(2024年8月19日作成)
通常の育児休業の申出は休業開始の1か月前までになっています。
それに対し、産後パパ育休の場合は、休業開始の2週間前までです。
つまり、後者の場合には育休を取るか否かを検討する時間的な余裕があるのです
育児休業と産後パパ育休は別々に取得可能です。
さらに、育休も産後パパ育休もそれぞれ2回に分けて休業できるので、夫の立場で言えば、都合4回の取得が可能ということになります。
つまり、長期間の休業によって仕事上大きな影響が出るのではという懸念が、休業と就業をうまく組み合わせることで緩和される可能性が期待できるのです。
②に加えて、産後パパ育休中には就業日を設けることも可能です。
従業員の育児計画、仕事の進捗状況、他の従業員の仕事との兼ね合いなどを考えて就業日を計画すればかなり融通のきいた働き方ができるかもしれません。
就業日を設けるには、会社は労使協定を結んだうえで従業員と個別に合意しなくてはなりません。
🔲就業可能な時間数:[休業期間内の所定労働時間÷2]以下
🔲就業可能な日数 : [休業期間内の所定労働日数÷2]以下
🔲休業開始日・終了日における就業可能時間数はその日の所定労働時間未満
(1)育児休業給付
🔳育児休業給付金の額
育児休業給付金の額=休業開始時賃金日額×30日×給付率
🔲給付率は、開始から180日までは67%、181日目以降は50%
🔲出生時育児休業を取得した場合は、その休業日数も通算します
🔲産後休業期間(出産日の翌日から8週間)は育児休業期間に含まれません
🔳具体例として月給30万円の場合の1か月分の支給額を見てみましょう。
休業開始時賃金日額= 30万円×6か月÷180日=1万円
育休開始から180日目までの1か月の支給額:1万円×30日×67%=20万1千円
育休開始から181日目以降の1か月の支給額:1万円×30日×50%=15万円
🔳育休期間中に就業した場合、就業が臨時的・一時的なものであれば育児休業給付は支給されます。 但し、賃金の額により減額されることがあります。
🔳支給単位期間(育休開始日から1か月ごとの期間)に於いて就業日数が10日、かつ80時間を超えると、育児休業給付金・出生時育休給付金は支給されません
🔳支給額には上限が設けられています
2024年8月1日からの支給限度額
・出生時育児休業給付 294,344円
・育児休業給付(67%) 315,369円
・育児休業給付(50%) 235,350円
(2)社会保険料の免除
🔳毎月の社会保険料
月末時点で休業中の場合に免除されます。
同月内に休業が開始・終了する場合は休業期間が14日以上あることが免除の要件となります。
🔳賞与にかかる保険料
育休の開始月に賞与が支払われ、休業期間が1か月を超える場合に免除されます。
産後パパ育休では、休業期間が最大4週間ですので免除されないことになります
(1)育児休業給付の給付率引上げ
・男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内を対象とされます
🔳父母二人ともが14日以上の育児休業を取得すると、父母それぞれが最大28日間まで休業開始前の賃金の13%相当額が育児休業給付金に上乗せされます
🔳育児休業給付と合わせて給付率は80%となり、手取の額は休業開始前の賃金の100%相当となります
🔳配偶者が雇用保険の被保険者でない場合(例えば、専業主婦など)、休業の取得要件は問われません
(2)育児時短就業給付
現在、育児のための短時間勤務制度を利用する労働者に対し、低下した賃金を補ってくれる制度はありません。
「共働き・共育て」・両立支援を推進していくには短時間勤務制度を充実させることが必要であるとの観点からこの給付が創設されたようです。
🔳2歳未満の子を養育するために短時間勤務をしている期間中に支払われた賃金の最大10%が支給されます(給付率が調整される場合があります)
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