【実務の潮流】
利用者調査からみたADRへの期待とADRにおける弁護士の役割_前田智彦
熊本県弁護士会震災ADRをめぐって_____________入江秀晃
【ケース研究】
海運集会所における仲裁の現状_______________青戸照太郎
日本スポーツ仲裁機構の現在地と今後の課題_________杉山翔一
【海外文献紹介】
Nancy H Rogers, Robert C. Bordone, Frank E.A. Sander, Craig A. McEwen eds., Designing Systems and Processes for Managing Disputes (Aspen Publishers, 2013) ―米国の「紛争解決システム設計」の動向とあわせて____________________________________齋藤宙治
Wayne D. Brazil, Early Neutral Evaluation (American Bar Association, 2012) xii +218pp.__濱田陽子
【ADR機関便り】
そんぽADRセンターの業務___________________佐々木修
仙台弁護士会ADRセンター ―これまでの10年、これからの10年__ 大林弘典
【個別報告】
紛争解決における社会的公正の心理学―手続的公正を中心に_______今在慶一朗
ハーグ子奪取条約事案における和解あっせん手続―ADR機関の模索と展望 黒田愛
【シンポジウム】
仲裁関係者の行為規範と適正行為―裁判外紛争解決におけるソフトローの意義
〔司会〕三木浩一 〔報告者〕武藤佳昭、松元俊夫、弘中聡浩
【紹介】
インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティション_____野村美明