第12回仲裁ADR法学会大会実施報告

第12回大会は、2016年7月9日(土)12:30~17:45、東洋大学を開催校として、白山キャンパス1号館2階1202教室において開催された。

Ⅰ 第12回仲裁ADR法学会大会

一 個別報告およびシンポジウム

1 個別報告 (12:30~14:20)

(1) 「紛争解決における社会的公正の心理学:手続的公正を中心に」 今在 慶一朗 会員(北海道教育大学函館校)

(2) 「ハーグ子奪取条約事案における和解あっせん手続―ADR機関の模索と展望―」 黒田 愛 会員(大阪弁護士会)

2 シンポジウム (15:10~17:45)

「仲裁関係者の行為規範と適正行為——裁判外紛争解決におけるソフトローの意義―」

司 会 三木 浩一 会員(慶應義塾大学)

報告者 弘中 聡浩 会員(西村あさひ法律事務所 弁護士)

松元 俊夫 会員(日本海運集会所元専務理事)

武藤 佳昭 会員(ベーカー&マッケンジー法律事務所 弁護士)

二 総会議事

個別報告終了後、1202教室において総会が開催され、以下の議事が上程された。

(1)2015年度会計報告について

大澤恒夫・会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2015年度収支決算報告がなされた。続いて、伊藤眞監事より収支決算報告が適正であると認める旨の監査報告がされた。いずれも異議なく承認された。

(2)理事の新任について

草野芳郎理事長より、理事の転任、会長職の変更に伴い、2名の理事の交代について、森邦明理事に代わり、東京家庭裁判所判事石栗正子氏を理事(石栗氏の任期は森理事の残任期間)とすること、松川忠晴理事に代わり、証券・金融商品あっせん相談センター専務理事青木一郎氏を理事(青木氏の任期は松川理事の残任期間)とすることが、役員会にて了承された旨を述べ、異議なく承認された。

(3)学会誌について

草野理事長より、学会誌『仲裁とADR』第11号が2016年5月26日に刊行され、各会員に宛てて郵送された旨の報告がなされた。

また、第12号の内容については、雑誌担当理事を中心に企画編集を進めているとの報告がなされ、異議なく了承された。

(4)第13回仲裁ADR法学会大会について

草野理事長より、次回大会(2017年度)については、2017年7月8日に大阪大学を開催校とすること、シンポジウムのテーマは「環境紛争とADR(仮題)」であることが報告され、異議なく了承された。

(5)第5期役員の選出

草野理事長より、現在の第4期役員の任期は本日の大会の終了をもって満了することに伴い第5期役員の選任が必要となり、第5期役員の選出を提案し、理事39名、監事2名の選任は異議なく承認された。

(6)新理事長の選任について

草野理事長より、休憩時間中に行われた新理事会において、会則8条に基づき新理事長として三木浩一理事が選任された旨の報告があり、了承された。

(7)常務理事の選出について

三木新理事長より、会則8条に基づき、新理事会において、総務担当理事として大澤恒夫理事、山本和彦理事、雑誌担当理事として垣内秀介理事、高橋裕理事、大会担当理事として山田文理事、我妻学理事、会計担当理事として青戸昭太郎理事、渡部美由紀理事の8名の理事を常務理事として選任された旨の報告があり、了承された。

*大会終了後、東洋大学白山キャンパス2号館16階スカイホールにおいて懇親会が開催され、多数の参加を得た。

Ⅱ 仲裁とADR

2016年5月26日、学会誌『仲裁とADR』第11号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。

【論 説】

_ADRをめぐるドイツの近況_____________垣内秀介

_ハーグ子奪取条約の実施に伴う国際家事メディエーションの現状と課題

__________________________渡辺惺之・長田真里

【実務の潮流】

日本のADRの現状――弁護士会ADRの周辺______渡部晃

遺産分割におけるハーモニアス・ネゴシエーション(調和型交渉)の課題

__奈良輝久

【ケース研究】

国民生活センター紛争解決委員会の概要とその特質及び課題

_________________________松本恒雄・井口尚志

東京都建設工事紛争審査会の活動実績について___滝澤信之

【海外文献紹介】

Heiner Kahlert, Vertraulichkeit im Schiedsverfahren (Mohr Siebeck, 2015) ⅹⅵ, pp. 438 _________________________芳賀雅顯

Susan Nauss Exon, Advanced Guide for Mediators (Matthew Bender, 2014) xxvi, 469p _________________________田村陽子

Natalie FRICERO, Charlotte BUTRUILLE-CARDEW, Linda BENRAÏS, Béatrice GORCHS-GELZER et Guillaume PAYAN, Le guide des modes amiables de résolution des différends (MARD) , Dalloz, 2e éd., 2015, 698 pages

_________________________大濱しのぶ

【ADR機関便り】

「ソフトウェア紛争解決センター」が提供するADR__平澤高美

「行政書士ADRセンター東京」の現状と課題_____綾崇・中尾美絵子

【個別報告】

紛争解決の第一段階(一応の解決)と第二段階(真の解決)____________ 廣田尚久

専門家社会におけるコミュニケーションの位相――ADRが魅力的選択となることを阻害するもの _石崎雅人

【シンポジウム】

事業再生のツールとしての倒産ADR――挑戦するADR

〔司会〕中島弘雅 〔報告者〕富永浩明・加藤寛史・濱田芳貴

〔コメンテーター〕山本和彦