社会内分泌学

内分泌学的データは、社会行動の至近要因を調べる上で、多くの有益な情報をもたらしてくれます。飼育チンパンジーにおいて、社会行動と内分泌の関係、順位関係によって生じるコス ト、個体の性格差などについて研究しました。とくに、共同研究者によって開発された唾液中に含まれているステロイドホルモン(テストステロン、コルチゾール)の測定技術(Kutsukake et al. 2009)を用いて、どのような個体がどのような状況で高いホルモンレベルを示すか、以下の研究を行いました。

聞きなれない同種個体の音声をプレイバック(再生)実験し、個体のコルチゾール反応の個体差を調べました。その結果、個体の反応には一貫性があり、「性格」を明らかにすることができました(Kutsukake et al. 2012)。