戦場のピアニスト
戦場のピアニスト
映画“戦場のピアニストは2002年アカデミーアワードを受賞しています。
映画はポーランドのピアニスト、シュピルマンの実際の体験をもとに脚本が作られています。
ドイツ軍占領下のワルシャワで、ゲットーから逃げたシュピルマンはピアノのある廃虚でドイツ軍の将校に見つかります。彼はユダヤ人のピアニストであると明かします。将校はピアノの前で、彼に何か弾けるかと尋ねます。その時、シュピルマンが演奏した曲は、ショパンの夜想曲第20番嬰ハ短調でした。将校はシュピルマンの命を助けます。戦後、シュピルマンは命の恩人の将校がシベリアへ抑留になり病死したことを知りました。
ショパンはこの曲を姉のために、ピアノ協奏曲第2番の練習曲用として作曲したそうです。二つの曲には確かに共通のフレーズが見られます。私はこの曲は夜想曲の中でも比較的易しい曲と思って練習を始めたのですが、私には高嶺の花でした。
この夜想曲は悲しみを通り越した、澄んだ魂の響きが感じられます。
シュピルマン演奏のCDがソニーから発売されています。特に1948年録音のトラックが素晴らしく、雑音と歪がありますが、それがかえって感動的な雰囲気を醸しだしています。この当時、ソニーのテープレコーダーが発明されていなく、ワイヤーに録音されたということです。ちなみにフルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集もワイヤー録音です。