UFO理論(1)
UFO理論(1)
私は科学者でもUFO研究家でもありません。時々森林公園を散策することがあります。そこの広場で私のように定年退職者らしき人のグループが紙飛行機を飛ばして遊んでいるのを見かけます。私は紙飛行機よりフライトシュミレーションに興味があります。ウエブサイトで適当なソフトがないか探しているうちに、横道にそれて、ジャーマンUFOのサイトに出会いました。
円盤型UFOは謎の飛行物体と同義語になっています。高度な文明と科学技術をもった宇宙人の乗り物と言われています。世界中から目撃情報があり、写真もあります。目撃写真の多くは合成写真、トリックと思われますが中には本当のものがあるそうです。それらは宇宙人のものと相場が決まっていますが、地球人のものもあるかも知れません。未知のエネルギーで空を飛ぶと言われているUFOの飛行原理を現代物理科学で説明できないか推理しました。
インターネットでGerman UFO (カタカナ不可)を検索すると数多くのウエブサイトがヒットします。十字の紋様が描かれたさまざまなドイツ製UFOの写真、イラスト、ビデオ、設計図が見られます。これだけ多くの資料を何の根拠もなしで捏造することは不可能と思います、しかも1人の狂信的な人物のサイトだけならともかく、多くのサイトがあります。ドイツ製UFOは70年前ドイツの空を飛んでいたと思われます。
戦後米国はドイツの科学者、技術者を米国へ連れて行きUFOの開発に従事させ、現在もエリア51でUFOの開発実験が継続されていると言われています。
数十年前にある発明家の記事を読んだことがあります。イラストと写真があり、機内の壁に沿って大きなコイルがありました、発明家はこれで空を飛べると言っていましたが、成功したという話は聞いたことがありません。ドイツ製UFOの設計図のように機体を製作しても空を飛べないでしょう。何か肝心なものが足りない、それはコロンブスの卵のようなことかもしれません。
プラズマという用語は1928年に名前がつけられました。ドイツ製UFOの説明にはプラズマの用語はなく、未知のエネルギーを推進力に使うとなっています。UFOとプラズマを結びつける考えは昔からあります。ある一面、的を得ています。しかしプラズマは神秘的であり、UFOの揚力を発生させる反重力物質であると考えると科学から外れます。UFOプラズマ説、UFO球雷説があります。これらは観察者が自然現象をUFOと誤認した事例であるとその科学者は主張しています。もちろんそういうこともありますが、円盤型UFOの写真を眺めているだけでは、信ずるか信じないかの問題になります。著名な科学者の多くは名声に傷が付くのでUFOの存在を否定します。そして思考停止になり、科学的探究はしません。プラズマは不可解なものから、現在では電子機器への応用、実用化へと著しく進歩しています
ドイツ式UFOの設計図と電気回路図を掲載したサイトがあります。German UFO(カタカナ不可)を検索すると見つかります。
その設計図に、機体の中央付近、2本の矢印が右方向と左方向へ、機体を取り囲むように底から頂点、頂点から底に向かって矢印、そして機内6箇所に大きなコイルがあります。当時の技術は超伝導もリニアーモーターもないから電磁石と電磁力線でないかと推測されます。発電機はレシプロエンジン、後期にジエットエンジンに改良と説明されています。磁石で空を飛ぶとは、ガリバー旅行記のラピュタを彷彿させます。
電気回路図から推理すると6個の電磁コイルに超高電圧を供給し、強電磁界を発生させ、強力な磁力線で囲まれた空間にプラズマを発生させるのでしょう。大槻教授によって実証された理論によると、強電磁力線を照射された物質(空気も含む)はその分子がばらばらになり、プラズマ化します、電子レンジの中ではプラズマ化に近いことが起きています、皿に載せる物質によってはプラズマを作り出せます。電磁波の干渉でプラズマが発生することはソ連のカピッツァ博士が1955年に提唱していました。ドイツ製円盤型航空機は1945年より前に開発されています。マイクロ波でプラズマを発生させることを当時の技術者がなぜ知っていたか謎です。
回路図に電源トランスがあるから交流電気で稼動させると思いましたが、電磁石にはN,Sと磁極が表示されています。設計図をよく見ると整流器があります。直流から超高電圧を得るために、電流を断続し、イグニションコイルの2次コイルに超高電圧を発生させます。図では6個それぞれの電磁コイルがイグニションコイルを兼ねていると思われます。整流器の横にあるパーツが直流電流を断続するディストリビューターでしょう。本来は電流を自動車エンジン各シリンダーの点火プラグに分配するものですが、この場合は電流を高速細切れにするだけに使用します。ウエブサイトにその写真があります。現代の自動車は機械式でなくコンピューター制御です。
2個のコンデンサーは、電磁コイルと組になって、共振回路を形成し、電磁コイルにサージ電圧(瞬間超高電圧)を発生させます。コンデンサーがなくても超高電圧を発生させることができますが、設計図は改良されたコンデンサーを用いる方法です。この方法は供給電圧の影響を受けず、より効率的に超高電圧を発生させます。コンデンサーは直流電流を通しませんが、電気を蓄えます。断続瞬間電気をコンデンサーに蓄え、電磁コイルに放電します。この方式は現代でも自動車エンジンやコンピューター制御でない農業機械に採用されています。
電磁コイルの間にあるスイッチは電磁コイル全体の出力を変えるものです。離陸時の待機用か、着陸降下用と思われます。設計図に右、左と表示された抵抗器があります、これは可変抵抗器と思われ左右の電磁コイルの出力を調整します。機体の進行方向を操作する装置と考えられます。
超高電圧は回りくどいことをしなくても、電源トランスから取り出せます、しかし超高電圧に耐えられる整流器はありません。もしあったにしても、送電経路の絶縁は非常に困難です、伝送損失も大きく、電磁コイルに十分な超高電圧を供給できません
さらに直流を断続するにはシステムにとって重大な意味があります、このことによってイグニションコイルは強電磁石になるだけでなく、電子レンジのマグネトロンのように電磁波を放射します。
コンセントからプラグを抜いたとき火花が出ます。このとき同時に、多くの周波数を含んだ電磁波が発生します、回路図ではディストリビューターがその働きをします。コンデンサーとコイルで共振回路が形成されており、共振する高周波が2次コイルに増幅され、電磁波が出力されます。
昔FM放送が開始された頃、HiFi音楽番組が聴けると喜んだものですが、家の前を走るジーゼルトラックの点火プラグノイズが放送に混入して悩まされました。中波、短波に影響はないが超短波のFM放送は影響を受けたことを覚えています。(現代の自動車は防止策が施されています。)
点火プラグ用イグニションコイルの設計者は最も効率的に電力を点火プラグに供給するために設計したと思います、たまたまイグニションコイルの共振周波数がFM放送帯域だったのでしょう。プラズマ生成にはFM放送帯よりもっと高い周波数のマイクロ波が適しています。
ドイツ式UFO開発の時代は電波と言えば長波のことで、短波、マイクロ波は概念もなかった、まして周波数測定器もなかったので、はたして何MHzの電波が出力されていたか分かりません。当時の技術者はコイルから電磁波が放射されている認識もなかったかと疑います。あるいは宇宙の神秘的なエネルギーが発生していると思っている人がいたかも知れません。
イグニションコイルを空心コイルにし、可変コンデンサーを加え、長波帯に同調させてアンテナを繋いだものが、タイタニック号の時代に活躍した火花送信機です。電気火花はオールマイティな発振器です。しかしこの方式は周波数の占有幅があまりにも広くなるので、現代の通信機には使われていません。
ちなみにマイクロ波を発生するものにマグネトロンがあります。 米国で発明され、レーダー用に日本で開発された永久磁石で制御された真空管です。トランジスター、IC、LSIの時代に時代遅れと思われますが、1本の真空管でマイクロ波の発振から電力増幅までこなすので単価が安く電子レンジに使われています。
ドイツ式円盤型UFOの機体設計図の中心に1本の管があります。これはシャフトで上部から下部へ作動を伝えるものと説明されています、しかし他の機種ではシャフトが円筒形で中に螺旋状の溝があり、羽根付きもあります。エンジンのガス排気口と言われています。
円筒管は電磁コイルに囲まれた空間に配置されています。電磁波の交差照射により、円筒管内部はは高熱になり物質がプラズマ化しやすい条件になると思われます。プラズマ化する物質は設計図に特定されていません。水銀とも放射性物質とも言われています。
円筒管はプラズマ発生空間で電気的に切り離され、そこに電導体のプラズマが接続されます。プラズマ内の自由電子は磁力線に沿って一方向に整列します。磁力線は金属製円筒管に沿って外部へ出て機体全体を包んでいます。プラズマは磁力線に誘導されて円筒管を通り機体の表面を移動します。概念図のようにループを形成し矢印ように流れます。プラズマ電子が磁力線に誘導される現象は仮説でなく、核融合炉で実用化されている技術です。
プラズマを概念図のように流すのは、そこに電流を流すためです。回路図ではその電流をどこから取り入れるか書かれていません。電磁コイルからはマイクロ波が出力されているから、プラズマに沿ってマイクロ波が流れます。しかしソレノイドコイルに磁極が表示されているので、ここで必要なのは直流電流です。
プラズマを高速移動の伝導体と考えれば、磁場との相互作用、“ファラディの電磁誘導”によりプラズマの流れに電流が発生することになります。機体の中央の水平面にソレノイドコイルがあり、その上下を図のように逆方向に磁場が形成されています。電流と機体中央の磁場との相互作用すなわち"フレミングの左手の法則"により機体に揚力が働きます。
この物理法則はモーターのように、磁界または電界に囲まれた空間で成立します。説明図では宇宙船を取り巻く外側の楕円の中、すなわちプラズマ内の空間になります。宇宙船は金属で覆われていますが、磁力線は外部に展開され、その範囲は磁力線の強さと電磁コイルの形状によると考えられます。電磁コイル(ソレノイドコイル)は揚力発生に必要不可欠な役割を多く兼用しています。
プラズマは伝導体であり、宇宙船の上昇と共に磁力線に誘導されて移動します。しかし電流と磁場の位置関係は変わりません。推力を続けて得るためにリセットの繰り返しが必要です。したがってプラズマ、電流と磁場は断続波(パルス)でなければなりません。
推力はプラズマ空間で発生します。しかしその領域と作用とは無関係に、宇宙船に推力が発生しているように見えます。