第14回 堀内健一先生(経済学部)

第14回のインタビューにお応えいただいたのは、経済学部の堀内健一先生です。

経済学の大元となる「経済理論」の授業をご担当される堀内先生。

経済学初心者の1年生にもわかりやすい授業の秘密から、学生時代のことなど、お話をうかがってみました。

Q:先生は社会学部のご卒業で、経済学の先生になられていますが、経済学を学ぼうと思ったきっかけは何でしたか?

A:マルクスの『資本論』を大学の読書会サークルで読んだことです。

とても難解で、当時真に理解できていたとはいえなかったと思いますが、論理の展開がすごくおもしろく魅力的に感じました。


Q:学生時代はどのような学生でしたか?

A:早く自立した生活をしたいという気持ちが強かったです。

読書会とは別のサークルで、よく登山にも出かけたりしました。勉強、アルバイトから、旅行や登山など、若いと一気になんでもできてしまいますね。今から考えると素敵な時間を過ごさせていただいと感謝しております。


Q:読書から登山と幅広く活動されていたようですが、その中でも学生時代に経験したことでよかったと思うことはありますか?

A:たくさんあります。よい先生と出会ったこともそのひとつです。みなさんも自分にとってよい先生をみつけて、深く付き合ってほしいと思います。

Q:先生が好きなものの中で、一番自信がある、誰にも負けないことはありますか?

A:好きなものはコーヒーで、こだわりをもっていますね。自分が淹れているコーヒーが一番おいしいと思っています(笑)。機会があればお淹れいたしますよ。

Q:よろしいのですか!ぜひ、いただきたいです!

先生は学生にもこうして優しく接してくださいますが、授業で学生に接するときに何か工夫していることはありますか?

A:理論を説明するときに、具体的な事柄と関連付けて説明することを心がけています。

理論というものは現実に起きていることを抽象化したものなので、イメージしづらく、難しい。経済学はどの分野もそうだと思います。

ですので、なるべくイメージしやすい形で説明したいと思っています。特に映像資料の活用は効果的であると考えています。

Q:私も先生の授業を履修していますが、視覚的に訴えてくださるので印象に残ります。

授業も色々と工夫してくださっていますが、ここからどういう先生になりたいという理想像などはありますか?

A:そうですね、専門外の事柄でも一通り意見を持っているような、広い視野を持っていたいです。実際にはなかなか難しいとは思いますが…。自分の先生から受けた恩恵は、次の若い世代のみなさんに受け渡していきたいと思っています。

Q:堀内先生が学生に読んでみてほしい、オススメする本はありますか?

A:最近読んだ本では『科学者はなぜ神を信じるのか ~コペルニクスからホーキングまで ~(ブルーバックス)』(三田一郎)という本がおもしろいと思いました。そのなかに出てくるニュートンの無神論者の友人にまつわる逸話が好きです…。ニュートンは経済の歴史の上でも重要な人物なのですよ。そういえば、コペル君がでてくる『きみたちはどう生きるか』がなぜか今ブームになっているようですが、昔の岩波の文庫版の丸山真男の解説も読んでみてほしいですね。

Q:ありがとうございます!最後に、駒澤大学の学生たちにメッセージをお願いします。

A:多分、「やればできるのに」と言われてきた人も多いのではないでしょうか。実を言うと、自分もそうだったかもしれません。できるのにやらなかったとしたら、もったいないです。面倒くさがったり、失敗を気にしたり、遠慮したり。そういった理由であきらめないでほしいです。まじめにいろんなことに取り組んだり、挑戦してみたりしてほしいと思います。

あきらめずに行動したひとが、若くしていろんな方面で能力を開花させて、軽やかに活躍しているようにみえます。自分の正直な、自然な気持ちに従ってほしいです。

私たち教員が手伝いますので、大学では自分の頭で考えることの大切さを学んでもらえたらと思います。


Q:学生の自主性を育ててくださる堀内先生。先生の考え方も学んでいきたいと思います。ありがとうございました!

聞き手:学生FDスタッフ

経済学部2年 郝