第16回仲裁ADR法学会大会実施報告

Ⅰ 第16回仲裁ADR法学会大会

第16回大会は、2020年7月11日(土)12:30~17:30、九州大学を開催担当校として、オンライン(Zoom)により開催された。

一 個別報告およびシンポジウム

1 個別報告(12:30~14:20)

(1) 工藤 敏隆 会員(慶応義塾大学)

テーマ: 「金融ADR機関の業態横断的統合への可能性」

司 会: 我妻 学 会員(東京都立大学)

(2) 前田 智彦 会員(名城大学)

テーマ: 「金融 ADR における紛争処理の統計的分析」

司 会: 高橋 裕 会員(神戸大学)

2 シンポジウム(15:10~17:30)

テーマ: 「ADRにおける代理人の職務上の倫理について」

司 会: 石田 京子 会員(早稲田大学)

報告者: 林 圭介 会員(学習院大学)

山﨑 雄一郎 会員(弁護士)

齋藤 宙治 会員(東京大学)

二 総会議事

個別報告終了後、総会が開催され、以下のとおり議事が行われた。

1 2019年度会計報告について

勅使川原和彦会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2019年度会計報告がされた。続いて、田邊誠監事より、会計処理が適正であると認める旨の監査報告がされた。

2 役員の交代について

山本和彦理事長より、退任等の理由により、以下3名の役員の交代が役員会で承認されたので、総会の承認を頂きたいとの提案があった。

(前理事)青木 宏道

(新理事)板東 一彦(一般社団法人日本商事仲裁協会)

交代の理由 :退任

新理事の任期:前任者の残任期間

(前理事)小出 邦夫

(新理事)金子 修(法務省)

交代の理由 :転任

新理事の任期:前任者の残任期間

(前理事)水野 有子

(新理事)千葉 和則(東京家庭裁判所判事)

交代の理由 :転任

新理事の任期:前任者の残任期間

以上について、いずれも異議なく承認された。

3 学会誌『仲裁とADR』について

山本和彦理事長より、第15号が5月に刊行され各会員に送付されたこと、第16号については雑誌担当理事を中心に企画編集が進められていることの報告がされた。第16号に投稿を希望する会員は、学会ホームページ掲載の「投稿規程」に従い本年10月末日までに原稿を提出されたい旨が告知された。

4 第17回仲裁ADR法学会大会について

山本和彦理事長より、次回大会(2021年度)については、2021年7月10日(土)に中央大学にて開催を予定しており、シンポジウムのテーマについては、大会担当理事において現在検討中であることが報告された。

Ⅱ 仲裁とADR

学会誌『仲裁とADR』第15号の掲載内容は以下のとおりである。

【論説】

戦後日本の法社会学研究における――〈調停〉への視角

山田恵子

【実務の潮流】

国際仲裁に関するわが国の新たな政策と日本国際紛争解決センター

早川吉尚

第二東京弁護士会仲裁センターの現状と課題

農端康輔

【ケース研究】

対話による医療紛争の解決を目指して

――東京三弁護士会医療ADR の現状

松井菜採

国民生活センター紛争解決委員会における仲裁

町村泰貴

【海外文献紹介】

María del Mar Aranda Jurado (dir.)

La Mediaciónen el Sistema JurídicoEspañol -Análisis y NuevasPropuestas

Tirant lo Blanch, 2018, 396 pp.

荻村慎一郎

Janet K. Martinez et al., Dispute System Design:preventing, managing,

and resolving conflict(Stanford University Press, 2020), pp.592.

渡邊真由

【ADR 機関便り】

交通事故紛争処理センターの業務

竹内淳博

全銀協ADR の手続と現状

西村寿一

【個別報告】

スポーツ仲裁の現状と課題

――仲裁機関として果たすべき役割

石原遥平

“医療メディエーション”の意義――コンフリクト・マネジメント

中西淑美

【シンポジウム】

交通事故ADR の現代的意義

〔司会〕中山幸二〔報告者〕古笛恵子・竹井直樹・八田卓也