タイムマシン
現代物理科学では理論上、未来へ行くことができても、過去へ行くことはできないと言われています。ロケットでブラックホールあるいは巨大重力星の周りを数回周回して地球に帰還すれば、浦島効果で未来の世界に行けるそうです。しかし現代世界に戻ることはできません。この未来世界への旅行は時間の流れが一直線で3次元世界の枠組みから一歩もはみ出していません。未来世界へ行って、現代世界へ戻ることが実現したら混乱が起きるので絶対出来ないようになっているのかも知れません。
私たちは過去に願望や観念で戻ることはできても、それは不可能であることを知っています。それでは夜空の星はどうでしょう。かなたの星の光は、過去の光です。
質量のある物質が光速に限りなく近い速度で移動したら未来へ行き、光速を越えたら過去へ行くと言われています。私たちが大昔の光を見ることができるので、どこかの次元に過去の世界が存在することはありうることです。
素粒子タイムマシンがアメリカ、コネチカット大学のロナルド. L. マレット博士によって研究開発されています。過去次元へ入る方法として、リングレーザーの照射により、回転している中性子が結果として生じる重力場を利用することが提唱されています。動作原理は違いますが、中性子の作用の結果による重力場を利用することは後で述べるウンモユミット宇宙船と似ています。
アメリカで2006年に特許を申請したタイムマシンがあります。発明者はマーリンB ポールマン博士です。ウエブサイトで特許申請書のPDFが閲覧できます。
特許申請書はアインシュタインの相対性理論、素粒子力学、ローレンツ力、レンズ・シリング効果、ゲロック定理、そして将来発見されるかも知れない素粒子、将来確立されるかも知れない物理理論を用いて、過去次元、未来次元は存在し、タイムトラベルは可能だと主張しています。E=MC^2からエネルギーは時空に縛られないとも言っています。
設計書の説明図には楕円が描かれ、楕円の中央に楕円球があります。そこに2つのミニブラックホールがあります。装置の中では、光をも曲げる2つのブラックホールを用いてそれぞれ時空を閉じ込め、現在から過去あるいは未来次元へ移動する工夫がされています。
ミニブラックホールはスイスのLHCで生成できる可能性があるそうです。数年前のニュースに、大型ハドソン加速器で生み出されたブラックホールは地球をも飲み込んでしまう危険なものであるから実験を即刻中止せよと訴訟になったことがありました。しかし現代最先端科学技術で生成されるかも知れないミニブラックホールであっても、飛んでいる蚊のエネルギー程度しかないと言われています。したがって現代の科学技術では時空を閉じ込めることは無理でしょう。
さらにこの特許申請書では、どのようにして過去未来をもう一方の空間に持ってくるか、理解できません。
しかし特許には実現不可能であっても、科学技術分野の発展になるものであれば認められることもあります。この特許申請書はタイムマシン製作マニュアルでも操作マニュアルでもありません。特許取得に必要な事項に限定したことだけが書かれています。
もしかすると、アメリカで実用的なミニブラックホールはすでに作られ、博士の発明したタイムマシンは世界中の紛争地域に実戦配備されているかも知れません。
前頁のウンモユミット宇宙船が異次元に入る記述は、タイムマシンを連想させます。3次元に縛られない異次元の世界へ到達できれば、過去未来の時空へ行く足がかりになります。
タイムマシンは宇宙船である必要はありませんが、プラズマの扱いは同じように危険です。実験者がこの装置に乗り込まなくても、マイクロ波、プラズマは人体にダメージを受けます。そのタイムマシンは乗務員室と操作盤、プラズマ発生装置、その誘導装置、そして電磁波発生装置が基本構成要素になります。その操作と理論はユミット宇宙船と同じです。
プラズマ化する物質、中性子間の斥力を除去する電磁波の周波数、出力は試行錯誤になります。このタイムマシンがどこの異次元に到達するかデータがないので予想できないし、現在に帰還する保障もありません。自動操縦装置とカメラ、計測器を搭載し、データを収集することから始まります。異次元に到達するから遠隔操作、データの受信はもちろん不可能です。
しかし何よりも最初に、仮説“プラズマの中性子間の斥力を除去し、わずかな重力の落ち込みを生じさせることによって異次元へ移行する”が論理的に成立するかの検討をしなければなりません。
異次元宇宙から目的地を5次元宇宙、過去、そして未来から選択できるという仮説があります。またウンモユミットの本に、双子宇宙では時間が私達3次元宇宙と違って未来から過去へ流れると、理解しがたいことが書かれています。
アメリカのほか、ロシアでもタイムマシンの発明がなされています。現在実用段階まで来ているそうです。タイムマシンは空想科学小説から科学技術へと発展しています。