支配人の四方山話

MOVIE-tonbori堂支配人の四方山話

MOVIE-tonbori堂支配人のtonbori堂が映画についてとりとめなく話しているコーナーです。

Vol.4

スルーしそうなといいながら『ミスティックリバー』は今日最終回でなんとか鑑賞出来ました。今ちょっと考察中なんで感想は後日にアップ予定です。で今日はアクション映画といえばなくてはならない小道具、ガン、拳銃、ピストル、ライフル、小火器について少しお話したいと思います。支配人はガンマニアで今は昔ほどでないにせよ往時のコレクションが10数丁残ってます😅なんかこーかくと今巷を騒がせているあの事みたいだけど(これについては私声妄語で)どの映画でどうこうってのは記憶があやふやなんでご勘弁ください。


連続UPなんですがまーアクション映画といえばガンアクションですわね(笑)ここでも取り上げた「リベリオン」は去年見たガンアクションでは印象的。なんせGUN-KATAですから(爆)一方的にまで強いってのはある意味反則に近いけどあそこまでやられたら降参です。冷静に見れば主演のクリスチャン・ベールは発火のシーンで瞬きしているんだけどそのアクションが奇天烈かつ凄いので細かい事はいいっこ無しでという気にさせてくれます(笑)使っているのはベレッタを改造したクラリック専用ハンドガン。9ミリのベレッタは米軍制式採用の拳銃ですがリチャード・ドナー監督の「リーサル・ウェポン」シリーズ以降ハリウッドの主流になって猫も杓子もベレッタという時がありましたが現在ではその部品の大半を強化ポリマー樹脂で作られた拳銃グロック17が主流のようです。正月の「バッドボーイズ2BAD」でもそうでした。主人公コンビの一人ウィル・スミスが使っているのがフレームがシルバーの目立つグロックでしたし。でも一番この拳銃が似合うのはトミー・リー・ジョーンズでしょう。彼は「逃亡者」でハリソンくん扮するキンブル医師を追い詰めた際に彼に拳銃を奪われてしまいますがバックアップにもう一丁グロックを隠し持っていたしその後のスピンオフ作品「追跡者」ではロバート・J・ダウニーくんに彼のシルバーのシグ(スイスの拳銃でこれも最近のハリウッドではよく使われています)を見て「グロックにしろ」とのたまうぐらいですから(笑)どっちかというとプロのツールを感じさせてくれますグロックですが発表された当時は玩具あつかいやらその材質のおかげでテロリストの武器(空港の金属探知機ひっかからないとか言う噂が流れたが実際にはそんなことはないらしいちなみに「ダイハード2」でもマクレーン刑事がそういうセリフを言う)と言われていましたが今やハリウッドアクションでは欠かせない小道具の一つになりました。シュワルツェネッガーの作品なら「ターミネーター」のガバメントコピーのハードボウラー、レーザーサイト付きとか「レッドブル」のポドビリン(完全創作の拳銃でデザートイーグルという強力なセミオートマチック拳銃を改造して作り上げられた)が思い出されます。まぁ今回は手始めにこんなところで。

Vol.5

小火器の話はまたするつもりだけど、今回は日本アカデミー賞授賞式を見てちょっと思った二、三の事柄を徒然と書いてみます。


実は前回の拳銃話はもっとつっこみたかったけどどうもうまくつながらず次回にもちこしネタも多数なんだけど今回はアカデミー賞ネタをいってみます。ほとんどこーゆう賞をとったからどうとかというのはあまり興味のある人ではないので「アカデミー賞に輝く・・・」とか日本なら「日本アカデミー賞を獲っただれそれ出演」っていうのは興味が無く、だいたい三国連太郎さんが出ている映画をそれで観る人もいないんで日本アカデミー賞ってのはほんと活動屋さんたちへの功績をたたえるもんだなーと思ってます。ただし昔ある映画の主演女優さん(本業は歌手)の映画が確かに評価も高かったけどどうも組織票で受賞したんでは?ということもあってオイオイと思ったこともありましたが今回日本一の斬られ役で「ラスト・サムライ」にも出演の福本清三さんが功労賞を受けていたのを見てそれは間違いないなと思ったのが一つ。それと作品の出来と演出の冴えというものは別の評価を受けることが多いのは洋の東西をとわずあるんやなということ。監督賞と作品賞、主演助演の各男優女優がそうなめって言うのは一つの映画賞ではあったとしてもどれかではそうはならないという事もあるんだということ。今回の日本アカデミー賞は殆ど予想どおりだったけど(助演女優が深津ちゃんだったのは意外だったてっきり八千草さんと思ってた)本家アカデミーももうすぐ授賞式で下馬評ではロード・オブ・ザ・リング「王の帰還」がダントツだが個人的にはイーストウッドの監督賞の目はあると思っている。それとともに主演男優にロード・オブ・ザ・リングの出演者があがっていないのはこの映画の主役はフロドだけでなくアラゴルン、ガンダルフ達もそうだからでフロドのよき友で従者のサムワイズもだから決められないからだろう。主演俳優というのはどんな場面でもその存在を強烈に観客に与えなければならないから。そういう意味ではショーン・ペンあたりだろうと考えている。そして助演の渡辺謙は難しいだろう。もちろん作品も良かったし彼の演技も素晴らしいが対抗がミスティックのティム・ロビンスというのがキツイと思う。それにベニチオやらなんやら他も有力だしね。女優賞の方は作品がまだ未公開やら未見なんでなんとも言えないがシャーリズ・セロンがノミネートというのは注目。彼女これまで結構不憫な歴史を背負っているからここらで箔をつけてあげたいのだが。とあれこれ予想もしたがアカデミーを獲ったからといってその映画がかならずしも面白いとは限らない。まぁラジー賞(アカデミーの前日に発表される最低映画の賞で正式名称はゴールデンラズベリー賞、スタローンは常連である(^^;)の映画の方が面白かったり(殆どはマジで駄作だったりもするが)することだってあるのだ。もちろん賞を獲るだけの力量と演技を披露したり作品の完成度が高かったりも当然あるがそれだけでは無いということは映画ファンが一番良く知っている。何故ならアカデミー賞を獲らない映画でも面白い映画であれば皆が観にいくし後々まで語られるからだ。ただ向こうのアカデミー賞はそれでも特別で過去名作と呼ばれた映画でちゃんと獲っているものもある。だからこその本家アカデミー賞なのだろう。本家アカデミーは今月29日発表となる。

Vol.6

ゴジラ生誕50周年でファイナルだとか・・・・。でも世間の皆様はゴジラといえば『ヤンキースの松井秀喜』なんだとか😅(ネットサーフで見かけたのにそーゆう文がありました)実際私もモニターの前でそうだよなとうなずきましたとさ(爆)もっと今回はそのファイナルを飾る?北村龍平監督について。とにかくメジャー長編「あずみ」がコケ&酷評だったのも記憶に新しいかもしれないけれど少なくとも「VERSUS」の時は大型新人とか皆持ち上げてたよなーとも。そんな辺りに思った事を。


と、その前にアカデミー賞は波乱も無くサプライズもなく下馬評どおりに決まったけれど「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」11冠は「ベン・ハー」「タイタニック」に並ぶ快挙だそうで。で監督のピータージャクソン氏彼がこの映画を撮る前はスプラッターホラー映画を撮っていたのは有名な話。そんでもって前から映画化したいと思っていたトールキンの「指輪物語」の映画化権を買い取り映画にしたのだがそれまで名だたる監督たちがあきらめたという世界でもよく知られた古典中の古典ファンタジーをそれまでホラー映画の監督しかしていない男がここまでにぶちかましたのは快挙と言っていいだろう。しかし皆に問う、彼のロード・オブ・ザ・リングの前の作品を言えますか?私は言えませんでした(^^;映画好きでもこんなもんである。多分相当な映画ファンかマニア、雑誌でも「映画秘宝」とかを読んでいる者じゃないと知らないんじゃないか?(実際にはぐぐれば解ることだけど)そんなジャクソンだけどこんだけの映画をきっちり作る才能をちゃんと青田買いしていたハリウッドのスタジオには恐れ入る。が、彼らはけっこうスカも買っているかもしれない。タイでNo.1興行収入をあげたカオスが監督した「バリスティック」はB級アクション映画だがC級として扱われた。ウォシャウスキー兄弟は「マトリックス」の前「バウンド」というサスペンス映画で高評を得て「マトリックス」でブレイク。しかし「レボリューションズ」でくそみそにこれまた酷評。じゃなんでジャクソンは11冠を得たか?答えは簡単。「指輪物語」を忠実かつ自分のビジョンで撮りあげたから。実はビジョンも大事だがこの忠実ってのがキーになっている。今まで沢山のものが挫折したのは忠実に撮れないとさじをなげたからで多分他のものが潤色を加えたり改変すればこうにはならなかった。だからこそ彼は撮りきることが出来たのだ。

とかなり横道にそれたが北村龍平監督「VERSUS」はインディーズでの手法で作られた熱気あふれる映画だ。もちろん粗はそこかしこに見受けられる。演技陣も脇はともかく主役がほんとうに素人。しかしラストに近づくにつれいい表情をするのもインディーズの法則にのっとっている。アイデアも面白いしなにより2時間(!)の長丁場を一気に駆け抜けるのも常識はずれだ。力量うんぬんよりも彼自身のポテンシャルが炸裂したかっこうである。彼が注目されるきっかけになった映画「ダウン・トゥ・ヘル」はインディーズ・フィルムフェスティバルで第1回GPを獲得したのだがその時となんら変わっていない。ある意味驚異的でもある。実際「VERSUS」はそれだけのエネルギーを持っていた。そしてメジャー映画「あずみ」への登板となるわけだがココで主演上戸彩の演技と彼女の仲間の刺客達の演技、演出、上映時間などなどが酷評され(実際2時間18分って言う上映時間は映画館側にとっては長い2時間以内の映画が一番喜ばれる。何故なら回転率があがるから)続く「ALIVE」「スカイハイ」も酷評された。しかし彼は一貫として戦う映画を撮り続けそして今また「ゴジラ」の最後の戦いを撮る。私自身は北村龍平という才能は異才だと思っているし「あずみ」「ALIVE」を見た後でもそれは変わっていない。実際「ALIVE」は一昨年の完成で公開に間が開かなければ一定の評価は得られたはずだと思う。最もネロスの扱いは難しいトコだけど私は最後のアクションをつけるためのスパイスとして面白かったと思うしVERSUSからの流れで考えるとすんなり入ってくる。実はココが曲者でこれが単館ロードショウで順次公開されて翌年「あずみ」なら絶対評価も変わったはずだが実際には「あずみ」「ALIVE」「荒神」「スカイハイ」と立て続けに公開されたため一般的には同じ事を繰り返している人にしか写らなかった。しかし大体他の映画監督だって極論すれば同じ作風で作りこんで観客に作品を問うているのだからこれはこれで正解ともいえるがいくらなんでも4本はもうけっこうになるのが普通の観客の心情だろう。そのぐらいで彼の情熱や反骨精神が崩れるとは思わないがいくら「俺が世界一」と思っていてもそれを観客が認めなければダメなんである。今年公開の「イノセンス」押井守監督は今までカルトでマイナーなイメージがある人だが今回はジブリの鈴木Pを迎えた。実は私これには意外だった。鈴木敏夫氏と押井監督の繋がりは古く、鈴木Pがアニメージュという徳間の雑誌編集に携わっていた頃からの仲。しかしこれまで彼がプロデュースした押井作品は「天使のたまご」一本のみ。しかし今回はジブリの立役者で宮崎監督をメジャーに押しあげた彼が再び組んだことにより宣伝戦略とかも今までと違う。多分(これは想像だが)前作「攻殻機動隊」よりも興行収入は上がるだろう。北村監督のいう回収って言葉が糞だってのはよく解るが回収できない作品を作り続けても結局はチミノようになって過去の人となるのは勿体無い。良いプロデューサーと脚本家(土台になる話、シノプシス作家。別に細部の演出を含めて脚色は北村監督がしてもいいが絶対に土台はうまい人、有名無名を問わず)がいれば彼は面白い作品を撮れる監督だと思う。しかし今のままではゴジラファイナルに関して期待は持てない。だがそれを裏切って欲しいと思う最初のパッションと反骨精神で。いい意味でほんとうに裏切って欲しいが次が私にとっての正念場である。北村龍平という個性をどう見るのかということについて。