(2024年10月16日作成)
労災法(労働者災害補償保険法)は、労働者が業務中が通勤中に負った怪我・病気・障害・死亡などに対して補償を行うために作られた法律です。労災保険は、労働者が安心して働けるよう、治療費や休業補償などを提供します。
給付対象になるのはすべての労働者です。
労働者というのは事業者と労働契約を結び、賃金を支払われている者を指し、正社員に限らず、パート・アルバイト・日雇いなども含まれます。
♦️療養(補償)等給付(1)
業務災害(2)、複数業務要因災害(3)や通勤災害により、労災病院や労災保険指定医療機関等で療養を受けるとき
♦️休業(補償)等給付
業務災害、複数業務要因災害や通勤災害による傷病の療養のために休業し、賃金を受けない日が4日目に及んだとき
♦️傷病(補償)等年金
業務災害、複数業務要因災害や通勤災害による傷病が療養開始後1年6か月を経過しても治癒せず、傷病等級第1~3級に該当したとき
♦️障害(補償)等給付
業務災害、複数業務要因災害や通勤災害による傷病が治癒し障害等級第1~7級の障害が残った時は年金を給付。また、第8~14級の障害が残った時は一時金を給付
♦️介護(補償)等給付
障害(補償)年金または傷病(補償)年金の受給者の障害程度が常時または随時介護を必要とするとき
♦️遺族(補償)等給付
業務災害、複数業務要因災害や通勤災害による傷病で死亡した時一定の遺族に年金で給付。また、受給権者がいないときは一時金を給付
♦️葬祭料( 葬祭給付)
業務災害、複数業務要因災害や通勤災害による傷病で死亡した者の葬祭を行った者に給付
(1) 療養(補償等)給付
「療養補償給付」は業務災害を対象とする給付で、「療養給付」は通勤災害を対象とするものです(ほかの各給付についても同じ)
(2)業務災害
業務災害というのは、労働者が業務を原因として被った負傷・疾病・障害・死亡を指します。労働者が労災保険の適用事業所に雇われ、事業主の支配下にあるとき、業務が原因で発生した災害に対し行われるものです。
(3)複数業務要因災害
複数事業労働者の2つ以上の事業の業務を要因とする傷病等で、脳・心臓疾患や精神障害などが対象となります
複数事業労働者とは、事業主が同一でない複数の事業場に同時に使用されている者です。労働者として就業しつつ、同時に労働者以外の働き方で就業している者はこれに該当しません。
*必要な療養の費用支給
労災病院等で療養を受ける場合療養の給付は現物支給なのですが、やむを得ずそれ以外の所で療養を受けた時は一旦費用全額を支払い、手続の上後日現金給付で支払われます。
*給付基礎日額
労働基準法の平均賃金に相当する額です。
事故発生日等の直前の賃金締切日以前3か月間に支払われた賃金総額をその期間の暦日数で割った賃金額です。賃金にはボーナスや臨時に支払われた賃金を含めません。
*算定基礎日額
事故発生日等の前1年間のボーナスなど3か月を超える期間ごとに支払われた賃金の総額(算定基礎年額)を365で割った額です。臨時に支払われた賃金は含みません。
算定基礎年額が給付基礎年額(給付基礎日額×365)の20%を上回る場合は、「給付基礎年額×20%」が算定基礎年額となります。但し150万円が上限となります。
*常時介護・随時介護(概略的な説明です)
常時介護
・精神神経・胸腹部臓器に障害を残し障害等級・傷病等級が第1級に該当、常時介護を要する
随時介護
・精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、随時介護を要する
・障害等級・傷病等級が第1級に該当、常時介護を要する状態ではない
介護(補償)等給付の支給額は以下の通りです
〇親族・友人・知人の介護を受けているか、いないかで支給額が異なります
〇介護費用を支出したか、しないかで支給額が異なります