第4回 濱口真木先生(外国語部門)

第4回目のインタビューは、英語科目をご担当の濱口真木先生にお応えいただきました。

たまたま必修科目として先生の科目を履修していた学生FDスタッフが濱口先生のわかりやすい授業のファンになり、先生にお願いしてお話を聞かせていただきました。

Q:濱口先生が英語を学ぼうとしたきっかけは、何だったんでしょうか?

A:文学が最初の出発点でした。高校生のときからシェイクスピアなどの演劇を観るのが好きで、観劇しながら台本を読むときにはどうしても英語の学力が必要でした。原文がわかれば、色んな解釈ができます。そのために英語の勉強を始めた、というのが一番のきっかけです。

Q:演劇を愛していらっしゃるんですね。学生時代の濱口先生は、どのような学生でしたか?

A:実は最初は法学部に入学したのですが、どうしても文学がやりたいということで、学部2年生のときに転部試験を受けて、(駒澤大学)文学部英米文学科に移りました。途中から転部したこともあって、周りの友達とあまり馴染めなかったのですが、それが幸いして文学の勉強に打ち込むことができました。アルバイトも多少はやっていましたが、まずは勉強を第一に考えていました。

Q:先生にとって「理想の先生」像はありますか?

A:自分の指導教員だった先生(故荒井良雄先生・駒澤大学名誉教授)を目標にしています。その先生は授業の中で、実際にシェイクスピアを朗読して演じる先生だったんです。私も、「先生」役を演じているつもりで授業を行うことを意識しています。

Q:とても個性的なお考えですね!授業で演じながら、「教員をやっていてよかった」と思う瞬間はありますか?

A:授業に対して学生からの反応が良かったときです。積極的に質問に来てくれると、やっぱりうれしいですね。逆に何も質問がないと、「あんまり響かなかったのかな?」とか「ちょっと授業を改善しないといけないのかな?」と考えたりします。

Q:英語を学ぶ上でのポイントやコツって、あるんでしょうか?

A:まずは受信英語をきちんと身につける、ということです。受信英語(読む・聞く)と発信英語(書く・話す)で4技能ありますが、受信と発信の間には「常に受信英語のほうが先んじ、その割合も大きく上回る」という大原則があります。例えば、聞く(受信)と話す(発信)を例にとると、「聞き取ることができなければ話せるようにはならない」ということです。同様に、「読めるようにならなければ書くことはできない」のです。必ず受信英語が先んじるので、受信英語をまずきちんと身につけないと、英語を発信することはできないということになります。

Q:受信英語を効果的に身につけるには、どうすればいいですか?

A:「シャドーイング」があります。ネイティブの英語を耳で聞いてオウム返しをしてください。最初はゆっくりスピードの教材で必ず文字を見ながら練習し、ある程度オウム返しができるようになったら徐々に文字から目を離していきます。最終的には文字を見ずにオウム返しできるようになるのが目標です。時にはいつもつまずくところが出てくるはずです。そのような時には一旦音声を止めて、そこだけ何度も、場合によっては何十回と声に出して練習してから、シャドーイングを再開してください。こういう訓練によって、英語のリズムやイントネーションを身につけられます。

シャドーイングで受信英語を訓練した後に、発信英語の訓練に入ります。英文の構成力を身につけるためには、日本語から英語へと変換する訓練が必要です。そこで今度は日本語訳を見て、シャドーイングで頭にインプットした英文が言えるようになる訓練をするのです。ある程度インプットされている英文なので、慣れればそれほど難しくありません。ポイントは完全主義にならないことです。大体通じる英語が言えればそれでよしとしてください。

Q:受信→発信の順で訓練するのですね。

A:

1.読める英文で、ゆっくりスピードの教材を選び、知らない単語を覚える。

2.文字を見ながらシャドーイングをして、徐々に文字から目を離していき、最終的に何も見ずにシャドーイングできるようにする。

3.日本語訳を見て、シャドーイングでインプットした英文が言えるようにする。

英語学習はこのように3つに分けると効果的です。

Q:そのためにおすすめの参考書はどういったものがありますか?

A:高山英士さん、森一泰さん著の『ENGLISH EX』です。中学高校レベルの文法が細かく載っていて、分かりやすくておすすめです。例文には、日常会話で使用する英文がたくさん紹介されています。その例文を丸暗記するだけで会話フレーズのパターンや語彙も増やせます。英会話というのは「どれくらい英文が頭に入っているのか」といった側面があります。使える英文をできるだけたくさん頭に叩き込んでおくことが必要なんです。この本は、日常会話でよく使う英語、例文が使われているので、とてもおすすめです。

Q:最後に、先生から学生に一言お願いします。

A:英語を学ぶには、「何のために英語を学ぶのか」という目的意識が一番重要だと思います。もちろんコミュニケーションも重要ですが、自分みたいに、文学とかそういったものに興味があってそのために一つの目標に向かって学問を続けていきたいとか、何か目標があったほうがいいと思うんですね。「必修科目だから」だとかそういうことではなく、何でもいいので自分なりの目標を掲げてやってみてほしいです。あまり文法にこだわらず、間違いを恐れずに思い切って外国人に話しかけることも重要だと思います。

Q:目的意識を持ちながら、完全主義にならずに挑戦することが大事ですね。たくさん教えていただいてありがとうございました!

聞き手:学生FDスタッフ

経済学部2年 深澤

経済学部3年 山田