第8回 畠山寛先生(外国語部門)

第8回目のインタビューは、外国語部門(ドイツ語)の畠山寛先生

先生は、「ドイツ語ⅠAb」で多くの受講生の支持を集め、

少人数科目であるにもかかわらず2018年度「学生が選ぶベスト・ティーチング賞」を受賞されています。

明るい人柄の畠山先生に、お話を聞きました。

Q:畠山先生は駒大では語学を教えていらっしゃいますが、本当はドイツ文学がご専門だそうですね。現在はどのような研究を行っているんですか?

A:学生の頃から一貫して、ドイツ詩人のフリードリヒ・ヘルダーリンの詩・小説・戯曲の研究をしています。

Q:研究テーマである「ヘルダーリン」との出会いを教えてほしいです。

A:元々、ドイツ語学科(東京外国語大学)の学生でした。二年生くらいの頃に様々なドイツ文学作品を読んでいた中で『ヒュペーリオン』という彼の作品を読みました。日本語訳の本でしたが文章が難しく、またドイツ語版でも正確に理解はできませんでしたが、作品の節々にある「光るフレーズ」に心惹かれて、現在でも彼の作品の研究を続けています。

Q:先生と「ヘルダーリン」を繋いだドイツ語を選択した理由を教えてください。

A:大学では文学を学びたいと考えていたのですが、フランス文学かドイツ文学で悩んでいました。中学・高校時代にはたくさんの文学作品を読んでいた「文学青年」で、ドイツ文学に触れる機会の方が多かったので、ドイツ語学科を選びました。

Q:その頃の先生はどのような学生だったんですか?

A:大学は、1年生の夏以降「面白くない」という理由で行っていませんでした(笑)

そのせいで一年生を4回も経験することになってしまいました。しかし、3回目の一年生の時に、友人と弟と、バックパッカーとして一か月程、ヨーロッパを旅しました。そこで様々なものに触れるうちに「しっかり学びたい」と思うようになり、帰国して4回目の一年生で真面目に勉強し始めました。4回一年生を経験しましたが、その間、本を読むことだけはやめませんでした。学部卒業後は大学院へ進みました。

Q:先生が3回も留年されていたなんて意外ですね!迷える現役駒大生にメッセージはありますか?

A:第二外国語を教える教員としては、第二外国語を学べばさまざまな知識が増えると思っています。その知識は必ず皆さんの役に立つ時が来ます。

また文学を研究する者としては、本をたくさん読んでほしいです。特に、自分が今専攻しているものだけでなく(例えば法学部生が法学の本を読むだけでなく)、様々な分野の本や小説を読む「乱読」や、本を一冊読み終えたらすぐ次の本を読むような読書を4年間続けてみてほしいです。やはり、本を読む時間は社会に出ると少なくなってしまいます。

もし、読みたい本がなければ、面白い本を教員から教えてもらうことをお勧めします。折角大学にいるのですから、教員に色々なことを遠慮なく聞いてほしいです。

Q:ありがとうございました。畠山先生のドイツ語科目に投票した学生から、「語学だけでなくドイツ文化などいろんなことが学べる」といったコメントが多い理由が、インタビューを通じてわかったような気がしました。

聞き手:学生FDスタッフ

文学部1年 澤本