業務または通勤が原因で亡くなった労働者の遺族に対し支給されるものです。遺族(補償)等年金と遺族(補償)等一時金があります。
⭕受給資格者の順位
被災労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた(生計の一部を維持していた場合を含む)以下の人たちです。妻以外の遺族については年齢や障害状態に関する要件が付されていることに注意してください。
年金は受給資格者のうちの最先順位の人(受給権者)に対して支給されます。
① 妻、または60歳以上か障害等級5級以上である夫
② 子 (18歳年度末までか障害等級5級以上)
③ 父母 (60歳以上か障害等級5級以上)
④ 孫 (18歳年度末までか障害等級5級以上)
⑤ 祖父母 (60歳以上か障害等級5級以上)
⑥ 兄弟姉妹 (18歳年度末までか60歳以上、または障害等級5級以上)
⑦ 夫 (55歳以上60歳未満)
⑧ 父母 (55歳以上60歳未満)
⑨ 祖父母 (55歳以上60歳未満)
⑩ 兄弟姉妹 (55歳以上60歳未満)
♦️配偶者の場合、事実婚であっても遺族に該当します
♦️被災労働者の死亡当時、胎児であった子は生まれた時から受給資格者となります
♦️転給…最先順位者が死亡や再婚などで受給権を失うと、その次の順位者が受給権者となります
♦️若年停止…⑦~⑩の人は受給権者になっても、60歳になるまでは年金支給が停止されます
⭕給付内容
遺族数(受給権者及び受給権者と生計を同じくする受給資格者の数)などに応じて支給されます。受給権者が2人以上の場合は、その額を等分した額が各受給権者に振り分けられます。
♦️給付基礎日額
労働基準法の平均賃金に相当する額です。
事故発生日等の直前の賃金締切日以前3か月間に支払われた賃金総額をその期間の暦日数で割った賃金額です。賃金にはボーナスや臨時に支払われた賃金を含めません。
♦️算定基礎日額
事故発生日等の前1年間のボーナスなど3か月を超える期間ごとに支払われた賃金の総額(算定基礎年額)を365で割った額です。臨時に支払われた賃金は含みません。
算定基礎年額が給付基礎年額(給付基礎日額×365)の20%を上回る場合は、「給付基礎年額×20%」が算定基礎年額となります。但し150万円が上限となります。
⭕時効
被災労働者が亡くなった日の翌日から5年を経過すると請求権が消滅します。
⭕以下の事由に該当する遺族に支給されます
① 遺族(補償)等年金を受ける遺族がないとき
② 遺族(補償)等年金を受けている人が失権し、かつほかに受給権者がいない場合で、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないとき