唐津くんち五番曳山、魚屋町『鯛』
唐津くんち五番曳山、魚屋町『鯛』
■制作過程 ※制作期間:2016年3月~2016年10月
さぁて型の作成。鯛山は容積が大きいので全て粘土型では無理があります。まずは厚紙で骨組みを。
粘土を盛る量を減らす為、ぎりぎりまで段ボールで上げ底にします。
粘土で凸凹を消した状態。自然素材に拘るので土とおが屑の粘土で。とても脆いのでニスで固めながら削っていきます。要はクレイモデルですね。
唇、エラ蓋、目は予め凹凸をきちんとつけておきます。顏の微妙な凹凸は要です。もう少し再現が必要です。焦らない焦らない、根気強く♪
粘土型に和紙を貼り付けて行き張子を作ります。鳳凰丸の教訓によりここは自然素材の糊ではなくタイトボンドを水で溶いたものを使用。そして一度に厚く張らない事、一層ずつ乾かしながら慎重に。
手頃な厚みに和紙を貼ったら、いよいよ抜き。パッカン、生まれました(笑)。この抜きも前回の教訓で、あえて切れ目を入れてミカンの皮の様に剥がす事。そしてもう一度型に合わせて立体に戻します。
図面に入れた基準線を張子に転写。これが重要です。これにより細工のバランスをとっていきます。左右を張り合わせたら内側の細工が不可能なので今のうちに内側の補強木枠等を施します。ヒレの原型も並行して作成。おそらく尾ビレ、胸ビレは重量の問題で中空になっていると判断し再現しています。
金目の開きではありません。左右張り合わせると塗りもしにくいので予め塗りを施します。本物もそうですが内側は雑で構いません。
出来上がったパーツで仮組。良い感じ♪ 図面のおかげでディテールは、かなり再現出来ていると思います♪
塗りに並行して台車作成。鳳凰丸より楽かと思ってたんですが、なんのなんの。。。でも前回のノウハウ蓄積は大きいです♪
だいぶ深みのある艶が出てきました♪あと数回で良い感じかな?鳳凰丸は持って行けなかったけど、笛仲間にこれを持って行って見せました♪
ヒレ類も着々♪ なんか爪楊枝刺すと新手の駄菓子の様♪ くんちの夜店で売るか?(笑)
車輪です。今回のこだわりは車軸を金属に、軸受ボルトもきっちり、鋼輪はあえて錆仕様♪もちろんウェザリング専用塗料なんて使いません。鉛筆の芯の粉にオレンジ色鉛筆芯の粉を配合し、タイトボンドで練り塗布。良い感じ♪
台車と本体内部の梁ほぼ完成。ボルト、補強金具等忠実にしたつもりです。
本体を乗っけてみる。そんな悪くないぞ♪ しかしこの状態だと赤いガバドンだな。。。(ガバドンって知ってる?)
本体に梁を装着。見えない部分も忠実に♪
鱗張り作業は老眼と精神に過酷です。。。凹感を出す為、ステンレステープにゴールドテープを張ったものを切り出して張っていきます。
ヒレ類は今こんな感じ。金箔の代わりは飛行機プラモの雄『ハセガワ』の"ゴールドミラーフィニッシュ"。曲面に追随するのでこういう部分にはばっちりです♪
唐津出身の方へは説明不要ですが、唐津くんちの曳山の多くの目玉は取り外せます。これは目玉です♪
本体。前回の写真と比較してもらうと判るかもしれませんが、最初は鱗が小さく、太く、何度もやり直し、テープの糊が残り大変な事に(号泣)。。。透明漆でトップコートを何回も繰り返しやっとひと段落。尾びれは写真の様に可動します♪
台車。本体を支える心棒を上下させる三連(6個)組合せ滑車とろくろに縄(糸)通し完了♪さすがに滑車は回転しないのですが、潤滑をサボった為に動きがいまいち。。。まぁいいや♪
目玉完了♪ これも最初は黒目が小さすぎ、やり直しました。。。なにぶんこの小ささなのでサイズ調整も大変です。。。
右は曳綱の取付金具、アルミ線にて作成♪ 左はヒレ類を可動させる為、ネットで探しうる限り小さい蝶番をゲットしたのですが、可動部径1.7mm、1/30縮尺で考えると約5cmの換算。戦車ハッチのヒンジばりのサイズなので却下。布ヒンジをそれらしく加工する事にしました。。。