略歴
河合塾にインタビューが掲載されました(こちら)
1993年 (H5) 東京大学 教養学部 理科II類 入学
勉強せずに、バドミントンとダンス(ヒップホップ・タップ)を中途半端にやっていました
1998年 (H10) 東京大学 理学部 生物学科 人類学教室 卒業
人類に進学したのは、自分の存在・起源について疑問を持ったから、、、というわけではなくて、マクロな生物学ができるところがここしかなかったからです。相変わらず勉強せず、院留しました。大学院に入れてもらえたらば真面目にやろうと思っていました
2000年 (H12) 東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 学術修士(指導教員:長谷川壽一教授)
たくさんの動物を一度に見たい! という理由で、社会行動がテーマになりました。たまたま、ラボにいたスコットランド人の不良研究員(現:サッカー記者)に弟子入りすることになりました。長野県・地獄谷のニホンザルを対象に、仲直り行動、連合形成、順位関係などを研究しました。毎日、温泉に入っていました。
2003年 (H15) 東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 学術博士(指導教員:長谷川壽一教授)
タンザニア・マハレの野生チンパンジーを対象に、社会的ストレス、対立解決行動などを研究しました。マラリアにはなりませんでした。チンパンジーに噛まれたので、博士をもらえました。
2003年 (H15) 東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 博士研究員(受け入れ:石田貴文准教授)
南アフリカ・カラハリのミーアキャットを対象に、社会行動を研究しました。灼熱のカラハリ砂漠で終日観察をして、「宇宙人」の称号をいただき伝説となりました。また、霊長類を対象に、繁殖の偏りに関する系統種間比較を行いました。この頃から安楽椅子研究を始めました。
2004年 (H16) 英国 ケンブリッジ大学 Dept. Zoology, Large Animal Resaech Group, 客員研究員(受け入れ:Tim Clutton-Brock教授)
お茶とビールばかり飲んでいました。物価の高さ、ご飯のまずさには参りました。
2006年 (H18) 理化学研究所 脳科学総合研究センター 基礎科学特別研究員 (受け入れ:岡ノ谷一夫チームリーダー)
飼育ハダカデバネズミを対象に、集団的意思決定を研究しました。デバ・アレルギーになりました。研究の構想力、研究費の意味など、いろいろ学び、人生で初めてオーラを見ました。当時は、理研が●●だとは知る由もありませんでした。
2007年 (H19) 総合研究大学院大学 先導科学研究科 助教
就職先がないので困ったなぁと引きこもっていたところで、総研大に拾っていただきました。行動生態学の授業実習を担当、大学院生の研究指導がお仕事です。最初の二年間は研究禁止ということで、こっそりやっていました。
2009年 (H21) 科学技術振興機構(JST) さきがけ研究者 兼任 (-H25)
数理・プログラミング・シミュレーション(すべて無経験)に憧れていたので応募しました。系統樹上での表現型データから適応進化を検証する統計モデリングを研究しました。4年後に「たったひとりの卒業式」を屋形船でやっていただきました。
2011年 (H23) 米国 コロラド大学ボルダー校 Dept. Ecology and Evolutionary Biology, 客員研究員(受け入れ:Rebecca Safran博士)
空気が薄いロッキーの麓でぶらぶらしていました。いたるところにプレーリードッグがいました。ドラクエ世代なので、ロッキー山脈の上部のツンドラに行ったときはテンションが上がりました。
2013年 (H25) 総合研究大学院大学 先導科学研究科 講師
テニュアをいただきました。大学院生の研究指導やら、研究員との共同研究をしています。プロジェクトが多すぎて、自分でも把握できていませんが(大丈夫か?)、そろそろ自分では論文を書かず、左団扇になれないものか、、、と目論んでいます。
2019年 (H31) 同・准教授
昇進させてもらいました。毎日、綱渡り状態ですが、一花咲かせようと目論んでいます。大学運営も頑張っています。
2019年 (R1) 同・教授
よく書き間違えていた「准」という漢字が外れました。目の黒いうちは、牧歌的な研究ができる環境を維持していくつもりです。できるだけ、マイペースも変えないつもりです。
2021年 (R3) 同・研究科長
大阪冬の陣のように、気がついたときには外堀が埋まっていて、研究科長をやることになりました。
賞罰
The first Primates Top Impact award (2007, 日本霊長類学会)
各年、Primates誌に発表された論文のうち、もっとも高頻度に引用された論文に与えられる賞です。Kutsukake and Castles (2004)が受賞
第12回 宮地賞 (2008, 日本生態学会)
「哺乳類における社会行動の多様性とその進化生態学的基盤」で受賞
第17回 高島賞 (2008, 日本霊長類学会)
Kutsukake and Nunn (2006), Kutsukake (2006, 2007), Kutsukake et al. (2006) が受賞
研究奨励賞 (2008, 日本進化学会)
「哺乳類の社会進化に関する至近・究極要因の総合的理解」で受賞
科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞 (2010)
「哺乳類の社会行動を形成する生物学的基盤の研究」で受賞
日本動物行動学会 学会賞 (2014)
「適応進化の検出を可能にする新しい系統種間比較」で受賞
Journal of Ethology, Editor's Choice Award (2019)
Irie et al. (2019)が受賞